【テクニカル分析入門】仮想通貨の上昇相場・下降相場・レンジ相場の見極め方とチャート分析のポイント｜おすすめ分析ツール

仮想通貨やFXなどの短期取引において、チャートを見て相場の推移を予測することは重要なスキルです。チャートには様々な形状があり、それらを正しく読み解くことができるかどうかでトレードの成否が決まることもあります。

相場参加者に基本的に意識される基本的な３つのテクニカルラインと、相場の推移において上昇相場、下降相場、レンジ相場という３つの基本的なチャート形状があります。

また、これらの重なり具合を確認することで、より確実な判断が可能になります。

このページでは、それぞれの相場形状について、取引の注意点を解説します。

基本的なテクニカルライン
水平線
- サポートライン（支持線）
- レジスタンスライン（抵抗線）
移動平均線
トレンドライン
チャートの「ログスケールあり」と「ログスケールなし」は何が違うの？
定番分析、チャートツール
- メモ代わりにも使えるTrading view
- Bybit
テクニカル入門＃１まとめ
- 関連

基本的なテクニカルライン

基本的なテクニカル分析に用いられるラインは、水平線、移動平均線、トレンドラインの３種類あります。

これらのベーシックなチャート形状は、もっともシンプルかつ有名なので、ビットコインなどの主要通貨だけでなく、様々な仮想通貨や株式などでもおどろくほど機能します。ぜひ色々なチャートに引いてみてください！

水平線

水平線とは、チャート上に引く水平な線のことで、一定の価格水準を表します。株価や仮想通貨のチャート分析では、過去の価格水準からの反発やサポート・レジスタンスラインを確認するために水平線が使われることがあります。

水平線を引くことで、その価格水準での買いや売りが集まっているかどうかを確認することができます。

サポートライン（支持線）

サポートラインは、価格が下降し、支えられる水準を表すラインのことです。レジスタンスラインと同様に、何度も同じラインで下降を抑えられるような場合、その水準をサポートラインと呼びます。このラインが描かれた状態をサポートと呼びます。

下図のように、ラインと言いつつも、細い線ではなく帯として使用することが多く、長期的に形成されたラインの方が、短期的なものよりも優位性が高くなります。

レジスタンスライン（抵抗線）

レジスタンスラインは、価格が上昇していくときに、抵抗を感じる水準を表すラインのことです。チャート上で、価格が上昇していく過程で、何度も同じラインで上昇を阻まれるような場合、その水準をレジスタンスラインと呼びます。

下図の例は、レジスタンスを上に突き抜けたところで、相場参加者全体のトレンド目線を転換させる場合が多いです。

移動平均線

移動平均線とは、一定期間の価格の平均値を繋ぎ合わせた線で、たとえば、過去21日間の終値の平均値を求める移動平均線を「21日移動平均線もしくは21MA」と呼びます。

トレンドの方向性や抵抗線、サポートラインの役割を持ち、短期的なトレンドと長期的なトレンドの両方を分析するために広く使用されています。

価格が移動平均線より上にある場合は、トレンドは上向きである可能性が高く、逆に下にある場合はトレンドが下向きである可能性が高いと解釈され、これもサポート、レジスタンスとして機能します。

移動平均線でよく使われる日数は？

移動平均線でよく使われる日数は、5日、10日、20日、50日、および200日で、これらの期間は、短期から長期まで、異なる投資家やトレーダーに使用されます。

たとえば、スキャルピングや短期トレードなどの短期目線では5日間の移動平均線を使用する場合があり、スイングトレーダーなどの中長期的な投資家は50日間や200日間の移動平均線を使用します。

短期トレードであっても、より優位性の高い中長期のトレンドは常に把握することがポイントです。

トレンドライン

相場の動きに伴うチャート形状は、大きく分けて上昇相場、下落相場、そしてレンジ相場の３つの相場に分類されます。それぞれの相場において、チャートの形状は異なり、トレーダーにとって重要な情報となります。以下で、それぞれの相場について簡単に説明していきます。

