企業について、サクッと把握
- S&P500に採用されている米国のCAE(コンピュータ支援設計)企業
- 電磁界・回路・システム、熱流体、構造など複数ドメインの物理現象の単独解析や、連成解析できる総合CAEソフトウェアの「アンシス」を開発、販売
- 航空宇宙や防衛、自動車、電機など様々な業界や学界で幅広く用いられる
- シミュレーション分野では世界No.1企業
ティッカー | ANSS [NASD] |
会社名 | ANSYS, Inc. |
セクター | Technology | Software – Application | USA |
設立 | 1970年 |
IPO(上場) | 1996年 6月 |
CEO | アジェイ・ゴパル氏 2017年1月– |
時価総額 | 27.69Bドル |
本部 | アメリカ ペンシルベニア州カノンズバーグ |
従業員数 | 4800人 |
B = Bllion(10億ドル)
- 1970年に、ペンシルベニア州西部でジョン・スワンソンによってSASI(Swanson Analysis Systems, Inc)として創立され、翌年から「アンシス」の開発及びリリースを開始しています。
- 当時はコンピュータによる構造解析が研究者だけでなく一般企業での設計にも活用し始められた黎明期でした。
- 1990年代以降は、他社の買収によって技術を取得。パートナー製品によるラインナップの拡充が進められました。
- ANSYSは特にユーザインタフェースへの開発に注力することで他製品との差別化をしました。1994年に社名をアンシスにしています。現在も、本社を設立当初の場所の近くのペンシルベニア州カノンズバーグに構え、世界に75以上の戦略的販売拠点を持っています。
- 2019年11月に自動車や航空宇宙分野で事業を営むライブモア社を買収しました。
バリュエーション
1996年のIPO初値から+9300%の株価になっています。
- 決算ピカピカ銘柄
M = Mllion(100万)
B = Bllion(10億)
業績 | |
---|---|
売上成長率(YtoY) | +20.48% |
PER(LTM) | 62.5倍 |
PER(NTM) | 46.3倍 |
PSR(LTM) | 16.4倍 |
PSR(NTM) | 15.1倍 |
ROA(総資産利益率) | 8.70% |
ROE(自己資本利益率) | 12.10% |
ROI(投資利益率) | 8.90% |
Gross Margin(粗利率) | 86.40% |
Operating Margin(営業利益率) | 29.50% |
Profit Margin(純利益率) | 26.50% |
直近の決算では、EPS、売上高ともに、オールOKです。
2021年 Q1 決算 | 直近決算良否 | 予想 | サプライズ値 | 実績 |
---|---|---|---|---|
EPS(一株利益) | ○パス | 0.84ドル | →0.28 → | 1.12ドル |
売上高 | ○パス | 352.72M ドル | → 19.43M→ | 372.15M ドル |
売上成長率(YoY) | +20.48% |
2021年 Q2 ガイダンス | アナリスト予想 | 会社予想 |
---|---|---|
EPS予想 | – | 1.56ドル |
売上高予想 | – | 434.14Mドル |
売上成長率(YoY) | – | +16% |
8/5/2021 (Estimated)
深掘り(公式資料より、ビジネス、業績について )
以下のポイントに沿って、公式資料から抜粋して深掘りしていきます。
■ ビジネス、業績について ■
- マーケット(ユーザー)
- ソリューション(テクノロジー、プロダクト)
- ビジネスモデル
- 成長性
- コンペティター(競合)
- 売上成長、損益
- バランスシート(B/S)
- キャッシュフロー(CF)
- 今後の業績見通し
*引用ボックス内は、目論見書(S-1)等SEC.GOV公式資料から引用しています。
マーケット(ユーザー)
デジタル空間で現実世界を再現する技術に優れ、技術力は高く世界には数万の顧客がいます。顧客の中には、ワールドクラスの会社も多く、世界最大の半導体メーカーである台湾セミコンダクター【TSM】や、世界最大の消費財メーカーであるP&G【PG】、アメリカの製薬会社ファイザー【PFE】などが顧客です。
日本でも、トヨタ自動車(7203)やデンソー(6902)、パナソニック(6752)などの日本を代表する大手企業がアンシスのサービスを利用しています。
ソリューション(テクノロジー、プロダクト)
アンシスのサービスは、現実世界での試運転や実験、テストなどの回数を減らすことで、結果として市場投入時間の短縮やコスト削減を実現しています。
ビジネスモデル
業界評価
売上成長(損益)
GAFAMなどと比較すると、決して規模は大きくない企業ですが、売上高は順調に成長しています。営業利益率も足元はやや下がっていますが30%程度と高水準です。
近年の売上高の成長は、積極的なM&Aの結果でもあります。10-Kフォームによると、2018年に1社、2019年に5社、2020年に2社を取得しています。2020年8月の投資家向けプレゼンテーションで今後も企業買収を積極的に行う方針を発表しています。
バランスシート
キャッシュフロー
ソフトウェア企業ですので、設備投資が非常に少なく、結果としてフリーCFが潤沢な企業です。設備投資が不要な代わりにM&Aで経営資源を獲得している構図です。
トピックス
2019年12月にはマイクロソフト【MSFT】と提携して「デジタルツイン」というサービスを提供することを発表しました。
物理空間にある現実の機器や設備を仮想空間上で作成した”デジタルの双子(ツイン)”を意味します。
実空間での稼働状況をリアルタイムで収集し、デジタルツインにインプットしてシミュレーションを実施します。それにより、予知保全や最適運用に活用します。急拡大している市場で、IOT、自動運転、5Gといった先端技術に欠かせないものです。
デジタルツインの真価は、作ったデジタル空間でシミュレーションを行うことで、フィジカル空間に影響を与えることなく、精緻な予測ができるようになることです。
従来は主に設計開発で利用されてきたシミュレーション技術が、IoTを介したデジタルツインによって、製造や保守、運用などでも利用可能になります。このような「デジタルツイン」の実現が、アンシスとマイクロソフトの提携によるシナジーとなります。
調査会社のマーケッツ&マーケッツによれば、デジタルツインの市場は2020年の31億ドルから、2026年には482億ドルに成長すると言われています。アンシスはデジタルツイン関連銘柄の中心的存在といえ、業績は今後も成長しそうです。
この記事の情報ソース
↓公式のSec.gov資料
↓公式のIR資料
↓その他ツールサイト
ANSSに投資できる国内オンライン証券会社
証券会社 | 取引可否 | ◯ メリット | × デメリット |
---|---|---|---|
SBI証券 | OK | (SBIネット銀行との連携で) ◎ドル円転換がラクで最速、かつ最安 ◯逆指値注文ができる ◯ある程度の銘柄分析できる 米株用のスマホ・アプリあり | 米株用のスマホ・アプリない サイトがごちゃごちゃしていて見づらい 銘柄分析▲ 資産推移が見れない 時間外取引NG トレールストップ注文ができない |
マネックス証券 | OK | ◎取り扱い銘柄が最多で最速対応 ◎時間外取引OK ◎逆指値/トレールストップ注文ができる ◯ある程度の銘柄分析できる(銘柄スカウター) 米株用のスマホ・アプリあり | 資金移動、ドル転換に時間がかかる(中1営業日) |
楽天証券 | OK | 楽天ポイントとの連携ができる ◎時間外取引OK ◯ある程度の銘柄分析できる 米株用のスマホ・アプリあり | 米株、中国株、IPO株の取引可能な取り扱い外国銘柄が少ない 時間外取引できない |