次の4つの視点に着目しています。
- 「時価総額」:今後の上昇余地
- 「チャート」:テクニカル分析
- 「テーマ性」:事業の将来性
- 「業績」:決算の良否、成長率
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時価総額
企業概要
ドクシミティー(DOCS)はアメリカ、サンフランシスコに本社を置き、医療従事者向けにSNS提供する企業です。設立は2010年新しめでJeffrey Tangney氏が共同創業し、現在もCEOを務めています。
- 医療従事者に特化したSNSを運営
- すでに米国の医者、医療従事者の80%(約180万人)が会員
- アメリカトップ20の製薬会社、病院・ヘルスケア会社が顧客でNRR(売上維持率)153%
- 21年売上は207Mドル、前年比+78%、すでに黒字化
- 会員ユーザー数は多いがアクティブユーザー数は不明
- ビジネスが、エムスリー「ビジネスモデル特許」と類似
ティッカー | DOCS [NYSE] |
会社名 | Doximity, Inc. |
セクター | 医療、ヘルスケア SaaS |
設立 | 2010年 |
IPO(上場) | 2021年 6月 |
CEO | Jeffrey Tangney氏 |
時価総額 | 9.84Bドル |
本部 | サンフランシスコ |
従業員数 | 713人 |
単位:T=1兆、B=10億、M=100万
IPO幹事構成
幹事はモルガンスタンレー、JPモルガン、ゴールドマンサックスです。
シェアホルダー
テクニカル
バリュエーション
ドクシミティー(DOCS)2330万株を26ドルで値決め。レンジは20~23ドルでした。2021年6月24日から41.17ドルから取引開始しました。
価格帯別出来高
テクニカル指標
テーマ性(事業内容)
マーケット
現在Doximityがアドレス可能な市場の合計は、 $ 18.5 B(約2兆円)と推定されています。
- $ 7.3 B:医療従事者へのアメリカの医薬品マーケティング
- $ 6.9 B:アメリカの医療システムのマーケティングと求人関係
- $ 4.3 B:米国のソフトウェア遠隔医療
調査会社のIDCによると、米国のヘルスケアおよび製薬業界は、2025年に総広告費の38%をデジタルチャネルに費やすと予想されており、CAGR(年平均成長率)が28%(2020年)から37%増加(2025年)する見込みです。
医師は医療の主要な意思決定者であり、アメリカの医療費総額約$4T(440兆円)の73%以上を管理していますが、断片化された情報や時代遅れのテクノロジーによって引き起こされる課題に直面しています。
クラウドベースのソフトウェアは、多くの業界でネットワーク、通信、および作業の効率性を変革して来ましたが、医療関係は特殊な業界ということがあったり、医療従事者の特定のニーズに対応するのに時間がかかり、まだ十分に普及していない状況でした。
そのため医師が専門家や同僚と効果的につながったり、関連する最新の医療情報に即座にアクセスしたり、患者のケアを効率的に提供することが困難でした。
MerrittHawkinsの調査によると医師の78%は、自身の医療行為について満足できないため燃え尽き症候群を経験している状態のようです。
サービス・商品
NSはクラウドベースのプラットフォームで、医療従事者向けに特別に構築されたツールをメンバーに提供し、次のことを可能にします。
- 同僚とのやりとり
- 患者へのケアのコーディネート
- ヴァーチャルでの患者訪問
- 最新の医療ニュースや研究、学会の最新情報の入手
- 求人情報など彼らのキャリア管理
ドクシミティー(DOCS)アプリはカンタンですがHIPPA(医療保険携行性説明責任法)に基づき保健社会福祉省(DHHS)の認める患者個人情報が保護されている通信を可能にしています。
製薬会社のMR(セールスマン)は新型コロナ以降、お医者さんのところへ営業に参上できなくなった。するとDOCSを利用するしかないという状況にあるようです。
3種のアプリ
医療従事者向けSNS(Professional Network)
以下のように病院の所属やの連絡先情報、ライセンス、専門分野と臨床の専門知識、公開された研究レポート、臨床試験への参加、および授与された賞などをプロフィールとして登録します。
ほかの医療従事者とコミュニティで繋がったり、連絡を取ったりということが出来ます。Linked in の医療従事者版といったところですね。
2021年3月31日の時点で、5,600万を超える接続が行われ、医師メンバーあたり平均50人を超える他のメンバーとの交流があったとのことです。
医学生向けのものもあり、アメリカの医学研修プログラムを透過的に確認し、医学生にツールを提供しています。
Newsfeed
メンバーがドクシミティー(DOCS)にサインインする際に、各メンバー向けにパーソナライズされたホーム画面として機能し、AIや機械学習を活用して、メンバーごとにパーソナライズされた厳選したニュースフィードが作成されます。
Productivity
日々の業務を効率化するツールになります。
- デジタルFAX
- 電子署名
- 同じ病院のメンバーでチャットグループを作る
- 遠隔医療(診療)
- ワンタップで医師との接続が可能
製薬会社、ヘルスケア会社、病院向けソリューション
次の3つを主にサブスクリプション形式で製薬会社、医療システム、医療求人会社に提供しています。
- Marketing Solutions
- Hiring Solutions
- Telehealth Solutions
Marketing Solutions
ドクシミティー(DOCS)のメンバーに対して関連性の高いカスタマイズされた自社製品などに関するコンテンツを提供しています。
顧客企業は、専門分野、資格情報、場所などのコンテンツ対象の組み合わせを指定したり、 営業担当者との連絡、予約、製品サンプルの注文などのデジタル活動を可能にする モジュールを選択したりすることができます。
