ウィリアム・オニール氏はウォール街で知らない人がいないウォーレン・バフェットと同じくらい有名で、実際に120年分のデータを分析し、株価の上昇する理由を記した投資家のバイブル本である「オニールの成長株発掘法」を発行しています。
これは書籍であるとともに、この理論により作られた「Market Smith 株式チャート分析 ソフトウェア」の説明書にもなっています。
またオニール本は、題名からはファンダメンタル中心の内容かと思いつつ、実は8割方は売買タイミング(テクニカル分析)の詳細な解説が実際の豊富チャートをもとになされています。
本記事では、こちらの本の要点の解説と、オニール流を用いた最近のチャートの例を分析していきます。
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- オニールの成長株発掘法のCAN-SLIM分析についての概要
- オニールの成長株発掘法のCAN-SLIM分析「C」Current earnings
- オニールの成長株発掘法のCAN-SLIM分析「A」Annual earnings
- オニールの成長株発掘法のCAN-SLIM分析「N」New product or service
- オニールの成長株発掘法のCAN-SLIM分析「S」Supply and demand
- オニールの成長株発掘法のCAN-SLIM分析「L」Leader or Laggard
- オニールの成長株発掘法のCAN-SLIM分析「I」Institutional sponsorship
- オニールの成長株発掘法のCAN-SLIM分析「M」Market
- オニールの成長株発掘法。CAN-SLIM分析から解る大化け株の発見方法のまとめ
- 売買タイミング解説記事まとめ
オニールの成長株発掘法のCAN-SLIM分析についての概要
「オニールの成長株発掘法」は、株式市場のデータを120年以上にわたって分析し、大化け株を見つけ出す手法です。この方法論では、CAN-SLIM分析という7つの要素からなる分析手法を用いて、成功する銘柄を見つけ出します。
CAN-SLIM分析の要素には、「C」(直近の成長性)、 「A」(中長期業績の成長)、 「N」(新製品や新サービスの開発)、 「S」(株式市場における需要の増加)、 「L」(リーダーシップの確立)、 「I」(投資家の動向)、 「M」(株式市場の流れ)があります。これらの要素を理解することで、大化け株の発掘が可能になります。
またオニール氏は、「上場来高値更新はスタートに過ぎない」といっています。小さい会社が大きく化けていくときには、業績面や株価面で従来の枠を超えていきます。
その大化け銘柄を発掘するために、オニール独自の『CAN-SLIM』という方法で銘柄を絞り込んでいきます。
C | Current earnings | 当期四半期EPSと 売上がよいか? |
A | Annual earnings | 年間のEPS(収益) 急増してるか? |
N | New product or service | 新興企業 新経営陣 新製品/サービスを 出しているか? 正しい新高値か? |
S | Supply and demand | 株式需要が高いか? |
L | Leader or Laggard | 主導銘柄か? 停滞銘柄か? |
I | Institutional sponsorship | 機関投資家が 保有しているか? |
M | Market | 株式市場の動向は? |
オニールの成長株発掘法のCAN-SLIM分析「C」Current earnings
過去DELLやCSCO、GOOGL、AAPLなどテンバガーをはるかに凌いだ並外れた銘柄に共通していた重要な特徴こそが、株式市場で真に成功する秘密の扉を開く鍵です。
株価が上昇する直前の1〜2四半期での収益(EPS)が急増した例
- DELL:2四半期連続でEPS急増(74%→108%)
- CSCO:2四半期連続でEPS急増(150%→155%)
- アメリカオンライン :EPS急増(900%→283%)
- GOOGL:IPO前の2四半期でEPS急増(112%→123%)
- AAPL:2四半期連続でEPS急増(350%→300%)
注意点(落とし穴)
売り上げや純利益が大きく増加しているのに、EPSは微増している場合注意が必要。
例えば売り上げが10%増加し、純利益が12%増加している場合でも、EPSはほとんど上昇していないかもしれない。
