企業について、サクッと把握
- EVピックアップトラック「車名:エンデュランス」の開発と製造を行っている企業

ティッカー | RIDE [NASD] |
会社名 | Lordstown Motors Corp. |
セクター | Consumer Cyclical | Auto Manufacturers | USA |
設立 | 2018年 |
上場 | 2019年 4月 |
CEO | ステファン・S・バーンズ氏 |
時価総額 | 1.92Bドル |
本部 | オハイオ州ローズタウン |
従業員数 | ?人(2021年末までに、 1,500人の従業員を雇用する計画) |
B = Bllion(10億ドル)
CEOのステファン・バーンズ氏は、過去にはワークホース(WKHS)という小型配達バンのメーカーの創業社長でした。
ローズタウン工場を使って新しいEVピックアップ・トラックの会社を立ち上げるためにワークホースを去り、ワークホースからも10%株主として出資してもらい新会社、ローズタウン・モーターズを立ち上げました。

相次ぐショートレポート(試験中の車が燃える、内部監査)ののちに、高値付近から▲60%下落しています。
ニュース(RIDE)
- 新会社のLordstown Motors Corp、GM工場取得に向け前進<2019年08月06日(火)>
- 米Lordstown Motors、GMのオハイオ州工場を買収し、ピックアップEVを生産へ <2019年11月11日(月)>
- 米ワークホース、Lordstown MotorsにEV技術のライセンスを許諾 <2019年11月11日(月)>
- 米Lordstown Motors、特別買収目的会社と合併しナスダック上場へ、GMも出資 <2020年08月04日(火)>
- ヒンデンブルグというショートセラーから、ローズタウンモーターズのネガティブレポート
(エンデュランスがきちんと完成していないことや、陸運局からクラッシュテストの承認を得てないことや、2021年9月から量産体制には入れると公表しつつも、それが不可能ではないかということが指摘)<2021年03月12日> - Short reportを受け、オハイオのSecretary of StateがLordstown motorsに訪問<2021年03月15日>
- 米国証券取引委員会(SEC)から先日のショートセラーのレポートに関し事情聴取が入る
- 2021年4月17日にバーハー・カリフォルニアというメキシコの太平洋岸で開催される耐久レース(サンフェリペ250)に出場予定
「サンフェリペ250」レース
ローズタウン・モータースの工場ラインの様子
ローズタウン・モータースの社員紹介。ローズタウンの運命がかかっている。
ビジネスは遊びじゃないです。どんなに夢があっても、どんなに頑張っている社員が居ても、製品が出せて、顧客に喜ばれて、代金が銀行口座に入金して、利益が出せなければすべては無に帰します。
From 2021/3/18じっちゃまYouTube Live
ニュース(関係会社GM)
- 2025年までにBEV 30車種を投入、次世代Ultiumバッテリーは60%コスト低減 (2021年03月24日(水))
ゼネラルモーターズは、2025年末までに世界で新しく30種類の電気自動車(EV)を発売する計画を立てており、2025年までに270億ドルのEV投資をすることを約束しています。
- IPO後、未決算です。初決算は2021年5月17日を予定しています。
深掘り ■ ビジネス、業績について ■
以下のポイントに沿って、公式資料から抜粋して深掘りしていきます。
■ ビジネス、業績について ■
- マーケット、ユーザー
- テクノロジー
- ビジネスモデル
- 業界評価
- 売上成長、損益
- バランスシート(B/S)
- キャッシュフロー(CF)
- 今後の業績見通し
マーケット、ユーザー
*引用ボックス内は、目論見書(S-1)から引用しています。
ローズタウンの作るピックアップ・トラックというセグメントは北米でもっとも売れる自動車の一つで、自動車業界の利益総額の90%以上がピックアップトラックが閉めており、生活の脚や仕事で酷使される使い方をされます。
アメリカで40年近くに渡って、四輪車ナンバーワンの販売台数を誇るのは「フォードFシリーズ」です。



