BNPL(バイ・ナウ・ペイ・レイター)とは
バイ・ナウ・ペイ・レイター(通称BNPL)とは、クレジットカードで大きな買い物をする場合、与信枠が少なくなります。その与信枠以外にあとで分割払いができるようにしたものです。
今現在、クレジットカードも含めたオンライン決済の市場規模は、10兆ドルあります。BNPL市場はヨーロッパ、オーストラリア市場は進んでいる一方、アメリカでは遅れています。
オンライン決済の市場規模(2021) |
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10兆ドル(1000兆円) |
BNPL市場シェア | |
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EU | ネット通販の10% |
オーストラリア | 7-8% |
アメリカ | 2% (前年同期比+130%) |
将来的には、トータル・ペイメント・ボリュームで6000億ドル市場と言われており巨大マーケットになります。
BNPL将来の市場規模 |
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6000億ドル(66兆円) |
BNPLメリット
クレジットカードはカードごとに限度額が決まっているため支払いがごちゃまぜになっていますが、BNPLでは、それぞれのブランドレベルで信用の管理ができます。
また、マーチャントがBNPLを利用する場合、高額な商品の場合売れにくいですが、分割後払いで買ってもらえればディスカウントせずに済むメリットがあります。
つまり、BNPLは顧客と商店のエコシステムの媒体となるということです。
BNPLデメリット
BNPL業界ではさまざまなイノベーションが生まれているので、法規制が追いついていない側面があります。
- 消費者が支払いを延滞した場合は企業によって対処の方法が違う
- 個人の支払いを記録している機関への報告義務も不明瞭で企業によってまちまち
- 無謀な借入れをした人などの情報が金融各社で共有されていない
つまり、クレジットカードを作れない人がBNPLでお金を借りまくるというようなことが起きて、BNPLが信用のダークプール化するリスクも考えられます。
フィンテックへの注目度の高まりと将来的な危険性について
じっちゃまのツイート(2021年8月28日)によると、アマゾン(AMZN)とアファーム(AFRM) の提携について、次のように語られています。
しかし、(YouTube Live2021/8/29)では、「今すぐにというわけでなく、いずれ訪れる懸念点」と説明されています。
- アファーム(AFRM)の「バイナウ・ペイレイター」ボタンがアマゾンのサイトに実装される。
- 個人版シャドーバンキング爆誕!
- アマゾンのサイトにアファーム(AFRM)が実装される。これ大事件!!!!!!!!!
- 過去のフィンテックをめぐる色々な出来事で、最も重要な事件。
- 次のリーマンショックは消費者金融で起こるかも。
- 今日引け後の、このニュースで、FRBはテーパーを早目に実施すると思う。
- なぜならBNPL(バイナウ・ペイレイター⇒割賦のこと)はクレカ残高、信用情報に反映されない、「シャドー・バンキング」だから。
- いまメガバンクに激震が走っている。
- キャピタルワン(COF)、ウエルズファーゴ(WFC)、JPモルガン(JPM)などの銀行に悪いニュース。
- アファーム(AFRM)爆騰中。
- マルケタ(MQ)はアファーム含め、すべてのBNPLを黒子として背後で駆動しています!
- FRBは、いまアマゾン=アファームの提携について急いで聞き取り調査しているはず。
BNPL関連の米国株
BNPL関連サービスを提供している企業は次の通りです。
ティッカー | 企業名 | 事業内容 | 関連企業 |
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AFRM | アファーム (アメリカ) | モバイル・ファースト・コマースの プラットフォーム | アマゾン(AMZN) |
未上場 | アフターペイ (オーストラリア) | 少額支払い特化型 決済プラットフォーム | スクエア(SQ) |
未上場 | クラーナ (スゥエーデン) | アプリ内決済 プラットフォーム | |
PYPL | ペイパル | オンライン決済 プラットフォーム | |
MQ | マルケタ | 金融カード決済 プラットフォーム | アファーム(AFRM) アフターペイ クラーナ 等 |
UPST | アップスタート | AI融資 プラットフォーム | |
DLO | ディーローカル | 新興市場向け 国際決済プラットホーム | |
NCNO | エヌシーノ | 金融機関向け プラットフォーム | |
未上場 | Stripe(ストライプ) | APIやSaaSでさまざまな ペイメントプロセスの ソフトウェアを提供 |
アファーム(AFRM)について
アファーム(AFRM)のマーチャントの数は1.2万社です。そしてショッピファイ(SHOP)と業務提携しています。これは非常に重要な業務提携です。
アファーム(AFRM)の株式の持ち合いをしているショッピファイ(SHOP)がアファームに買収提案する可能性に期待されていましたが、2021年8月28日アマゾン(AMZN)との提携を発表し、株価は1日で40%以上高騰しました。
アファームの株価の推移には、次のような背景がありました。
- AAPLがBNPL参戦!→暴落
- SQがAFTERPAY買収→暴騰
- AAPLがカナダでAFRMと提携→暴騰
- AMZNと提携→大暴騰
アファーム(AFRM)の場合は、消費者が支払いを踏み倒したら、機関に報告するので信用スコアが悪くなります。また、アファームの特徴として取引の30%がマーチャントではなくアファームのアプリからの売上げです。
アファーム(AFRM)のページから購入すれば、BNPLを提供していないブランドのものでも分割払いが可能となります。
企業によって分割回数が違い、アファーム(AFRM)は、ペロトン(PTON)のバイクを買う場合は最高39回払いまで可能です。しかし、オーストラリアのアフターペイの分割回数は4回払い一択です。
スクエア(SQ)× アフターペイ
アフターペイはスクエア(SQ)によって買収されることが発表されています。この買収は、2022年の1-3月期に完了する見込みです。
アフターペイの特徴は、比較的少額(数万円~10万円程度)の支払いに特化していることです。これがスクエア(SQ)との「Cash app」に実装されることで、ミレニアルズ世代のハートをがっちり掴もうとしているます。
2021年で26〜41歳の求めていることは、従来の銀行のクレジットカードの様な画一的なシステムではなく、フレキシブルなシステムです。
ミレニアルズ世代は、銀行に大切に扱われるほど大きな存在ではないため、銀行も信用していないし、クレジットカードも法外な手数料をぼったくられると思っているということです。
クラーナ
スゥエーデン企業のクラーナはの利用者は9000万人に達しています。アプリ内決済を手がけていて、さまざまなイノベーションが生まれています。
まだIPOしていません。
ペイパル(PYPL)
マルケタ(MQ)について
マルケタ(MQ)の展開する決済プラットフォームは、アファーム(AFRM)、クラーナ、スクエアに買収されるアフターペイなど、全てのBNPLを背後で駆動しています。
詳しくは下の記事でまとめています。
アップスタート(UPST)について
詳しくは下の記事でまとめています。
ディーローカル(DLO)について
詳しくは下の記事でまとめています。
エヌシーノ(NCNO)について
詳しくは下の記事でまとめています。
情報ソース
下記資料によると、BNPLシフトは当初予測より早く進むかもと思わせられます。
資料は23年でBNPL3%予測になってますが、既に3%。BNPL貸倒率は1〜2%程度。
このリスクをどれだけヘッジできるかが長期的成長のポイントで、ビジネスモデルに欠陥があるようには見えないです。