サイバーセキュリティの需要は、情報化社会が進めば進むほど増していきます。
2021年に立て続けに起きた2件のサイバーテロは、サイバーセキュリティの重要性が今後一層増していくことを思わせる事件でした。
- 2021年5月、アメリカ最大の石油パイプラインのコロニアルパイプラインが、ランサムウェアのサイバー攻撃によって停止しました。同社はアメリカ東海岸の燃料供給の45%を賄っており、ガソリン不足でスタンドには長蛇の列ができました。
- 2021年6月、世界最大の食肉加工業のJBSが、サイバー攻撃で全アメリカ工場操業停止に追い込まれ、食品価格が高騰する恐れもありました。
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CrowdStrike(クラウドストライク)社について
企業概要
ティッカー | 【CRWD】 |
会社名 | CrowdStrike Holdings, Inc. |
カテゴリー | サイバーセキュリティ |
設立 | 2011年 |
上場 | 2019年6月 |
時価総額 | 40.99Bドル |
創立者 | ジョージ・カーツ氏、 Dmitri Alperovitch氏、 グレッグ・マーストン氏 |
本部 | アメリカ合衆国 カリフォルニア州 サニーベール |
従業員数 | 2,838人 |
サービス・商品
エンドポイント・セキュリティ
クラウドストライク(CRWD)は、サイバーセキュリティテクノロジー企業です。
「世界初のクラウドネイティブエンドポイント保護プラットフォーム」を提供しています。
- HDD暗号化
- マルウェア探知
- 振る舞い探知
- ID管理
- 端末からのアクセス時の検疫機能
クラウドストライク(CRWD)の特徴は、これまでのセキュリティーとは違う視点でセキュリティーを強化することを実行しています。
「ハッカーの侵入を全て塞ぐのは無理があるわ」
どんなに防御を固めても新しい手法で侵入されるイタチごっこ
クラウドストライク(CRWD)のセキュリティーは、どうやったら侵入させないかではなく、「侵入させた後どう対処するか?」という柔よく剛を征する方法を取っています。
具体的には、たくさんの顧客の中で誰かが攻撃されたら、その情報をみんなで共有して集団で防御するというシステムです。
わぁ!そんな画期的な方法があったのね!
クラウドストライク(CRWD)を選ぶメリット
先鋭的なアプローチ実証されたセキュリティ侵害防止能力
CROWDSTRIKE
クラウドストライク(CRWD)は先鋭的なアプローチ実証されたセキュリティ侵害防止能力を3つの特徴で説明しています。
具体的には次のような効果があるということです。
- クラウドベースの管理プラットフォーム(パッケージとしてまとめてある)
- そのため、業務を中断せずに数分でエンドポイントへ導入可能
- 24時間365日の保護
- セキュリティ人員の削減
- セキュリティに関する高度な専門知識もアドバイザリー業務として提供される
- セキュリティ侵害に最大100万ドル(1億円)の保証
マーケット・ユーザー(顧客)
マーケット
クラウドストライク(CRWD)は、世界中の顧客にサービスを提供しています。コロナ特需だけでなく次世代の新価値を提供するマーケットに需要があります。
- 社内ネットワーク
- リモートワーク・テレワーク
- Iot(インターネット・オブ・シングス)
- 自動運転、Maas(モビリティ・アズ・ア・サービス)など
ビジネスパートナーには次のような企業があります。
日本国内にも支社として展開していて、下記のようなパートナーと提携しています。
- NTTコミュニケーションズ株式会社
- 兼松エレクトロニクス株式会社
- 株式会社NTTデータ
- 株式会社ラック
- セキュアワークス株式会社
- グローバルセキュリティエキスパート株式会社
- NRIセキュアテクノロジーズ株式会社
- マクニカネットワークス株式会社
ユーザー(顧客)
アメリカのFortune100社のうち49社がCrowdStrikeの顧客になっています。
具体的には、次のような企業があります。
下のグラフは、「顧客の満足度」を示しています。
白い折れ線グラフ:100%であれば、既存の顧客が100%満足してサービスを続けているということになり、98%の継続率があります。
赤い折れ線グラフ:既存顧客の売上が拡大しているかということを示していて、120%以上では既存の顧客が更にアップグレードしていたり、追加のサービスを購入していることになります。
ビジネスモデル
売り上げの93%はサブスクリプションが占めており、1年で約1.9倍と急成長しています。
ライバル・競合他社
N/A
CrowdStrike(クラウドストライク)社の強み
CROWDSTRIKEの強みとして次の4つの要素が説明されています。
ブルースクリーン問題についてまとめ
ブルースクリーン問題とは?
