- Squareの2大事業は「PoS事業」と「CashApp事業」
- 「Cash App」は、お金に関すること(給料、送金、株、ビットコインなど)を全て一つのアプリでできるようにした(Square経済圏)アプリ
- ビジネスモデルは決済手数料とファイナンシング
- 2020年Q2は「PoS事業」が減速
- 代わりに「CashApp事業」が急成長し粗利は+28%成長
- 株価は過去1年間で+165%の急成長企業
- 2020年Q2決算の売り上げ成長は、+242%!
Square(スクエア)社について
企業概要
会社名:【SQ】Square inc.
主な事業:ビジネスモデルは決済手数料とファイナンシング
設立:2009年
上場:2015年(IPO初値11.20ドル→180ドル)
CEO:Jack Dorsey氏(スタートアップ界隈でカリスマ的存在)
従業員数:3,835人
サービス・商品 with 顧客(マーケット)
コア事業
スクエアのコア事業は大きく2つあります。

PoSシステム ( コロナで減速)
- 創業時のビジネス
- 誰でもクレジットで支払いを受けることができるハードウェアデバイス
- 爆発的ヒット
- 顧客のビジネスデータをほぼ全て把握
- ソフトウェアの使用料は無料
- トランザクション手数料
- Square Capital(ファイナンス事業)

Cash App(コロナでも急成長中)
- アプリ
- クレジットカード送金
- インスタント引出し
- 小売業者への手数料
- ビットコイン売買手数料
かつては、PoSシステムの売上が主軸でしたが、コロナ禍において前者が減速し、後者が大きく伸びたことで粗利益ベースではほぼ同じ割合になりました。今までPoSシステムのSquareという印象でしたがポストコロナの成長をリードするのはCash Appであることが期待されます。
ユーザー

Cash Appは若者を中心に利用者が急増しており、2020Q2にはついに月間利用者は3000万人を突破し、ライバルのVenmo6000万人を抜くべく猛進しています。
ビジネスモデル
Cash App

急成長しているのが、主に若者向けを意識した個人間送金のアプリ「Cash App」です。
- 個人間の送金向けのアプリ
- Cash Appの機能は銀行口座と言ってもいいほど充実
- 振り込み用の口座番号もあるので給料などの振り込みに使える他、Cash App専用のキャッシュカードも作成可能
- カジュアルな銀行口座というポジションを目指す
- 個人間送金アプリではダウンロード1位を維持
- 政府の支援金の受け取りで直近のダウンロードを大きく加速
収入源
- クレジット送金手数料
- (クレジットから送金する場合は3%の送金手数料)
- インスタント出金
- 基本的に、この出金手数料は無料ですが、1−3営業日かかります。もし即日お金が欲しい場合は出金手数料1.5%がかかります
- キャッシュカード
- 銀行に送金することなく、アプリから簡単にキャッシュカードを作ることによって直接Cash Appからお金を引き出すことが可能です。
- このキャッシュカードを使うことで小売店から2.75%の手数料を得ているようです
- ATMから直接現金を引き出す際に手数料$2がかかります
- ビットコイン売買手数料
- Cash Appはビットコインの売買をすることも可能で、売買するたびに1.75%の手数料を徴収しています。
- 株式の売買手数料は無料
- CashApp上で株取引が可能です。こちらは手数料をとっておらず収益化していません。
PoSシステム
トランザクション毎に2.6%と10セントの手数料を徴収してます。ハードウェアは基本的にそれほど高いものではなくほとんどが$50-$200程度で販売し、一番シンプルなものは1つ目は無料で配布してます。基本的にハードウェアではなくトランザクションの手数料で収益を上げています。
収入源(Square Capital)
PoSシステムを提供しているため、顧客のビジネスデータをほぼ全て把握してます。それにより、顧客に適切なファイナンス情報を銀行に先駆けて提供することが可能になってます。
Squareは顧客の問い合わせがなくても、過去のデータから自動で貸付金のオファーをソフトウェア上で常に提示し、顧客は銀行へ行ってローンの相談をせずとも、ローンの支払いはこのPoSシステムから自動で支払う事ができます。
ただし、コロナ禍において倒産する企業が増えているので貸し倒れ金を多く引き当てててる他、新たな融資を止めており、このビジネスはかなり減速しています。
グロース(成長)株か?バリュー(割安)銘柄か?

