【FSLY】ファストリー(Fastly inc.)は、テンバガー候補銘柄!?

米国個別株【グロース】
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Fastly社株価サマリー
  • Googleとの提携で爆上げ中
  • エッジコンピューティング技術の旗手
  • IPO後の決算とりこぼしなし
  • 2019年5月上場 :値決めは21.5ドル → 初値25ドル
  • ロックアップ期限は半年後の11月、ダブルバガーまで1年2ヶ月
  • IPO後の高値からの復活日数:250日(約12ヶ月)間

2020年8月

コロナ暴落後はクラウド株が全般的に上昇しています。

しかし、すべてのクラウド企業が勝者であるわけではありません。

Fastlyの株価は、決算前カップウィズハンドルを形成していましたが、8/5の2Q決算後のTiktokに対する大統領命令を受けて、株価は▲38%ほど暴落しました。

Tiktok問題の株価への影響

米国現大統領トランプは2020年8月6日に、安全保障の脅威として、Tiktokを運営するバイトダンスとの取引を9月15日に禁止すると大統領命令にサインしました。これは、アメリカにおける事業をアメリカ企業に売却するか、利用禁止の二者択一を迫るものです。

売却先としてはマイクロソフト社、ツイッター社が候補に上がっていますが、マイクロソフトはFastlyにとってエッジコンピューティングの競合で、TikTok事業はFastlyの売上構成比12%を占めており、ビジネスごと奪われかねないとして、リスク回避の売りが殺到しました。

今後の動向としては下記のシナリオが予想されます。

株価下落シナリオ
  • US政府によるTikTok強制閉鎖 → FSLYにとってビジネスを失うため大打撃
  • マイクロソフトがTikTok US事業買収 → FSLYにとって、競合のマイクロソフトにビジネスを奪われるリスク
株価は再び上昇基調シナリオ
  • ツイッター社がTikTok US事業買収 → FSLYにとってTikTok事業継続・ツイッターはFSLYの既存顧客

今後この株は他のクラウド銘柄と同様上がっていくのでしょうか?

その後。。

2020年9月

Fastly社の現在の株価状況は次のようになっています。
暴落後、Tiktok懸念でうねうねヨコバイしています。

最高値:初値から+368%

引用:Trading view

2020年10月

Tiktok懸念でボックス相場を形成していましたが、Googleとの提携発表後2020年10月6日に一気に新高値を更新しました。

最高値:初値から+388%

ちゃんとしたグロース銘柄なのか?企業の状況を確認していきましょう。

Fastly社について

米Fastly社サマリー
  • アメリカのクラウドコンピューティングのプロバイダー企業
  • CDN「Content Delivery Network」というクラウドサービスを提供している
  • エッジ・コンピューティングの先駆者(今後の技術基盤の構築に期待)
  • エッジ・コンピューティングは、クラウドの超高速化を可能にする技術
  • テクノロジー企業では珍しく、ナスダック市場ではなく、ニューヨーク証券取引所(NYSE)に上場している

企業概要

ティッカー【FSLY】
会社名Fastly, Inc.
カテゴリーIT、クラウド、SaaS
設立2011年
上場2019年5月
時価総額89.5億ドル(9468億円)
企業価値(EV)88.5億ドル(9358億円)
CEO Joshua Bixby氏 (2020年2月–)
設立2011年3月
本部USカリフォルニア州 サンフランシスコ
従業員数717人

2020年2月、FastlyのCEO兼創設者だったArtur Bergman(オーサー・バーグマン)は、FastlyのCEOを辞任すると発表し、社長だったJoshua Bixby(ジョシュア・ビクスビー)が代わりにCEOに就任しました。

Fastlyの本社は、カリフォルニア州サンフランシスコにあり、デンバー、ニューヨーク、ポートランド、ロンドン、東京にも海外オフィスがあります。

Fastly社の強み

FastlyはそもそもCDNというマーケットではなく、エッジコンピューティングの先駆者という独自の位置付けにいます。そう言った意味で、CDNというマーケットシェアの争いに巻き込まれることなく、エッジコンピューティングというマーケットのリーダーというポジションを築いています。

サービス・商品

Fastlyの提供する新価値は、「エッジコンピューティング技術による通信の超高速化」です。

エッジコンピューティングとは

現在、スマートフォンをはじめとするデジタルデバイスの普及やIoTの本格活用により、多彩な端末から大量のデータがクラウドに送られるようになりました。一方でデータ量の増大はネットワークやクラウド側に高負荷を与え、通信の遅延を引き起こしつつあります。

エッジコンピューティングとは、ユーザーやユーザーの端末の近く(エッジ)にサーバーを分散配置することで通信遅延を抑制する技術を指すと言われています。
これにより、大容量のビッグデータをクラウドに高速で送ることが可能になり、よりリアルタイム性の高いサービス構築への活用が期待されています。

