次の内容を1記事にまとめています。
- 会社概要
- ビジネスモデル
- CANSLIM分析
この記事一つで、ある程度どういった企業か把握いただけると思います。
会社概要とビジネスについて
企業サマリー
ティッカー | 【ENPH】 |
会社名 | Enphase Energy Inc |
業種 | Energy-Solar |
設立 | 2006 年 |
IPO(上場) | 2012 年 3 月 |
CEO | Badri Kothandaraman 氏 (2017年9月–) |
本部 | アメリカ合衆国 カリフォルニア州 フリーモント |
従業員数 | 2260 人 |
単位:T=1兆、B=10億、M=100万
時価総額30Bドル以上「大型株」
時価総額10Bドル〜30Bドル未満「中型株」
時価総額10Bドル未満の銘柄「小型株」
ロックアップとは、創業者、大株主、ベンチャーキャピタル(機関投資家)がIPO後の一定期間に株を売却できなくするものです。これは、上場直後の暴落を抑制するものであり、ロックアップの期間は半年後が多いです。
株価
株価 | NASDAQ:15ドル〜か? NYSE:20ドル以上か? | ○ |
IPO後初値 ドルから、+ 2100 %の価格帯で推移しています。
ビジネスモデル(何で稼いでいるか?)
マーケット
レポート・オーシャンが紹介した新レポートによると、世界の再生可能エネルギー市場
の推定規模は次のように試算されています。
- 8.8 Bドル(100 兆円)- 2020年
- 2021 〜 2027 年8.2%の CAGR(複合年間成長率)で成長
再生可能エネルギーには、風力エネルギーや太陽エネルギーが広く使われています。
原油価格が高騰していて、石油株が高騰しています。その意味で、代替エネルギーのエンフェーズ・エナジー(ENPH)はまだ割安水準だという意見もあります。
サービス・商品
上図のような、ソーラー産業用のマイクロインバータ技術を提供しています。
システムの稼働時間と信頼性を向上させ、火災安全リスクを軽減し、知的エネルギー管理のためのプラットフォームを提供しています。
マイクロインバータ・システムは、個々の太陽電池モジュール・レベルでエネルギーを変換して、高度な技術的アプローチが必要とされているようです。
個々の太陽電池モジュールレベルでエネルギーを変換するパワー半導体ベースのマイクロインバータを提供していて、独自のネットワーク技術やソフトウェア技術と組み合わせて、エネルギー監視および制御サービスを提供しています。
AC 蓄電システム、通信ゲートウェイ「Envoy」、クラウド型監視サービス「Enlighten」などの付属品も提供しています。
売上構成比
単一のビジネスモデルになっています。
地域比
ビジネス地域構成比は以下のようになっています。
業績サマリー
業績指標一覧
指標 | |
---|---|
EPS成長率(Y/Y) | + 7.4 % |
売上成長率(Y/Y) | + 78.5 % |
ROA(総資産利益率) | 8.9 % |
ROE(自己資本利益率) | 32 % |
ROI(投資利益率) | 16 % |
自己資本比率 | |
Gross Margin(粗利率) | 40 % |
Operating Margin(営業利益率) | 16 % |
Net Margin(純利益率) | 11 % |
決算
直近決算では、EPS、売上高ともに、オールOKです。
2021年 Q2 決算 | 決算良否 | 予想 | 実績 | 成長率 (Y/Y) |
---|---|---|---|---|
EPS(ドル) | ○パス | |||
売上高(ドル) | ○パス | M | +% | |
営業キャッシュフロー(ドル) |
2021年 Q3 ガイダンス | コンセンサス (市場予想) | ガイダンス (会社予想) |
---|---|---|
EPS(ドル) | ||
売上高(ドル) | M |
FY2022年 通期予想 | コンセンサス (市場予想) | ガイダンス (会社予想) |
---|---|---|
EPS(ドル) | ||
売上高(ドル) | B | B |
M = Mllion(100万)
B = Bllion(10億)
ここからは、オニールのCAN-SLIMを用いて分析していきます。
CAN-SLIM分析サマリーは記事トップにあります。
CAN-SLIMの分析方法についてはこちらのページで解説しています。
CANSLIM分析
稼ぐ力(収益性)
Current
earnings
次のいずれかが該当するか?