- 売上:$1.92B ( 64% YtoY )
- 粗利:$597M ( 28% YtoY )
- 営利:-$11M
- GPV(決済総額): $22.8B ( -15% YtoY )
- EBITDA(利払い前・税引き前・減価償却前利益): $98M ( -7% YtoY)
この株は未来の「GAFAM」のようなテンバガー株になりうるか!?
以下のグロース株5つのポイントに沿って確認してみましょう。
- 増収増益か?
- 株価チャートが持続的な上昇トレンドか?
- 時価総額が比較的小さいか?
- 今の株価(バリュエーション)は、割高か割安か?
- 将来の「成長ストーリー」は良好か?
1) 決算が予想を上回っているか?
EPS(一株あたり利益)

直近の2020年Q2決算では、EPSが予想EPSを「0.23ドル」上回っています!
2020年 2Q決算 | 実績 | 予想 |
---|---|---|
EPS(一株利益) | 0.18ドル | -0.05ドル |
Q3ガイダンス | コンセンサス予想 |
---|---|
EPS(一株利益) | 0.16 ドル |
2020年Q3決算予想が、▲38%なのが気になるところです。
売上高成長率
直近の2020年Q2決算では、売上高が予想売上高を「$788.96M」上回っています。
2020年 2Q決算 | 実績 | 予想 |
---|---|---|
売上高 | 1.92億ドル | 1.13億ドル |
売上成長率YtoY | 241.8% | – |
Q3ガイダンス | コンセンサス予想 |
---|---|
売上高 | 2.05億ドル |
売上成長率YtoY | 68.3% |
Cash Appによる売上は、粗利益ベースでは公式発表で167%も伸びておりかなり順調です。
これは4月−6月にかけて経済支援金がCash Appにかなり入金されたことを受けて特需でこれだけ伸びているようです。
しかし、コロナ直前の決算である昨年2019年の9月ー12月期は粗利がYtoY147%で伸びている事業なため、本質的にCashAppはかなり成長している事業と言えそうです。
PoSシステムは売上をおおよそ17%YtoYで落としています。しかし、7月ベースの数字ではロックダウンも徐々に解除され、前年同期比で+5%まで回復しているとのことです。
Square Capitalの貸し付けは7月より徐々に始めてますが、前年同期比ベースではかなり減速しているとのことです。
利益率(Margin)
SQ | |
---|---|
Gross Margin(粗利率) | 36.70% |
Operating Margin(営業利益率) | 5.30% |
Profit Margin(純利益率) | 5.10% |

COGS には固定費も変動費もそれぞれ混合されています。
卸売業や小売業であれば、変動費と COGS はほぼ等しい関係にあります。一方、サービス業や製造業では、人件費や工場経費が COGS に含まれるため、多くの固定費が COGS に入ります。
2) 株価チャートが持続的な上昇トレンドか?
3)時価総額が比較的小さいか?
現在の時価総額は77.25億ドル(2020/10/7)
4) 今の株価(バリュエーション)は、割高か割安か?
現在の株価 : 175ドル(2020/10/7)
13倍
= 77.25億ドル(時価総額) / 5.88億ドル(年間売上高予想)
69.3(40%以上)
= 64%(売上高の成長率YtoY前年同期比) + 5.3%(営業利益率)
これらの算出方法については、下の記事で解説しています。
5) 将来の「成長ストーリー」は良好か?
PaypalとSquareの2社は必ずしも全ての領域で競合ではありませんが、P2P決済というカテゴリで激しく競合してます。Squareが大きくグロースするキーファクターは、「時価総額70BのSquareが時価総額220BのPaypalに追いつき、追い抜かせるか」ということにかかっています。
個別株ポートフォリオのセクターバランスを考えた場合、「金融・決済・フィンテック」系はやはり1銘柄は持っておくべきです。
グロース投資家としての選択肢はおそらく4社。
- 「Visa」
- 「Mastercard」
- 「Paypal」
- 「Square」
どれも素晴らしい企業ですので、Squareの当記事及び他社の決算も見て1社選ぶのが良いかなと思います。
また、スクエア社(SQ)はすでに資産の1%に当たる5000万ドル(約53億円)相当のビットコインを購入していますので、ビットコインへの投資もカバーする側面があります。
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