VIX(恐怖)指数とは
VIX指数とは、別名:恐怖指数として知られています。
文字通り、株式市場の恐怖感をチャートに表したもので、未来の市場のトレンドを読んで投資タイミングの判断をするときに使われます。
VIX指数は、ボラティリティ(チャートの上下動:変動率)の激しさに連動します。
下のチャートはVIX指数とS&P500指数を並べたものですが、VIXと株価には相関関係があります。直近20年間で、VIX指数が「80」を超えたのは、2008年リーマンショックと2020年コロナショックです。

VIX指数は何から算出されているか
VIX指数は、下記のような指標から算出されます。
VIXはオプション取引をベースに特別な計算式から算出されており、予想でなく実際の注文から算出された数値のため、信憑性が高いと言われいています。
オプション取引とは、以下の2パターンがあります。
- コール・オプション=未来の買い注文(未来の価格が買い指値より上であれば儲かる)
- プット・オプション=未来の売り注文(未来の価格が売り指値より下であれば儲かる)
VIX指数に対して、コールオプション(買い注文)が多い場合はVIX指数は下がり、プットオプション(売り注文)が多い場合はVIX指数が上がります。
下図はコロナショック時のVIXのチャートになります。

つまり、2020年3月のコロナショック暴落時は、プットオプション(売り注文)がとてつもなく多く売りたい人がおおかったことを意味しています。

VIXとS&P500との関連性について
VIX指数はS&P500のプットオプションから算出されるため、実際にはVIX指数が表すものは、「恐怖感」ではなく「ボラティリティ(値動き)の大きさ」を示しています。
暴落時は、売り注文が大きいからVIX指数が上がり、価格変動に影響していくといったものです。

乱高下する可能性を示している。荒れた相場はリスクが高いため、大きな投資は控えた方が無難。VIXが落ち着いてから(VIX値20〜10程度)、買いを入れる方が上昇相場に乗れる可能性が高くなります。
ただし、落ち着いても再び上昇することもある(例:チャイナショック)ので、むやみにVIXのみをあてにしてはいけません。
実際に暴落時にVIXは役に立ったのか、直近のS&P500のと比較してみましょう。

上の比較チャートを見ると、9月の暴落時には暴落直前の6日間は「株価が上昇しつつVIXも上昇している」期間があり、「危ないかも?」といった危険予知の先行指標として使えます。
しかし、6月の調整の時には、暴落前に「株価とVIXが同時に上昇しているのは1日だけ」で、微小なため、この1日で危険予知するのは、まず無理でしょう。
VIXはS&P500指数に紐づいていますが、NASDAQではどうだったのでしょうか。

NASDAQとの比較では、9月の暴落は同様に、暴落直前の6日間は「株価が上昇しつつVIXも上昇している」期間があります。
しかし、6月の暴落時直前では「株価とVIXが同時に上昇しているのは3日間」あります。
少しは使えそうですね。
ただし、7月、8月の押し目の時には、ぱっと見ではほとんど関連性を見出せないので「暴落予測にはあくまで参考程度に使える指標」ですが、「買い時の判断には使える」といえます。
VIX指数を使った「買い出動タイミング」の判断方法

上のVIXチャートは、コロナショック時のものです。歴史的な暴落時のときは「40」を上回ったら高い恐怖があると言えます。コロナショック時には85をつけていますが、とてもレアなものです。
買い出動のタイミングとして、VIXが一度急激に上がってから階段状に下がっていく段階が一番安心でおいしいタイミングです。
売るタイミングとしては、40を超えたら株価は大きく下げた後だと思いますので、参考程度にして、先行指標として、米国10年債利回りが上昇してきているか?を確認した方が確実です。
これは、利回り(金利)と株式は常に対照の関係なので、米国10年債利回りが上昇すると株価が下がることが理由です。