上昇相場の基本的なチャート形状

上昇相場は「買いの勢い」が強く、価格が上昇するトレンドです。上昇相場のチャートは、左下から右上に向かって直線的に上昇する形状をしています。

上昇相場においては、チャートの上昇トレンドに乗って買いを入れることが効果的です。

上昇トレンドライン

上昇トレンドラインは、価格が上昇しているときに、その上昇の度合いを表すラインのことです。チャート上で、価格が上昇しているときに、できるだけ価格の低いところをつないでいくと、上昇トレンドラインが描けます。このラインが描かれた状態を上昇トレンドと呼びます。

上昇相場における取引の注意点

上昇相場は買いが優勢な相場形状であり、上昇トレンドに乗って買いを入れることが効果的ですが、過剰な買いを避けることが重要です。

相場が上昇し続けると思い込んで大量の買い注文を出すと、急落して大きな損失を被る可能性があります。

下降相場の基本的なチャート形状

下降相場は「売りの勢い」が強く、価格が下落するトレンドで、短期取引においては上昇トレンドとミラーの関係です。

下降相場のチャートは、左上から右下に向かって直線的に下落する形状をしています。下降相場においては、チャートの下降トレンドに乗って売りを入れることが効果的です。

下降トレンドライン

下降トレンドラインは、価格が下降しているときに、その下降の度合いを表すラインのことです。上昇トレンドラインと同様に、価格が下降しているときに、できるだけ価格の高いところをつないでいくと、下降トレンドラインが描けます。このラインが描かれた状態を下降トレンドと呼びます。

下降相場における取引の注意点

下降相場は売りが優勢な相場形状であり、下降トレンドに乗って売りを入れることが効果的ですが、過剰な売りを避けることが重要です。

相場が下落し続けると思い込んで大量の売り注文を出すと、急騰して大きな損失を被る可能性があります。

レンジ相場の基本的なチャート形状

レンジ相場は、上昇相場や下降相場とは異なり、値動きが比較的安定しています。価格が上昇すると抵抗線で上昇が止まり、下落すると支持線で下落が止まるという状態が繰り返されます。このような相場状況が続く場合、レンジ相場と呼ばれます。

レンジ相場トレンドライン

レンジ相場には、主に水平線の上限と下限があり、上限がレジスタンス（抵抗線）、下限がサポート（支持線）になります。この2つの線に価格が接近したときの「勢い」を確認してから買い・売りのトレードを行うことがポイントです。

レンジ相場における取引の注意点

レンジ相場は、相場の傾向が明確でないため、トレードには注意が必要です。上限や下限に接近すると、価格が反転する可能性があるため、トレードには慎重な姿勢が必要です。

また、レンジ相場はしばしば長期間にわたって続くため、トレード戦略を長期的に立てる必要があります。そのため、レンジ相場でのトレードは、ポジションを長期的に持つことが求められます。

チャートの「ログスケールあり」と「ログスケールなし」は何が違うの？

チャートのログスケールと通常のスケール（ログスケールなし）は、価格の表示方法に違いがあります。

通常のスケールでは、価格の値は等間隔で表示されます。つまり、数値が 1 から 2 になると、価格の値も 1 ドルから 2 ドルになります。

一方、ログスケールでは、チャートの価格の目盛りの幅を均等ではなく、割合（％）の幅に併せて目盛りの幅を表示されます。つまり、数値が 1 から 2 になると、価格の値は 10 ドルから 100 ドルのように指数関数的に変化するため、チャート下になれば1ドルの幅は広くなり、上になれば1ドルの幅が狭くなります。

この違いにより、価格が急激に上昇する場合、通常のスケールでは変化が小さく見える一方、ログスケールでは大きく表示されます。これにより、価格のトレンドラインや支持線/抵抗線をより正確に分析できるようになります。ただし、価格が一定範囲内で動く場合は、ログスケールでは変化が小さく見えるため、注意が必要です。