- 当期EPS成長率が最低+25%〜+40%(前年同期比)以上
もしくは - 以前の10四半期の間で四半期EPSが「伸びている」
- 売り上げが最低+25%以上(前年同期比)増加している
もしくは - 売り上げ増加率が直近3四半期で「加速」している
- 経常利益が+25%以上増加(前年同期比)
*前年同期比のEPSが例外的に大きすぎたり小さすぎたりしていないか注意
引用:オニール本
C | Current earnings | 当期EPSと売上がよいか? | ✖ |
EPS成長(四半期)
EPS(一株当たりの純利益)とは、会社が上げる利益のことで株価の源泉となる指標です。
参考に、EPSは下記のように計算されますが、年に4回発表される決算で必ず発表されるものですので、計算することはありません。
EPSは、会社の規模にかかわらず1株あたりの当期利益の大きさを表しているため、値が大きいほど良いとされます。当期の1株当たり利益を前期以前のものと比較することで、会社の収益性や成長度をおおむね把握できます。
売上高成長(四半期)
収益とは、企業が商品やサービスの販売と引き換えに顧客から受け取る金額と定義できる。収益は、損益計算書の最上位項目であり、そこからすべての費用と経費を差し引いて純利益を算出します。
儲ける力(利益率)
利益率成長
粗利率
純利益率
Annual
earnings
- 過去3年間の年間EPSが毎年+25%以上連続して増加している
(新規IPO株は、直近5〜6四半期に大きなEPSと売り上げの連続増加) - 年間EPSの増加率が+25〜50%以上
- 一株あたり年間キャッシュフローの前年比成長率+20%以上 or EPSの成長率以上
- ROEが17%以上
- 毎年のコンセンサスEPSが25%以上上昇
- 経常利益が+25%以上増加(前年度比)
EPS Ratingとは、EPS成長率を1~99の値で評価したIBD独自の指標です。
①と②を組み合わせて計算され算出されています。
①企業の直近2四半期のEPS成長率・・・”Current earnings”
②3年から5年の年間EPS成長率・・・”Annual earnings”
オニール本では、このEPS Rating が80を超える銘柄を投資対象とするよう推奨しています。投資家はこの数字を見ることによって、簡易的に”C”と”A”の分析ができます。
引用:オニール本
A | Annual earnings | 年間のEPSがよいか? | ✖ |
EPS Rating |
EPS成長(年間)
売上高成長(年間)
ROE(自己資本利益率)
ROEは、企業が自己資本をどれだけ有効に活用して利益を上げているかを示す指標で、アメリカの投資家達が最も重要視している財務指標となっています。
米国企業のROEは平均的に日本企業(平均9%)の倍近い(平均17%)といわれ、アップルが約110%、テスらは6%程度と様々です。
逆にROEがマイナスの場合は赤字か債務過多状態の状態で、その会社は株主資本を1年とうしてどれだけ減らしたかってことがわかります。
キャッシュフロー(CF)
キャッシュフローはファンダメンタルズを重視する機関投資家などが現金創出力や投資効率など企業分析を行う際に使っています。
キャッシュフローには下記の3種類があり、それぞれ示すものが異なります。
C/Fでは主に安全性を確認できますが、3つのC/Fのうち最も重要なのは、営業C/Fです。健全な企業では営業C/Fの金額よりも当期純利益が低いのが一般的です。
投資C/Fは設備投資や株式投資をした場合にマイナスで現れます。そのため、マイナスになっているほうが積極的に投資をしている企業と言えます。
フリーC/Fは営業C/Fと投資C/Fを足したものです。これがプラスの場合は投資に現金を使っていても、それ以上の現金を営業C/Fで稼ぎ出していることを意味します。
マイナスには要注意!
