Pinterest(ティッカーシンボル:PINS)のチャートは、現在カップウィズハンドルを形成後上昇局面入りしたように見えます。
2019年4月上場時の値決めは19ドル。初値23.7ドルからスタートし、現在の株価は43ドルになってもう少しで初値からのダブルバガーを達成します。
カップ前の高値を再度つけ、カップウィズハンドルを抜けてからまだ+20%程度の上昇中なので、今後も爆進するのであれば、今から乗るのはまだまだ遅くありません。
深掘り(公式資料より、ビジネス、業績について )
以下のポイントに沿って、公式資料から抜粋して深掘りしていきます。
*引用ボックス内は、目論見書(S-1)等SEC.GOV公式資料から引用しています。
企業理念
Pinterestは2010年に3人の起業家によって設立されました。
本社は米国カリフォルニア州サンフランシスコにあり、アトランタ、ベルリン、シカゴ、デトロイト、ダブリン、ロンドン、ロサンゼルス、ニューヨーク、ポートランド、パリ、サンパウロ、シアトル、東京など世界中のオフィスで現在 2,000 人以上の従業員が勤務しています。
Pinterestのコンセプトは、次のメッセージに集約されています。
Pinterest は、アイデアを画像検索できるビジュアルディスカバリーエンジンです。ユーザーの人生を豊かにするインスピレーションを提供することが、Pinterest の使命です。
by Pinterest inc.
ソリューション(テクノロジー、プロダクト)
PinterestはスマートフォンおよびPCから使える画像SNSサービスです。
Pinterestのホーム画面では、ユーザの個人的な好みや興味に基づいて、たくさんの画像を表示します。ユーザは興味のある画像をボードと呼ばれるコレクションに保存・整理しておくことができます。
Pinterestは現在、iPhone用アプリのライフスタイル部門で1位になっています。もっとも2020年2月4日の時点でも、App Store市場の調査会社Sensor Tower(センサー・タワー)によると、この部門では1位か2位の常連だったようです。
Pinterestは画像検索で直感的に雑誌感覚でブラウジングでき楽しいです♫
デザイナーだけでなく「クリエイティヴなライフスタイル」を趣向する人たちに受けていると思います。
Pinterestはユニークな部分は次の通りです。
消費者向けのインターネット企業の多くは、ツール(検索、eコマース)かメディア(ニュースフィード、動画、ソーシャルネットワーク)のどちらかです。
例えば、Pinterestは画像検索という点ではFacebookのInstagramと似ていますが、パーソナルな画像だけでなく、世の中にある興味のある画像のほとんどをシェア(=ピン)することができる点で自由度が高いと言えます。
- Instagram:欲しいブランドが決まってるが、形は決まってない
→ NIKEのスニーカーが欲しいが、形はこれから選ぶ - Pinterest:欲しいブランドは決まってないが、形は決まっている
→ ブランドはなんでもいいが、赤くて厚底なスニーカーが欲しい
検索からビジュアルディスカバリー(視覚的発見)へ
Pinterestは、従来のテキストベースの検索方法という概念を突破し、画像のみで直感的にインスピレーションを掘り起こします。
こう言った点で、従来の画像検索ツールとSNSのいいとこどりをしていると言え、より楽しいと言った好奇心的感情を掘り起こします。
イメージ(画像)というのは、テキスト(言語)よりも多くの情報を含んでいてより直感的に右脳にうったえかけるんです。
イメージでうったえかけることでユーザがアクションを起こしやすくなり、サービスで発見した商品やサービスを購入してもらいやすくなると思います。
市場シェア
◆Pinterestは現在、米国で3番目に大きなソーシャルネットワーク。
◆Pinterestは現在、世界中で4億人を抱える。英国は米国以外で最も活発な市場
◆Pinterestでは、購入意欲のあるユーザー数が、前年比で50%増加
◆サービス開始時より多くの女性からの支持を受け、今でも利用率の 60% 以上を女性が占める
◆男性ユーザーの数が前年比で 50% 近く急増したこともこの成長に貢献
