このページでは、とうとう中国を抜いて人口世界1位になったインドがどんな国なのか把握できるような情報と投資先を解説しています。
- 低めの展望:インドが中国に追いつく可能性は低いが、現在の中国並みの水準まで将来成長する可能性は十分に高い(中国の成長率が非常に高いため)
- 高めの展望:2020年代から2050年代にかけて、インドは高度経済成長を遂げる可能性が高い
インドとはどんな国?

国名 | インド共和国 |
首都 | ニューデリー |
人口 | 14億2860万人超(2023年) |
通貨 | 1INR(インドルピー)=1.41円(100円は約70INR) |
税金 | ・配当金への現地課税なし ・売却益についても現地課税なし |
インドの主要指数
- インドの人口動態は成長促進的(人口14.28 億人、世界 1 位、世界の2割)
- 2023年4月に、ついにインドが中国を抜いて人口世界一に!(from 国連のデータ)
- 理想的な人口ピラミッドを形成している
(人口の約半分が30歳未満、毎年2500万人子供が生まれる) - 人口増加傾向は今後も続き、50年までに16億6800万人に達する一方、中国の人口は同年までに約13億1700万人に減少すると予測されている。(Bloomberg)


- 今後数年で主要国として世界で最も急成長すると見込まれている。(2023年現在:GDPアジア3位)

- 2000年から2015年までの15年間のインドの実質GDP成長率は、年率7.3%となり1人当たりGDPは463ドルから1,640ドルに増加した
- インドの2019〜2023年の実質GDP成長予想は7.7%で、米国1.8%や中国5.9%を抑えてもっとも高いとみられている。
- インド株は、イギリス同様、株式の配当金・売却益への現地課税がない
- インド株で受け取れる配当金:約80%(日本国内課税 : 20.315%)
- 乗用車販売台数は 2020年6 月以降持ち直しつつあり、8 月にはプラスに転じ、9 月と 10 月は 前年同期比+40%近い伸び率となり、大幅な拡大傾向が続いている
- 中国は、同期間の成長率が年率9.7%で1人当たりGDPが959ドルから8,167ドルへと増加
2000-2015 | インド | 中国 |
---|---|---|
実質GDP成長率(年率) | 7.3% | 9.7% |
1人当たりGDP | 463ド→ 1,640ドル | 959ドル → 8,167ドル |
インド経済の構造
中国の成長は投資主導型であり、資源の爆食を伴いましたが、インドの成長が中国のように資源の爆食を伴う可能性は低いようです。 その理由は、3つあります。
- 「産業構造」資源の消費量が多い製造業がGDPに占める割合が、インドは16%と、中国の30%より低い。
- 「政府の政策」例えば、中国でコンクリート構造の住居が急増した一因は、政府が都市およびその周辺部で集合住宅の建設を促進したため。一方、インドの場合、容積率規制が高層ビルの建設を阻んでいる。
- 第三に、国際環境の変化がある。気候変動を筆頭に、SDGs(持続可能な開発目標)への関心の高まりは資源消費を抑制するよう働く。世界的な貿易摩擦の高まりも、第三国への輸出を前提とする直接投資の流入を削ぐことになる。
引用:https://www.mitsui.com/mgssi/ja/report/detail/__icsFiles/afieldfile/2020/03/17/2003d_suzuki.pdf
インド経済のリスク
インド・ルピーは2000年の1ドル=45.7ルピーから2011年に47.9ルピーとなった後2015年に65.5ルピーまで下落しました。 一般政府財政と経常収支の赤字がインド・ルピー下落の一因のようです。通貨の下落が続けば、1人当たりGDPのドル建ての水準は相対的に低くなり、海外企業の直接投資収益は目減りします。
引用:インド経済の直近のレポート
https://www.murc.jp/wp-content/uploads/2020/12/report_201210.pdf
インドでIT産業が発達した理由
インドがITに強いということは広く知られていますが、カースト制度がIT躍進の背景にあります。
インド人の約80%が信仰するのがヒンドゥー教です。ヒンドゥー教にはカースト制度という身分秩序があり、バラモン・クシャトリア・ヴァイシャ・シュードラという4つの「ヴァルナ」と、世襲的職業身分集団である「ジャーティ」によって社会が細分化(2000とも3000ともいわれている)されています。
カーストは親から子に受け継がれるものであり、生きている間に高次のカーストに上がることはできないため、生れながらにして就ける職業に制限があります。次の順に高次の存在であるとされています。
- バラモン(司祭)
- クシャトリア(王族・貴族)
- ヴァイシャ(市民)
- スードラ(労働者)
インドの憲法は差別を禁じていますが、根強くカースト制度の影響が残っていますが、近年の産業の発展にともなって、「IT産業」という、カースト制度には規定のない職業が登場しました。これによって、低いカーストのインド人にも、少しの運と才能、努力によって貧困から抜け出せるチャンスが訪れました。
そのためインドでは、「貧困からの脱却」を胸に誓い、IT技術を習得するべく上位大学(IIT:インド工科大学)への入学を希望する若者が増え、これがIT産業の躍進に貢献しました。
インドの脱炭素政策
インドは、中国に次いで世界で2番目に人口の多い国ですが、急速に経済を成長させている新興国として、太陽光発電や陸上風力発電を中心とする低コストの自然エネルギーにも積極的に投資して成功を収めています。
先進的な自然エネルギーの導入政策を進めていて、国内総生産あたりの排出原単位を2030年までに2005年の水準から33~35%削減することを公約として掲げています。



