次の4つの視点に着目して紹介していきます。
- 「時価総額」:今後の上昇余地
- 「テクニカル」:バリュエーション
- 「テーマ性」:事業の将来性
- 「業績」:決算の良否、成長率
時価総額
企業概要
Netflixは、S&P500に採用される2000億ドルを超える大型株です。
時価総額 | 238.4Bドル |
ティッカー | NFLX [NASD] |
会社名 | Netflix, Inc. |
業種 | オンライン動画配信 |
設立 | 1997年 |
IPO(上場) | 2002年 5月 |
CEO | テッド・サランドス氏 (2020年7月16日–) リード・ヘイスティングス氏 (1998年9月–) |
本部 | アメリカ合衆国 カリフォルニア州 ロス・ガトス |
従業員数 | 9400人 |
単位:T=1兆、B=10億、M=100万
テクニカル
バリュエーション
IPO後初値 1.16 ドルから、+ 40,000 %の価格帯で推移しています。最近は、少し前のGAFAMと同様半年間ほどヨコヨコしています。今後分厚い雲を抜けて上昇できるかに注目です。
価格帯別出来高
直近のサポートラインは、517ドルとなっています。450以下の上昇局面のホルダーは、ほぼ利確が終わり450〜560ドルのボリュームゾーンが形成されています。
PSR推移
指標 | |
---|---|
PER(LTM) | 65.7倍 |
PER(NTM) | 52.8倍 |
PSR(LTM) | 9.5倍 |
PSR(NTM) | 8.1倍 |
テーマ性(事業内容)
会社ビジョン
Netflixには、とても恐ろしいくらいすごい企業文化があります。
Netflixは、2001年ごろに経営危機に陥って、社員の半分くらいをレイオフ(クビ)にして、そこからめちゃくちゃ会社の業績を拡大して、大きく躍進していきました。今のNETFLIXの強みを形成したのは、次のような企業文化を戦略的に形成したことだったようです。
- 極限の能力主義
- 極限のコミュニケーション
- 極限の権限委譲
- 極限の透明性
例えば、日本の「王様は裸」だと言えない、体質とは大違いで、会議とかでもこれは違うと思ったら言わないということは、NETFLIXではいわゆる「裏切り行為」として捉えられます。
このような、優秀ないろんな社員が色んなことを言い合えるような空気作りは、組織を強くするカルチャーとして注目されている「心理的安全性」に通づるところもあります。
NETFLIXでは、末端の社員にも自由な権限が与えられています。それを可能とするのが上記のような徹底的な企業文化の浸透だと言えます。
例えば、通常はいちいち言われなくても「服を着て」出社することが当たり前だと思います。ちゃんとしたいい社員であれば、変なルールを作らなくてもまっとうに動く、といった理念を通底させているのがNETFLIXなのです。
この本はサラリーマンが読とある種、危険とも言えます。
これを読んでしまうと、自分の会社ってなんだろう‥ってなって
しまいます。
私は、どちらかというとスッと入ってきましたが、
もし読まれるのであれば覚悟されたしです(笑)
マーケット
サービス・商品
Netflixは、実はDVDレンタルの時代からネットで予約⇒自宅にいつでも配送のオンデマンドスタイルを取っていました。
そして、テクノロジーの進化と共にそのリードタイムを極限まで縮めたストリーミングサービスへと変わってきました。
今日のNetflixのビジネスモデルは、非常にシンプルなサブスクリプションベースで構成され、TVドラマ・映画・バラエティ番組のストリーミングサービスを見放題で提供しています。
3つのサブスクプラン
- ベーシック
- スタンダード
- プレミアム
ビジネスモデル
Netflixのビジネスモデルでは、大きく2つのセグメントでお金を稼いでいますがその99%がストリーミング配信によるものです。
- ストリーミング動画配信
- DVDレンタル
(アメリカ国内で展開しているDVDの郵便レンタルのメンバーシップ)
Netflixは、元々DVDの郵便レンタルからスタートした会社で途中から動画を配信し、ユーザーが払うサブスクリプション費用を徴収するビジネスを追加ことで成長してきた企業です。ですから、サブスクリプション契約者が増えれば増えるほど利益も増えるという動画配信の専業ビジネスです。
Netflixの他のオンライン動画配信サービスとの差別化および成長戦略は、「オリジナルコンテンツ」の制作です。