◆Z世代とミレニアル世代のユーザー数の伸びが、月間アクティブユーザー数の増加に大きく起因
Pinterestはヨーロッパでも人気があり現在も尚ユーザー数が拡大しています。又、アジア地域でもユーザーの拡大に投資しており、米国を除いた全世界のユーザー増加率は前年比91%増となっています↓
マーケット・シェアでは、米国以外の伸びが大きいのに対して米国の伸びが減少傾向にあります↓
ビジネスモデル
Pinterestの収入源は広告
Pinterestの収入源は広告です。ユーザーは、ホームフィードや検索結果をスクロールして、インスピレーションやアイデアを探しているときに、自然とプロモーションピンを見ます。
広告主はオークションベースのシステムで広告枠を購入します。Pinterestの広告システムは広告主のビジネス成果を最適化しながら、適切なタイミングでユーザにに広告を配信することができます。
PinterestはECへの導線として評価されている
昨今ではショッピング機能にも注力しています。
サービス内ではショッピング機能なども提供されており、昨今盛り上がりを見せているD2C (Direct To Consumer)の用途でも多くの企業に利用されています。
雑誌感覚の暇潰しだったり、旅行や買う物のアイディアを探す(何か欲しいけど具体的には分からないので商品検索できない)ユーザーを、インタラクティブにECに誘導しています。
コロナ禍のEC需要増加でショッピング機能やShopify(SHOP)との連携が追い風となる可能性が高く、注目度の高い銘柄です。
利益率比較(Margin)
PINS | TWTR | SNAP | FB | |
---|---|---|---|---|
Gross Margin(粗利率) | 68.40% | 64.90% | 49.00% | 81.50% |
Operating Margin(営業利益率) | -34.90% | -2.80% | -54.00% | 37.10% |
Profit Margin(純利益率) | -32.90% | -37.10% | -57.20% | 31.30% |
ライバル・競合他社
現在のライバルSNS企業時価総額順は
【FB】Facebook(Instagram) : $710 BB
【SNAP】Snap Inc. : $36 BB
【TWTR】Twitter, Inc. : $34 BB
【PINS】Pinterest, Inc. : $23 BB
競合相手は主に、ツール(検索、eコマース)系のGoogle、Amazon、メディア(ニュースフィード、動画、ソーシャルネットワーク)系のFacebook(Instagram)、Snap、Twitterと競合しています。
特にD2Cにおいて、Instagramの「ShopNow(ショッピング機能)」や先日リリースされた「Instagramショップ」は脅威となり得ます。
シェアホルダー
売上成長(損益)
売上高成長率
Pinterestの売上には、2つの特徴があります。
- ユーザー数の偏重は他と比べて遜色ない一方で、やはり売上はUSに大きく偏っており、ここに伸ばす余地がある
→19年秋から欧州での営業を強化しています。
- 1人あたりの単価が非常に小さく、FBの10分の1、TWTRの6分の1しかない
→動画投稿の強化、ECサイトとの連携などで、まだまだ単価を上げていけるはずです。
キャッシュフロー
今後の成長ストーリー
Pinterestは、たくさんのインスピレーションを短時間(レコメンド機能)で効率よく(画像)取得することより「自分自身のクリエイティブ性を高めてライフスタイルを向上する」ことに便利なツールだということが言えます。
少し気になる点は、収益源が広告のみでeコマース連携やショッピング機能を強化しても収益が伸びにくい点と、精度の高いレコメンド機能により広告の競争力が低下するのではないかという点です。
ただ、これらは検索エンジンとSNSの中間的存在を確立することを目指していることを考えると、GoogleやFacebookの前例を参考に、じっと見守っていればよいのかもしれません。
この記事の情報ソース
↓公式のSec.gov資料
↓公式のIR資料
↓その他ツールサイト