Fastlyはこのエッジでコードが動くエッジコンピューティングのインフラを目指していて、他のCDN業者とは一線を画します。

エッジ・コンピューティングとは、簡単にいうと「ネットワーク配信サービスを爆速化させる技術」のことです。ユーザーに近いエッジサーバーで動的コンテンツすなわちプログラムコードを実行させることにより高速化する仕組みです。

Fastly は自社のサービスをCDN(Contents Delivery Network)ではなく、”Edge Cloud Platform”だと呼んでいます。その強みとしては、他のCDNサービスよりも柔軟性があることです。

・edge デバイスのドーピング技術

・CDN データの交通整理係

・Luset セキュリティと安全性を損わない

世界各地に設置されたPOP(配信拠点サーバー)にコンテンツをキャッシュし、ユーザーにより近いPOP(配信拠点サーバー)からコンテンツを配信するため、0.15秒でキャッシュを更新できる高速な配信が可能となります。これはCDN業界でずば抜けて早いスピードです。

Fastlyはエッジ・コンピューティングのインフラ構築を目指しており、2020年8月現在、複数の事業者とβテストを重ね2020年の後半にリリースする計画をしています。

Fastlyは、エッジ・コンピューティングのインフラを目指している点で、他のCDN業者とは一線を画します。エッジ・コンピューティングはコンセプトこそ過去数年で話題には上がってきましたが、まだまだ発展途上です。2大クラウドとして知られる、AmazonのAWSもようやく昨年末にエッジコンピューティングの計画を発表したところです。

ユーザー・顧客・マーケット

マーケット

エッジコンピューティングのマーケットは、2019年に3.5億ドルのマーケットサイズでしたが、2027年にかけて年平均+37%で成長していくと言われています。

その時に、最適なソリューションを提供できる「数少ない企業の1つがFastly」であり、Fastlyのニーズも高まっていくこととなるでしょう。

引用:https://www.grandviewresearch.com/industry-analysis/edge-computing-market
エッジコンピューティングの利用先例

主に通信データ量が膨大になる分野から必要とされていきます。

  • 防犯カメラと画像認識
  • 自動運転の効率的化
  • スマホアプリの高速化
  • AR(拡張現実)
  • オンデマンド動画配信
    など

Fastlyのエッジコンピューティング技術は、すでに様々な用途で使われています。

  • Redditのケース
  • global Saas healthy living app and websiteのケース
  • HotelTonightのケース
  • Leading American airlineのA/B testingのケース
  • global travel and hospitality brandのA/B testingのケース
  •  Internationally acclaimed magazineのケース
  • International daily newspaperのケース

顧客

Fastlyの”Edge Cloud Platform”サービスは、下記の企業に採用されています。

Fastly Investor Presentation August 2020
  • 日経新聞
  • New York Times
  • Shopify
  • Spotify
  • AirBnB
  • GitHub
  • Vimeo
  • Google
    など

Google自身もCDNサービスを持っているにもかかわらず、Googleの自社でのクラウドサービスの一部でFastlyの技術を採用するほど、機能性の評価が高いのです。

ビジネスモデル

コンペティター(競合他社)比較

競合には シェアNo1のAkamai(AKAM)、Cloudflare(NET)、AWS CloudFront(AMZNのクラウドサービス)などがあります。

下の表はFastly(FSLY)、Akamai(AKAM)、Cloudflare(NET)を比較したものです。

FSLYNETAKAM
Q2 成長率62%+48%+13%
Q3 成長率(予想)50%+39%+8%
2020成長率(予想)47%+41%+9%
Q2 粗利率+62%77%77%
Q2 営業利益率+2%-9%32%
Q2 FCF マージン-16%-20%22%
2020 成長率(予想)$295M$406M$3.150B
従業員630人1,535人7,951人
2020 Rev / Employee$468k$264k$396k
2020 Gross Profit / Emp$290k$203k$305k
Current P/S Ratio31.228.25.9
Data Assembled from Quarterly Reports, YCharts

Fastlyが群を抜いています。ここまで差が付いているのは、Fastlyは、”Edge cloud platform”という差別化により別のマーケットでの勝負をしているためと考えられます。

ライバルのCloudflareは、多少の速度を犠牲にしてでも使用者の多いjavascpriptがエッジで動くようV8エンジンを採用しています。

このようにエッジコンピューティングにおいても、職人気質なFastlyと、庶民派なCloudflareというはっきりとした棲み分けが伺えます。

グロース(成長)株か?バリュー(割安)銘柄か?

Fastly社業績サマリー
  • 売上成長率:YtoY +62%
  • 粗利:57.5%
  • PSR :52倍

この株は未来の「GAFAM」のようなテンバガー株になりうるか!?
以下のグロース株5つのポイントに沿って確認してみましょう。

成長株を見分ける5つのポイント
  1. 増収増益か?
  2. 株価チャートが持続的な上昇トレンドか?
  3. 時価総額が比較的小さいか?
  4. 今の株価(バリュエーション)は、割高か割安か?
  5. 将来の「成長ストーリー」は良好か?