インドETF5選
インドETFを活用する1番のメリットは、インド国立証券取引所(NSE)に上場していて米国市場に上場していない優良企業へも間接的に投資できることです。しかし残念ながら、国内オンライン証券会社で購入できる銘柄に限りがあります。
インドETFざっくり比較
シンボル | 運用総額 | 平均 出来高 | 銘柄数 | 経費率 | 分配金 利回り | 5年平均 成長率 | 5年最大 下落率 | 直近6カ月 資金流入 |
INDA | $4,910M | $153M | 98 | 0.68% | 0.27% | 5.44% | -34.00% | $1,220M |
EPI | $730M | $21M | 349 | 0.84% | 0.78% | 5.59% | -42.26% | $-52M |
INDY | $660M | $1.7M | 55 | 0.93% | 0.08% | 6.06% | -34.04% | $-65M |
SMIN | $232M | $1.6M | 238 | 0.81% | 1.06% | 5.44% | -54.59% | $-0.5M |
PIN | $110M | $0.7M | 138 | 0.78% | 0.72% | 2.17% | -48.38% | $-4M |
インドETFに投資できる国内オンライン証券会社
マネックス証券 | SBI証券 | 楽天証券 | |
INDA | × | × | × |
EPI | ○ | ○ | ○ |
INDY | × | × | × |
SMIN | × | × | × |
PIN | × | × | × |
【INDA】iShares MSCI India ETF
「INDA」は、純資産総額・平均出来高ともにすると、インドETFの中で1番人気です。
運用会社 | 運用総額 | 連動指数 | 銘柄数 | 経費率 | 分配金 利回り | 年初来 | 5年平均 リターン |
BlackRock | $4,910M | MSCI India Index | 98 | 0.68% | 0.27% | 0.50% | 10.87% |
「MSCI India Index」=インドの大型&中型株の85%をカバー
【EPI】WisdomTree India Earnings Fund
「EPI」は、収益性を優先した企業で構成されていますが、高配当と呼ぶには程遠い分配金
利回りです。
運用会社 | 運用総額 | 連動指数 | 銘柄数 | 経費率 | 分配金 利回り | 年初来 | 5年平均 リターン |
WisdomTree | $730M | WisdomTree India Earnings | 349 | 0.84% | 0.78% | 0.75% | 11.44% |
【INDY】iShares India 50 ETF
「INDY」は、経費率が最も高いですが、5年平均リターンが5つのETF中1位です。
運用会社 | 運用総額 | 連動指数 | 銘柄数 | 経費率 | 分配金 利回り | 年初来 | 5年平均 リターン |
BlackRock | $660M | S&P CNX Nifty Index | 55 | 0.93% | 0.08% | 1.15% | 11.85% |
「S&P CNX Nifty Index」=変動率の高いインド株の中でも流動性の高い国内の大手企業50社
【SMIN】iShares MSCI India Small Cap ETF
「SMIN」は、Small Cap ETFというなの通り、インドの小型株へ分散投資をするためのETFです。
運用会社 | 運用総額 | 連動指数 | 連動指数 | 経費率 | 分配金 利回り | 年初来 | 5年平均 リターン |
BlackRock | $232M | Small Cap ETF | 238 | 0.81% | 1.06% | 2.26% | 9.68% |
【PIN】Invesco India ETF