Netflixとしては、そのコンテンツを見終わったあともサブスクリプションを継続してほしいので、随時新しいオリジナルコンテンツをリリースします。
ここで、重要になってくるのが制作費です。
契約者を引き止め続けられる高品質のコンテンツを大量に作るには、最高の制作陣と俳優が必要だからです。Netflixのオリジナルの質の高さは、アメリカでアカデミー賞・ゴールデングローブ賞などで数々の賞にノミネート・受賞していることが証明しています。
また、Netflixは世界中でサービスを提供しているので、ハリウッド的なドラマや映画だけでなく、その地域にあったコンテンツにも制作費が回されていることも見逃せません。
売上構成比
収益の99%は、ストリーミングビデオ配信(サブスク)
地域比
ライバル・競合他社
同様の事業を世界展開するライバルは、アマゾンのAmazonプライム・ビデオですが、そのビジネスモデルは大きく異なります。
Netflix | Amazon |
---|---|
収益の99%が サブスクリプション | プライム会員の特典の 一部として 動画配信サービスを提供 |
190以上の国と地域 | 200以上の国と地域 |
業績
業績指標サマリー
指標 | |
---|---|
売上成長率(YtoY) | +23.3% |
ROA(総資産利益率) | 9.70% |
ROE(自己資本利益率) | 34.50% |
ROI(投資利益率) | 14.80% |
Gross Margin(粗利率) | 43.90% |
Operating Margin(営業利益率) | 21.20% |
Profit Margin(純利益率) | 14.20% |
M = Mllion(100万)
B = Bllion(10億)
決算
EPS、売上高ともに、オールOKです。
しかし、2020年度は全てEPSを取りこぼしています。
2021年 Q2 決算 | 決算良否 | 予想 | 実績 |
---|---|---|---|
EPS (ドル) | ○パス | 2.99 | 3.75 |
売上高 (ドル) | ○パス | 7.11B | 7.16B |
2021年 Q2 決算 | 決算良否 | 予想 | 実績 |
---|---|---|---|
EPS(ドル) | ○パス | ||
売上高(ドル) | ○パス | ||
売上成長率(YoY) | +% | ||
営業キャッシュフロー(ドル) |
2021年 Q3 予想 | コンセンサス (アナリスト予想) | ガイダンス (会社予想) |
---|---|---|
EPS予想(ドル) | 3.15 | |
売上高予想(ドル) | 7.32BM |
収益性
売上高成長
Netflixは収益性の高いビジネスです。
2018年のNetflixの当期純利益は12億ドル、2019年は18.7億ドル、そして2020年には約27.6億ドルの利益を計上し、前年より47.91%増加しています。
ストリーミング市場全体の成長やコロナのStayHomeの影響もあり、登録者数、利益ともに毎年大幅に向上していることがわかります。
キャッシュフロー(CF)
C/Fでは主に安全性を確認できますが、3つのC/Fのうち最も重要なのは、営業C/Fです。健全な企業では営業C/Fの金額よりも当期純利益が低いのが一般的です。
投資C/Fは設備投資や株式投資をした場合にマイナスで現れます。そのため、マイナスになっているほうが積極的に投資をしている企業と言えます。
フリーC/Fは営業C/Fと投資C/Fを足したものをです。これがプラスの場合は投資に現金を使っていても、それ以上の現金を営業C/Fで稼ぎ出していることを意味します。
高い利益水準を持つNetflixですが、キャッシュフローを見てみると、実はずっとマイナスとなっていましたが、2020年に営業CFが黒字転換しています。
この理由は、オリジナルコンテンツの制作とコンテンツのライセンシングにコストを費やしているためです。
将来を見据えて持続的に顧客を獲得・維持するために特にオリジナルコンテンツの制作にはここ数年間大規模な投資を行っています。動画ストリーミング市場の競争が激しくなるにつれて、他と差別化するためにNetflixでないと見れないコンテンツを用意することが大きなカギとなるためです。
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