営業キャッシュフローがマイナス(=キャッシュフロー・マージンがマイナス)となっている場合は、即座に対応が必要な状況と言えます。
本業の稼ぎがマイナスであるということは、このままビジネスを続けても、ひたすらキャッシュが減り続け、それを投資活動の取り崩しや財務活動で賄うこととなります。
スタートアップ企業であれば、営業キャッシュフローのマイナスをVCやエンジェル投資家からの出資といった財務活動で賄うは一般的ですが、それ以外の企業で営業キャッシュフローがマイナスという状況は、非常に危機的な状況と言えます。
New product
or service
株価が驚くような上昇を見せるには、下のような何かしらの驚くような新しいものが必要。
1880〜2008年の大化け銘柄の95%以上が、何かしらの変化を遂げている。
- 会社が新興企業か(2〜3年以内)
- 大ヒットとなるような新製品やサービスの提供
- 革新的技術の開発
- 新しい活力やアイディアをもたらす新経営陣が発表
- 株価が新高値を更新またはその付近
- 業界への需要の拡大
引用:オニール本
N | New product or service | Newがあるか? 新製品/サービス 新興企業 新経営陣 正しい新高値 | ○ |
新製品/サービスについては、商品・サービスの項で紹介しています。
Supply and
demand
日常的な商品の価格はほとんどが需要と供給によって決められている。それと同様に、この基本原則は株式市場にも例がなく存在する。どんなアナリストの意見よりも、この基本原理の方が重要。
□保有株について□
- トップ経営陣が自社株を保有している
- 自社株を買っている(5〜10%以上)
長期間かけて自社株買いを継続している企業がよい
自社株買いはEPSを押し上げる(流通量減、将来売上や収益の改善を暗示)
収益が増加していない企業の自社株買いは信頼性なし - 負債比率は低い
□売買について□
- 日々の出来高を確認する(過去3ヶ月間の平均出来高と比較)
- 「CAN-SLIM」の条件を満たす銘柄ならば、総資本の規模に関わらず買って良い
(資本金の少ない小型株はボラティリティが大きくなる) - ブレークアウト時の出来高が通常時より+40〜50%以上になっている
- 1日の平均出来高が数十万(10k〜)株以上あるものを選ぶ(銘柄規模不問)
- 株価下落時で出来高が枯れてきているか、上昇時に出来高を伴っているか(*U/D ratio)
- 発行済株式数が数十億もある銘柄は、価格が動きづらい
- 発行済み株式数が5000万株ほどの小型株は価格が動きやすい
- 過度の株式分割には注意する(1/2〜2/3が良い、1〜2年以上の間隔)
- 株式分割を2〜3回行うと株価は天井を打つ傾向
引用:オニール本
S | Supply and demand | 需要と供給は良いか? | ○ |
平均出来高/50days | 3,581,000 |
単位:T=1兆、B=10億、M=100万
価格帯別出来高
2022年 3月 11日時点では、68 %が含み益となっています。
Leader
or
Laggard
オニール投資法では、主導株に投資することが前提になっています。
- セクター(産業グループ)が全体の20位以内
- 業界内で上位1〜3位を狙う
- RS(レラティヴストレングス指数)が80以上(できれば90以上)
- 弱気の日に異常な強さを示す銘柄
引用:オニール本
L | Leader or Laggard | 主導銘柄か? 停滞銘柄か? | △ |
RS Rating | 64 |
Group | |
---|---|
業種グループ全体ランク | 129位(全197種) |
グループ内ランク | 2 位 |
グループ内ランク1位銘柄 | SEDG |
Institutional
sponsorship
株価を押し上げるには、機関投資家による大きな買い需要が必要。実に主力企業の株式売買の約7割が機関投資家による売買で占められている。
- 優秀な機関投資家(1〜2社以上)保有している
- 平均以上の投資成績(上位10社)を残している機関投資家が少なくとも数社保有
- 機関投資家が直近の数四半期で増加している
- 1つの機関投資家が大量に保有していない
- 機関投資家の保有数が増えすぎる「過剰保有」でない
引用:オニール本
I | Institutional sponsorship | 機関投資家が 保有しているか? | ○ |
保有している機関投資家は「949」で、次のように推移しています。
保有比率
- 経営陣の保有する株式の割合(Insider ownership)が多いと、企業としての株価上昇に対する努力が期待できるため、良い買い材料となる。
- 大企業は最低1〜3%、中小企業はそれ以上
引用:オニール本
投資家の上位10は次のようになっています。
Market
直近のマーケットの方向性については、次のリンクにて解説しています。
ENPH に投資できる国内オンライン証券会社
米国株の取引ができる国内証券会社のそれぞれの特徴は、下記の記事で解説しています。
この記事の情報ソース
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