2024年7月19日、米セキュリティ企業CrowdStrikeのサービス更新が原因で、世界中でWindowsパソコンにクラッシュとブルースクリーン問題が発生しました。
これにともない、株価は1日で10%以上下落しました。
- 要因:CrowdStrikeのFalconプラットフォーム用センサー構成の更新でロジックエラーが発生し、クラッシュとブルースクリーンを引き起こした。
- CrowdStrikeのCEOは問題について謝罪し、サイバー攻撃ではなくソフトウェアの不具合が原因だと説明
- 影響を受けたのは、Windows用Falconセンサーのバージョン7.11以降を使用していた顧客(航空会社、病院、緊急医療サービス、放送局など、様々な業界)
- Microsoftによると、世界で約850万台のWindowsパソコンが影響を受けたと推定
- 問題は19日午前4時9分(現地時間)に発生し、約1時間20分後の午前5時27分に修正された
- 復旧方法として、セーフモードでの起動や特定のファイルの削除などが提示された。
このような世界は、そもそものきっかけとして、ソフトウェアのウィークポイントをついて攻撃するような恣意的なものである可能性は否定できないと思っています(憶測)
クラウドストライクの今後の対策
クラウドストライクの今後の対策について、公式の報道に基づいた情報は限られていますが、以下のようにまとめることができます。
- 根本原因分析の実施: クラウドストライクはこの問題の根本原因分析を行っていると報告されています。
- 修正プログラムの展開: クラウドストライクは問題を特定し、分離した上で、修正プログラムを展開していると述べています。
- 顧客への謝罪と対応: クラウドストライクのCEOであるジョージ・カーツ氏は、顧客や影響を受けた人々に対して深くお詫びを表明しています。
- サイバー攻撃ではないことの確認: クラウドストライクは、この問題がサイバー攻撃やセキュリティの問題ではなく、ソフトウェアの不具合であることを明確にしています[3]。
- 復旧手順の提供: クラウドストライクは、影響を受けたシステムを回復させるための具体的な手順を提供しています。
これらの対応は、クラウドストライクが問題の解決と再発防止に向けて取り組んでいることを示しています。しかし、長期的な対策や具体的な再発防止策については、現時点で公式の発表はありません。
クラウドストライク投資家がとるべき行動
クラウドストライクのブルースクリーン問題を受けて、一般的に投資家がとる行動は以下の方向性があります。
- ポジション解消:今後の対応は不透明ですが、財務に与える影響は大きいため、一旦ポジションを整理して今後の動向や決算を待つ
- リスク分散: ポートフォリオのリスク分散を再検討し、必要に応じて調整します。サイバーセキュリティ業界への過度の集中を避けることも検討。
- 長期的視点の維持: 一時的なネガティブニュースに過剰反応せず、クラウドストライクの長期的な成長戦略や市場ポジションを評価。
- 買い増しの機会: 株価の下落を、長期的な視点での買い増しの機会と捉えることも検討できます。ただし、慎重な分析が前提となります。
一時的なものか、それとも長期的に影響(連続好決算が終わる)するのかが焦点ですが、
投資家が検討すべき判断基準には以下のようなものがあります。
ファンダメンタルズ
- 冷静な分析: 一時的な株価の下落は避けられませんが、長期的な企業の fundamentals や成長性を冷静に分析することが重要です。
- 企業の対応を注視: クラウドストライクの問題への対応、再発防止策、顧客との関係修復などを注意深く観察します。迅速で効果的な対応は、長期的な信頼回復につながる可能性があります。
- 業界全体への影響評価: この事件がサイバーセキュリティ業界全体に与える影響を評価します。競合他社への顧客流出の可能性や、業界全体の信頼性への影響を考慮します。
- 財務への影響の分析: 今回の事件がクラウドストライクの財務にどの程度影響するか、今後の四半期決算や年次報告書を注意深く分析します。
- 専門家の意見の参考: アナリストや業界専門家の分析を参考にし、多角的な視点で状況を判断します。
たとえば、クラウドストライクは今回の大きなトラブルを法的に乗り切れるのか、財務状況を整理してみましょう。
2024年4月末時点の現金および現金同等物は37億ドルでした。
2024年4月期の売上高は年間31億ドル、純利益は8,933万ドルでした。営業キャッシュフローから設備投資を除いたフリーキャッシュフローは9.4億ドルでした。
2025年1月期のガイダンスでは、フリーキャッシュフローが年間約14億ドルまで伸びると予想されています。
専門家によると、今回の事態による経済的損害は数百億ドル規模に達する可能性があり、保険会社も多額の保険金請求に直面する見込みですが、全てを補償することはできないと指摘されています。クラウドストライクも法的な請求を免れない可能性が高いです。
テクニカル
上図の時点では中期的な上昇トレンドラインを割っていませんが、これを勢いよく割る場合最低でも240までの調整は免れないでしょう。
さらに200あたりまで調整する際は一時的な反発となり三尊を形成し下落トレンド入りする可能性に留意しなければなりません。
逆張りの女王キャシーさんは、TSLAもとい当然のごとく買い支えしているようです。
グロース(成長)株か?バリュー(割安)銘柄か?