アメリカ四輪車の世界では販売台数のトップ3は以下のランキングように、例年1位がFシリーズ、2位/3位がシボレー・シルバラードまたはラム・ピックアップと、いずれもピックアップトラックが占めています。
また、最新の販売台数データ(2020年1~9月累計)においても、相変わらず上位はピックアップトラックで、4位以下に日本車が続きます。
2020年1〜9月累計 米国自動車販売台数ランキング
1 フォードFシリーズ:22万1647台 ←ピックアップ・トラック
2 シボレー・シルバラード:14万7484台 ←ピックアップ・トラック
3 ラム・ピックアップ:15万6156台 ←ピックアップ・トラック
4 トヨタRAV4:11万9214台
5 ホンダCR-V:8万8436台
2019年米国自動車販売ランキング(2019年/モデル別)
1 フォードFシリーズ:89万6526 ←ピックアップ・トラック
2 ラム・ピックアップ:63万3694 ←ピックアップ・トラック
3 シボレー・シルバラード:57万5569台 ←ピックアップ・トラック
4 トヨタRAV4:44万8068台
5 ホンダCR-V:38万4168台
6 日産ローグ:35万447台
7 シボレー・エクイノックス:34万6049台
8 トヨタ・カムリ:33万6978台
テクノロジー
ローズタウン・モーターズは「エンデュアランス(日本語で忍耐)」という名前のEVピックアップ・トラックを2021年9月に発売開始します。これはテスラのピックアップ・トラック(2021年後半)より早いデビューとなります。
「エンデュアランス」は、きわめて真面目な「仕事用のトラック」であり、一切の虚飾を排しています。堅牢性とバリューを追求しています。
ローズタウン・モータースの作るピックアップは、最近のEVには珍しくインホイールモーターで駆動します。

ビジネスモデル
個人向けのテスラのEVと違い、ローズタウンのエンデュアランスはほぼ100%商用車です。つまり、企業がまとめて100台、200台以上という単位で購入します。
2021年3月現在は、試作車をテスト中で陸運局の安全基準に合格する必要があります。たぶん合格すると思います。予約注文を受け付けている理由は工場に搬入する工作機械の数を最適化するためです。
今年の設備投資予算は2.5億ドルです。つまり生産活動は今ビデオに見えている様子の6倍になるということを計画しています。
オハイオ州ローズタウンにある工場は、620万平方フィートに及びます。これは元々ゼネラルモーターズが所有していた工場を2000万ドルで買取って作られました。これは破格の安値で、50年稼働してきた工場なのでモダンさはありませんが、プレス機械など必要なものは揃っています。
この工場は、北米で3番目に大きな自動車工場で、世界最大級のスケールです。

ローズタウンには既に巨大な工場があります。
そして、地元の人たちも1966年からクルマ作りをしてきたので、シンプルなピックアップ・トラックを組み立てることはとても簡単でした。
出荷のためのロジスティクスなども全て揃っています。
エンデュアランスと従来のピックアップトラックの比較
イニシャルコスト(最初にかかる費用)では、EVのENDURANCEは1台あたり$19,178も従来のピックアップトラックより安くすみます。
Lordstown Motors ENDURANCE | 従来のピックアップトラック (FORD F-150 LARIAT 4WD) | |
---|---|---|
初期費用 | $52,500 | $51,775 |
耐用年数 | 5年 | 5年 |
年間走行距離 | 20,000マイル | 20,000マイル |
燃料コスト | $5,200($0.13/kwh) | $14,278(1ガロン) |
メンテナンス費用 | $1,800 | $5,125 |
税額控除 | −$7,500 | – |
TOTAL | $52,000 | $71,178 |
業界評価
ローズタウンの「工場開き」の式典にはマイク・ペンス前副大統領も出席して行われました。

トランプ前大統領のホワイトハウス前でのパフォーマンスも行われており、注目度、知名度は以前から高いと考えられます。

売上成長(損益)
ローズタウン(RIDE)の決算ですが、現時点では商品そのものが無いので売上高は「0」です。2020年の営業費用は102Mドルでした。


バランスシート

ローズタウンのバランスシート上のキャッシュは2億ドルしかなく、もう一度資金調達をしない限り今年の設備投資額(2.5億ドル)は用意できない可能性があります。しかもGMから引き継ぐ中古工作機械と新規に購入する工作機械の比率を見ると新規購入分がとても増えていて、これが負担になります。
キャッシュフロー

今後の業績見通し
新品の工作ロボットたくさん購入して需要が無ければこの会社は倒産するか、ビジネスが軌道に乗れば株価は割安なので大化けするか、そういったバイナリーな状況であると言えます。
From 2021/3/25,じっちゃまYouTube Live
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