例えば、1998年前半のウェスト・マネジメント株ではEPSは24→75→268%と3四半期で伸びていたが、売り上げは5%しか上昇していなかった。数ヶ月後株価は50ドルから15ドルまで暴落した。
不動産の売却などで得た、1度きりの特別利益は無視する。
過去にNYのシティグループが過剰なほどの借入をして、サブプライム危機に関わる前の1990年代に、商業不動産の売却による臨時収入を加算して、EPSにテコ入れをしていた可能性。
「2四半期連続」でEPSが減少したとき
これまで毎四半期増益をしていた企業が、急に増加率が低く(1/3以下)なったら、その銘柄は何かしらの問題を抱えている可能性があるため買いを控える。どんなに優れた企業でも、単四半期のみの減少はある。
ざっくり確認
オニールの会社が運営するinvestors.comでざっくり確認することができます。(一部有料)
しっかり確認
EPS推移はマネックス証券の銘柄スカウターが優秀です。
もしくは、SeekingAlphaでも確認することができますが有料化に伴い、ほとんど見れなくなりました。。
オニールの成長株発掘法のCAN-SLIM分析「A」Annual earnings
四半期EPSだけでは不十分で、その成長が一時的でないかを確認するには、その企業の年間EPS増加率を確認する必要がある。3年連続でのEPS増加を銘柄選定の条件にすれば、それだけで同一業界内の負け組を除外できる。
また、EPS増加率の安定性と一貫性も大切。景気循環が理由で利益をのばしただけの企業ではなく、実証済みの成長記録をもつベンチャー企業に絞って銘柄選択するべき。
過去50年間で急成長を遂げたほぼ全銘柄が、最低でも17%のROEを示していた。特に優れた大化け銘柄は、25〜50%ほど。
ROEは、企業が自己資本をどれだけ有効に活用して利益を上げているかを示す指標で、アメリカの投資家達が最も重要視している財務指標となっています。
米国企業のROEは平均的に日本企業(平均9%)の倍近い(平均17%)といわれ、アップルが約110%、テスらは6%程度と様々です。
逆にROEがマイナスの場合は赤字か債務過多状態の状態で、その会社は株主資本を1年とうしてどれだけ減らしたかってことがわかります。
大化け銘柄の中には、実際のEPSと比べて、1株あたりの年間キャッシュフローが20%以上も大きい銘柄がある。
注意点(落とし穴)
PERとは、EPSが増加することで現れる末端効果。最高の買い銘柄はPERが高いことが多く、PERが高すぎるということだけで自動的に除外してしまっては、最高の銘柄を買う機会を逃してしまう。
逆にいうと、PERが低くお買い得という理由だけで株を買うことは絶対にしてはいけない。PERが低い銘柄にはそれなりの理由がある。
オニールの成長株発掘法のCAN-SLIM分析「N」New product or service
株価が驚くような上昇を見せるには、下のような何かしらの驚くような新しいものが必要。
1880〜2008年の大化け銘柄の95%以上が、何かしらの変化を遂げている。
- 大ヒットとなるような新製品やサービス
- 新しい活力やアイディアをもたらす経営陣
- 業界への需要の拡大
- 価格上昇
- 革新的技術の開発
- 新高値
など
オニールの成長株発掘法のCAN-SLIM分析「S」Supply and demand
日常的な商品の価格はほとんどが需要と供給によって決められている。それと同様に、この基本原則は株式市場にも例がなく存在する。どんなアナリストの意見よりも、この基本原理の方が重要。
- たんなる管理人ではなく、起業家精神に富む経営陣を選ぶ
- 過度の株式分割は値動きを重くする可能性があるため注意する
- 公開市場で自社株買いをしている企業を探す
- 総資本に対する負債比率の低い企業が望ましい
- 需要と供給(売買出来高)を見極める
オニールの成長株発掘法のCAN-SLIM分析「L」Leader or Laggard
投資家の多くは、保有していることで満足感に浸れたり、何かしらの安心感を与えてくれる銘柄を買う傾向にあるが、ただ気に入っているという理由で株を買ったりしてはならない。
- 業界内で上位1〜3位を狙う
- 共振株(どうセクターの主導銘柄につられて上昇するおこぼれ銘柄)は買わない
- レラティヴ・ストレングス指数(RS Rating)を使って、主導銘柄と停滞銘柄を見分ける
- マーケットの調整局面で新たな主導銘柄を探す
(魅力的な成長株は、弱気相場では市場平均の1.5〜2.5倍の調整だが、強気相場での調整は下落率が最も低い) - 市場の下落が最終局面を迎えたあとに、最初に新高値をつけた銘柄が先導株