この株は未来の「GAFAM」のようなテンバガー株になりうるか!?
以下のグロース株5つのポイントに沿って確認してみましょう。
1) 決算が予想を上回っているか?
EPS、売上高ともに、オールOKです。過去決算決算ミスなく10回連続で決算クリアしています。
しかし、高PSRを支えられるほどのガイダンスを示せず下落。 アフターアワーで▲5%となりました。
2021年 Q2 決算 | 決算良否 | 予想 | 実績 |
---|---|---|---|
EPS(USドル) | ○パス | 0.11 | 0.11 |
売上高(USドル) | ○パス | 323.16M | 337.7M |
売上成長率(YoY) | +70% | ||
営業キャッシュフロー(USドル) |
2021年 Q3 ガイダンス | コンセンサス (市場予想) | ガイダンス (会社予想) |
---|---|---|
EPS(USドル) | 0.09 | 0.10 |
売上高(USドル) | 350.92M | 358.0M ~ 365.3M |
FY2022年 通期予想 | コンセンサス (市場予想) | ガイダンス (会社予想) |
---|---|---|
EPS(USドル) | 0.09 | 0.10 |
売上高(USドル) | 1.36B | 1.39 – 1.41B |
2021Q2 カンファレンスコールの音声(日本語訳)
業績ガイダンスとは、上場企業が決算発表において明らかにする「今期の業績見通し」のこと
ARRとは、Annual Recurring Revenueの略で、「毎年決まって得られる1年間分の収益、売上」のことです。毎年80%以上の強い成長をしていることが分かります。
収益の91%がサブスク、残りの9%がセキュリティに関する高度な専門知識もアドバイザリー業務によるものです。
2) 株価チャートが持続的な上昇トレンドか?
現在の株価は143ドルで、長期移動平均線をほとんど割ることなく、7月から8月へのヨコヨコを経て右肩上がりの推移になっています。
- 年初来リターンはおよそ+190%
- 最高値:初値から+140%
- 2019年6月上場 :値決めは34ドル → 初値63.5ドル
- ロックアップ期限の半年後の12月にIPO以下の金額まで下落、ダブルバガーまで10ヶ月
- IPO後の高値からの復活日数:287日(約14ヶ月)間
3)時価総額が比較的小さいか?
時価総額は32.05億ドル
4) PSR(株価売上率)は割高か割安か?
上場直後は人気化して70倍くらいになっていましたが、上場後はバリエーションが異常値になることが多いので、それを除くと現在はかなり割高な水準です。
■ハイテク小型成長株のPSR比較
- スノーフレイク:118倍
- データドッグ:56倍
- ズーム:52倍
- ショッピファイ:44倍
- リボンゴ:40倍
- クラウドストライク:40倍
(※PSRは直近四半期売上高×4倍で計算)
Magic numberというのは、どれだけ営業効率がよいかという指標で0.7以上で合格点になるので1.3というのはかなり営業効率の良いということになります。
40%ルールは、(売上高の成長率YtoY)+(営業利益率 or FCFマージン)の合計値で40%以上であれば良いとされていますが、88%はかなり良い数字になります。
5) 将来の「成長ストーリー」は良好か?
現状では、成長企業なので利益は出ていませんが、将来的には
- 粗利75-80%
- 営業&マーケティング30-35%
- 研究開発費15-20%
- 一般管理費7-9%
- 最終的に営業利益率として20%+を目指しています。
現金が積み上がっていて1000億円くらいあります。もしかしたら、今後積極的にM&Aなどもしてくる可能性があるので、注目ポイントになります。
Crowd Strikeは、IPO後一度も決算の取りこぼしがない優良銘柄なので今後も期待大の銘柄になります。