Hiring Solutions
医療システムと医療求人会社の両方に採用ソリューションです。
AIがサポートするプラットフォームにより、顧客はさまざまな医療専門分野とサブ専門分野にわたってターゲットを絞った採用キャンペーンを実行できるとのことです。
Telehealth Solutions
遠隔医療ツールです。20年の5月に立ち上がったもので新しいサービスになります。
ビジネスモデル
医療従事者側の利用は無料で、収益源は主に製薬会社や病院向けへのプロダクトのサブスクリプション料が売上になります。
つまり、ドクシミティーのビジネスモデルの素晴らしい点は、おカネをたくさん持っている製薬会社やヘルスケアシステムからフィー(手数料)を「むしりとる方式」だということです。
アメリカトップ20の製薬会社、そしてトップ20の病院・ヘルスケア会社がドクシミティー(DOCS)のサービスを利用しているとのことです。
そのためか、NRR(Net Revenue Retenstion=顧客の売上継続率)は153%とかなり高めです。
ピカピカのSaaS企業でもNRRは120%くらいのことが多いようです。
利用者からの評価も上々のようでドクシミティー(DOCS)のアプリは、2021年3月31日現在、Apple AppStoreで100,000件を超えるレビューで4.8 / 5の星評価を獲得しています。
売上構成
地域
ドクシミティー(DOCS)のビジネスは現在アメリカのみとなっています。
ライバル・競合他社
遠隔医療のテラドック(TDOC)は一般企業の福利厚生プランのような形で患者に対してのアプローチですが、ドクシミティー(DOCS)は医師に対してのアプローチであり、それぞれ違う方向からの遠隔医療へのアプローチという違いがあります。
業績
決算
2021年2Q決算は好調で、株価が吹き上がりました。
決算では、今回の成長はCOVID19による追い風を受けていた事が、今期の好業績につながったとされているため、今後は成長が鈍化していくと予想していくと考えられます。
そのため、高いバリュエーションには注意が必要です。
2021年 Q2 決算 | 決算良否 | 予想 | 実績 |
---|---|---|---|
EPS (USドル) | ○パス | 0.06 | 0.11 |
売上高 (USドル) | ○パス | 63.46M | 72.7M |
売上成長率(YoY) | +100% |
2021年 Q3 ガイダンス | 決算良否 | コンセンサス (市場予想) | ガイダンス (会社予想) |
---|---|---|---|
売上高(USドル) | ○パス | 66.09M | 73 ~ 74M |
2022年 | 決算良否 | コンセンサス (市場予想) | ガイダンス (会社予想) |
---|---|---|---|
売上高(USドル) | ○パス | 66.09M | 296.5 ~ 299.5M |
業績指標サマリー
指標 | |
---|---|
売上成長率(YtoY) | +78% |
PSR(LTM) | 52倍 |
PSR(NTM) | – |
ROA(総資産利益率) | – |
ROE(自己資本利益率) | – |
ROI(投資利益率) | – |
Gross Margin(粗利率) | 85% |
Operating Margin(営業利益率) | -% |
Profit Margin(純利益率) | -% |
M = Mllion(100万)
B = Bllion(10億)
会社の稼ぐ力
売上高成長
2021年のRevenue(売上)はYoY78%成長の207Mドル(約228億円)になっています。
順調に右肩上がりで成長して、成長率が加速しています。
売上の約94%はサブスクリプションからのもので、新規顧客からのサブスクリプション収入も順調に成長していると思われます。
売上高成長率
YoYの成長率がどんどん加速しています。
会社の儲ける力
EPS(一株利益)
GAAP(米国会計基準):すべての損益を反映したEPS
non-GAAP(非米国会計基準):継続事業の利益を反映したEPS
利益率推移
以下がドクシミティー(DOCS)の純利益推移です。2021年度のGross profit(粗利)は176Mドル(194億円)の85%、Profit(純利益)は5021万ドルとすでに黒字化しています。
会社の安全性
B/S バランスシート
自己資本比率は驚異の87.75%で、かなりの現金を抱えています。
自己資本比率は会社経営の安定性を表す数値であり、高いほどよいとされています。
50%以上あればかなり良好な状態といえ、少なくとも30%程度は確保しておくとよいと言われています。
自己資本比率は、業種によって大きく異なります。以下に、中小企業庁「平成30年中小企業実態基本調査」による業種別の黒字企業の平均になります。
業種 | 自己資本比率 |
---|---|
建設業 | 39.5% |
製造業 | 45.6% |
情報通信業 | 58.6% |
運輸業、郵便業 | 36.3% |
卸売業 | 38.3% |
小売業 | 36.7% |
不動産業、物品貸借業 | 32.7% |
宿泊業・飲食サービス業 | 14.4% |
サービス業(ほかに分類されないもの) | 44.9% |
キャッシュフロー
ドクシミティー(DOCS)の2021年度の営業キャッシュフローは8297万ドルでした。営業キャッシュフローは40.1%と高い数字です。
本業の儲けである営業キャッシュフローは順調に成長しています。
投資キャッシュフローは、主にCurative Talent社の買収に使われています。
IPOにより多額のキャッシュフローを獲得しています。
DOCSに投資できる国内オンライン証券会社
米国株の取引ができる国内証券会社のそれぞれの特徴は、下記の記事で解説しています。
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