(一級品の銘柄は、最初の3〜4週の間に抜けてくる)
オニールの成長株発掘法のCAN-SLIM分析「I」Institutional sponsorship
株価を押し上げるには、機関投資家による大きな買い需要が必要。実に主力企業の株式売買の約7割が機関投資家による売買で占められている。
機関投資家は、投資信託、年金基金、ヘッジファンド、保険会社、大規模な投資顧問会社、銀行の信託部門、国家機関、慈善施設、教育機関などがあります。
買いを検討している銘柄がどういう状況にあるのかを把握することが、銘柄選択の上でもう一つの重要な手がかりとなる。
- 何社の機関投資家によって保有されているか
- 最近の数四半期でその銘柄を保有する機関投資家が着実に増加しているか
- 直近四半期で株主数が著しく増加しているか(最も重要)
- 機関投資家は誰なのか
(業界トップクラスのポートフォリオマネージャー×1〜2必要) - その機関投資家は優秀なファンドか
(過去3年間にどのようなパフォーマンスを出しているかを調べる)
ファンドが新規にポジションを立てると、すぐに売却する可能性は低く、買い増していく可能性が高い。
また、ファンドのポジションの報告書は、ファンドの四半期終了の約6週間後に一般でも入手できるようになるが、6週間の誤差があってもその有効性は高い。
注意点(落とし穴)
機関投資家の保有数が増えすぎる「過剰保有」も問題となる。
あまりにも多くの機関投資家が保有している銘柄というのは、企業に変化があったり、マーケットが弱気に転じた場合に、大規模な売りが生じる可能性があるという危険性を伴うため。
人気銘柄50選など、幅広い機関投資家によって保有されている銘柄というのは、弱く危険をはらんだ銘柄だと考えられる。
企業の好業績が誰の目にも明らかになって、全機関投資家がその株を保有するころには、株価は頭打ちになり、熟しきった果実になっている。
人気を集めている銘柄や、株価が下がったことでアナリストが買いを勧めた銘柄だからと言って、それに惑わされてはならない。
個人投資家の優位性は機関投資家によって保有されている銘柄ならば、売ろうと思った時に彼らが買い支えとなって売りやすくなること。機関投資家が買わない銘柄は、弱気相場で売ろうとしてもなかなか買い手がつかないことがある。
オニールの成長株発掘法のCAN-SLIM分析「M」Market
CAN-SLIMのうち、「M」以外の6つを満たす銘柄を見つけても、マーケットの方向性を見誤れば意味がない。
もし弱気相場であれば、保有している4銘柄のうち3銘柄は平均株価とともに真っ逆さまに下落する。プロの投資家やブローカーですら、そのような必須の技術を習得している人は非常に少ない。
また、マーケットの方向性だけでは十分ではなく、強気、弱気相場が初期段階なのか終盤なのかを知る必要がある。
そのほかノウハウ
- 指数を注意深く観察する
- 相場サイクルの各段階の動きを把握する
- 悪いニュースばかりになったときに限って市場は上昇する傾向にある
- マーケットが天井を打ったら、一部を現金化し自分の口座を守る
- 著名な専門家やアナリストも読み間違うことがある
- 下落相場で買うのは危険な火遊び
オニールの成長株発掘法。CAN-SLIM分析から解る大化け株の発見方法のまとめ
「オニールの成長株発掘法」という方法論によって、120年以上にわたる株式市場のデータから、大化け株を発掘する方法を解説しました。
この方法論では、CAN-SLIM分析という手法を用いて、株式市場で成功する銘柄を見つけ出します。CAN-SLIM分析とは、7つの要素からなる分析方法であり、その要素を理解することが大化け株の発掘につなげることが出来ます。
オニール本とは、投資家にとっては教科書的なバイブル本として有名です。
その情報量もさることながら、120年分の株式市場から分析した内容になっていますので4000円という価格以上の知識がつまっていると思います。
これは書籍であるとともに、この理論により作られた「Market Smith 株式チャート分析 ソフトウェア」の説明書にもなっています。
本書は、題名からはファンダメンタル中心の内容かと思いつつ、実は8割方は売買タイミング(テクニカル分析)の詳細な解説が実際の豊富チャートをもとになされています。
売買タイミング解説記事まとめ
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