個別株取引で、稼ぐためには銘柄選定よりも先に「売買タイミング」を学ぶことが、大切な投資資金を守り着実に成果を出す上で最も重要です。
本記事では、要点の解説と、オニール流を用いて、最近のチャートの例を分析していくことで、より分かりやすく「強気相場の天井を示すサイン」を吸収できます。
天井の兆候の前提条件
マーケットの天井を見破るには、S&P500、ダウ平均、ナスダック総合指数などの指数が上昇していくのを毎日注意深く観察する必要があります。
- 何も知らない買い手がこれに気づいて驚く前に、早めに売ってしまう
- 鋭敏な投資家が長期キャピタルゲインの期限を迎える時期を早めに知っているとよい
- 天井の兆候をいくつか目にしたら躊躇しない
- 弱気相場に入る前に売る
- 弱気相場に入ってしまったら、成行注文を使う
(指値注文では間に合わない) - 株式資産の25%以上を現金化
- 弱気相場に信用取引は絶対にダメ
- 弱気相場では2択(売って撤退か、空売り)
- 弱気相場はだいたい5〜6ヶ月(最高2年間)
「クライマックス・トップ」の10パターン
多くの主導株は爆発的な上昇を伴って天井を打ちます。
- 何ヶ月も上昇する
- さらに速度を速めて急上昇を見せる
- さらに窓を空けて寄り付くイグゾースション・ギャップで上昇を終える
売り抜けの兆候
長期の上昇のあと、出来高急増の大商いなのに株価が上昇しない場合は、機関投資家による株式の大量の利確つまり「売り抜け」の状態であることを示しています。
その際は、売り抜けの頻度を確認することで、下落確率を想定することができます。
- 通常:4-5週間に3〜5日発生
- 下落を始める可能性あり:2-3週間で4日
- ほぼ必ず下落:4-5週間で4〜5日
個別株


1日(週)の「上昇幅」が最大
これが起こるのは、だいたい天井近く!
適切なベースからブレイクアウトしたピポットポイントから、株価が何ヶ月もかけて大きく上昇したあとに、長所を始めた日から最大の上昇をして引けたら、注意が必要。

1日(週)の「出来高」が最大
「株価が上昇を始めた日から出来高が最大になる日」が天井となることがある。


イグゾースション・ギャップ
急速に株価を上昇させながら何ヶ月も前の最初のベースから大きく離れ、さらに上に窓を開けてより着いたら天井が近い。(イグゾースション・ギャップ)
- 通常は最初のベースと2番目のベースを抜けて最低18週間以上、3番目以降のベースだと12週間以上
- 例えば長い上昇のあとに50ドルの高値で引けた銘柄が、翌朝52ドルで寄り付きその日は52ドル以上のママままだったら2ポイントのキャップを空けたことになる。

ただし、イグゾースション・ギャップをつけても、その銘柄の強さと地合いで上がっていく銘柄もあります。

クライマックス・トップの動向
以下の場合は売りのサイン。(クライマックス・トップ)
- 株価の上昇が急になり、週足チャートで急速な株価の上昇が2〜3週間見られる
- 日足チャートで7〜8日連続か10日中8日間で急速な株価の上昇が見られる
- 何ヶ月も前に買った時点から最大となることがほとんど
週足チャートで見ると、2本の線が並行して縦に走っているように見える(レールロードトラック)

- まれにクライマックストップ近くで、株価が前週の安値から高値と大きな値幅を繰り返すように辿って、多い出来高はそのままにほんの少しだけ上昇して引けることがある。
- この理由は、大商いにもかかわらず上昇が見られず、売り抜けがあったことを示している。
株式分割
株式分割のあと、株価が1〜2週間で25から50バーセント上昇したら、売りのサイン。
- 1999年末のクアルコムの極めて稀な例では、100パーセント以上の上昇を見せた。
- 過剰な株式分割の前後は、株価は天井を打つ傾向がある。
- 株価がベースから抜けて上昇しその後株式分割が公表されたら、多くの場合うったほうがいい。

連続下落日の増加
ほとんどの銘柄が天井を打って下落を始めると、株価が連続して下落する日のほうが連続して上昇する日よりも多くなってくる。
- 以前は4日上昇した後に2〜3日下落していたのが、4〜5日下がった後に2〜3日上昇したりすると要注意

上方チャネルライン
大きな上昇のあとに株価がその上方チャネルラインを向けたら売りのサイン
- チャンネルラインとは、過去4から5ヶ月の間につけた3つの安値同士をつないだ線と、高値同士をつないだ平行線のこと
- 適切に描かれた上方チャネルラインを抜けて株価が上昇したら、売りのサインである事は研究成果から分かっている


200日移動平均線
200日移動平均線から、70〜100%以上離れたところまで株価が上昇したらうりのサインになることがある(が、あまり使われない)
天井から下落
上昇中に早めに売れなかった場合、天井から下落を始めたらすぐに売る。
- 最初の下落のあとに株価が一度戻ることがある


人それぞれですが、まずは基本のフォームを身につけ、
自分流の投資術を見出すことが大切だと思います。
オニール本とは、投資家にとっては教科書的なバイブル本として有名です。
その情報量もさることながら、120年分の株式市場から分析した内容になっていますので4000円という価格以上の知識がつまっていると思います。
これは書籍であるとともに、この理論により作られた「Market Smith 株式チャート分析 ソフトウェア」の説明書にもなっています。
本書は、題名からはファンダメンタル中心の内容かと思いつつ、実は7割方は売買タイミング(テクニカル分析)の詳細な解説が実際の豊富チャートをもとになされています。