「PIN」は「QQQ」と同じInvescoブランドのETFで、純資産総額・平均出来高ともに小さいですが、5つのETF中では年初来リターンが最大です。
運用会社 | 運用総額 | 連動指数 | 銘柄数 | 経費率 | 分配金 利回り | 年初来 | 5年平均 リターン |
インベスコ社 | $110M | Indus India Index | 138 | 0.78% | 0.72% | 1.16% | 11.70% |
「Indus India Index」=インドで取引される上位50のインド株を中心にインド市場全体を再現する事を目指す指数
インド関連の個別株12選
インドへの投資で個別株の場合、インドへ進出している米国企業へ投資する方法と、直接インド企業へ投資する方法があります。
インド進出アメリカ企業2選
現地企業への投資が怖いなと思われている方には、間接的に投資ができる比較的リスクの少ないインドへ進出している米国企業を紹介します。
WMT ウォールマート
時価総額:385B |
インドにおけるeコマース事業「フリップカート」を展開し、食料品の配送をインド国内50都市(7つの大都市とTier2都市)に拡大しています。
*Tier2都市=人口100万人以上〜400万人未満の都市
AMZN アマゾン
時価総額:1.5T |
T=Trillion=兆
アマゾンはすでにウォールマートの「フリップカート」よりも幅広く事業を展開していて、生鮮食料品以外を扱う部門でるアマゾン・パントリーは去年の時点でインドの300の都市および町で事業を展開しています。
グロース系インド企業10選
米国市場に上場していて、期待の高いインド個別銘柄を紹介します。リスクとして、好業績でない銘柄も多く、マーケットの景況感によっては売り込まれる可能性もあります。
【INFY】
Infosys Limited
時価総額:74.6B |
Infosys Ltdは、世界有数のITコンサルティング企業として、DX(デジタルトランスフォーメーション)に特化したデジタルソリューションを提供しています。インド企業として初めてNASDAQ上場を果たすなど、名実ともにインドを代表するテック企業で、年初来約54%成長とNASDAQ内でも好成績です。
直近3回連続の決算クリア。
【AZRE】
Azure Power Global Limited
時価総額:1.8B |
メガソーラー発電所設置、直近2回連続決算クリア。粗利は91.80%!
【SIFY】
Sify Technologies Limited
時価総額:544.8M |
デジタルサービス、通称インドのグーグル。ペニー株。黒字経営。決算はミス。
【VEDL】
Vedanta Limited
時価総額:9.1B |
資源(オイル、ガス、アルミ、鉄鋼、銅)。インド有数の民間発電所を運営。
ペニー株。
【RDY】
Dr. Reddy’s Laboratories Limited
時価総額:11.84B |
医薬品製造
【ESGC】
Eros STX Global Corporation
時価総額:464.6M |
通称インドのNetflix。ペニー株。ダウントレンド底打ち?
*アダルトサイトではありません。
【TTM】
Tata Motors Limited(インドの自動車メーカー)
時価総額:15.5B |
傘下に英高級車「ブランド、ジャガー・ランドローバー」を構成。ジャガー・ランドローバーの業績はいまいち(3年連続のマイナス)



ランドローバーの車はカッコいいんですよねw
【MMYT】
MakeMyTrip Limited
時価総額:2.9B |
トラベル・ブッキングサイト運営(マイナス成長)
ヨコヨコ
【YTRA】
Yatra Online, Inc.
時価総額:147.7M |
トラベル・ブッキングサイト運営(マイナス成長)
ペニー株、直近急騰
【TCS】 The Container Store Group, Inc.
The Container Store Group, Inc.
時価総額:789.3M |
ユーティリティーのオンラインストア。直近2回連続決算クリア。YoY 3〜20%。黒字。