1) 決算が予想を上回っているか?

2020第2四半期決算(Q2)概要

  • 8/5に報告された2020年度Q2決算は、トップラインとボトムラインの両方で事前アナリスト予想を打ち負かし、Q3と通年のガイダンスを引き上げました。

事前のアナリストや市場の決算予想と公式発表内容が期待値同等だと、決算後に株価が下がることが少なくありません。

Q2の収益は、Q1よりも+24%増加しましたが、市場はより優れたパフォーマンスを求めていました。
これは、翌日の株価がー18%近く下落したことで証明されました。 2020年初来FSLY株の5倍の上昇の後であることから、この下落は、おそらくある程度の利食いもあったと考えられます。

EPS(一株あたり利益)

https://seekingalpha.com/

直近の2020年Q2決算では、EPSが予想EPSを「0.03ドル」上回っています

FastlyはIPO後一度も決算の取りこぼしがありません

2020年 2Q決算実績予想
EPS(一株利益)0.02 ドル-0.01ドル
Q3ガイダンスコンセンサス予想
EPS(一株利益)0.00 ドル

売上高成長率 

直近の2020年Q2決算では、売上高が予想売上高を「$17.70M」上回っています

2020年 2Q決算実績予想
売上高7,500万 ドル6,040万ドル
売上成長率YtoY+62%
Q3ガイダンスコンセンサス予想
売上高7,477万ドル

利益率(Margin)

粗利益率は前年同期比の55%から60.2%に上昇しました。

PINS
Gross Margin(粗利率)57.50%
Operating Margin(営業利益率)-21.60%
Profit Margin(純利益率)-21.40%
注意点

COGS には固定費も変動費もそれぞれ混合されています。

卸売業や小売業であれば、変動費と COGS はほぼ等しい関係にあります。一方、サービス業や製造業では、人件費や工場経費が COGS に含まれるため、多くの固定費が COGS に入ります。

キャッシュフロー(CF)

Q2の営業活動に使用された現金は880万ドル、設備投資は310万ドルで、四半期のFCFは1190万ドル。(FCFマージンは-15.9%


(Q1の運用に使用された現金は720万ドル、設備投資は1160万ドルで、FCFマージンは-29.8%。2019年Q2のFCFは1,000万ドル、FCFマージンは-21.6%


一部の顧客が支払い延長を要求したため、売掛金の増加により、Q2に営業活動に使用された現金が増加しました。これらの延長の大半は、すでに7月に支払われています。

粗利率について

  • 2019年Q2の600万ドルから増加した、Q2の700万ドルのEBITDAの調整。これはEBITDAの最初の好調な四半期を表しており、Fastlyの収益性への移行をさらに強調しています。
  • 粗利益の大幅な改善。非GAAPベースの粗利益率はQ2の61.7%で、2019年度Q2の55.6%から微増しました。
引用:Fastly Q2 2020 Investor Deck
  • カテゴリー別の収益の割合としての営業費用の継続的な改善。上記イラストの数値は非GAAPです。 GAAP指標は、運用レバレッジの改善において同様の傾向を示しています。

経費率

セクターQ2 2019Q1 2020Q2 2020
R&D24%20%17%
S&M35%28%24%
G&A18%18%19%
  • ドルベースの正味拡張率(DBNER)は、第2四半期に137%でした。(Q1の133%と2019年Q2の132%)第2四半期の純維持率(NRR)は、第1四半期の130%から138%でした。 DBNERには、顧客チャーンの影響は含まれていません。 NRRには顧客のチャーンが含まれますが、請求の超過に対する影響も含まれます。
    130%を超えるDBNERは、Fastlyを急速に成長しているソフトウェアプロバイダーのトップセグメントに位置付けます。
  • 630名の従業員で四半期を間もなく終了します。 2020年の収益は中間点で2億9,500万ドルと見積もられているため、これは、従業員1人あたりの収益が46.8万ドルになることを意味します。 Fastlyは、慎重な自動化とプレミアム顧客への注力により、各従業員から大きなレバレッジを生み出すことができます。

2020第3四半期決算(Q3)予想

  • Q3収益の見積もりは7,350〜7,550万ドルで、年間+49.6%の成長を表しています。(予想+45.0%、収益7,220万ドル)
    Q2からQ3の収益の伸びは、アウトパフォーマンスを想定しない限り、基本的に横ばいです。(2019年度Q2からQ3までの売上高は約7.8%増加し、2019年度Q3の売上高の伸び率は年間+35.3%)
  • Q3の非GAAP EPSの見積もりは、予想された0.03ドルに対して0.01ドルで、中間点で0.03ドルの引き上げになります。 Q2とQ3の両方で非GAAP純利益がプラスになるはずです。 (2019年度Q2のEPSは0.09ドル)
  • Q3の非GAAP営業利益は100万ドルと推定されています。ガイダンスの上限を想定すると、営業利益率は再びプラスになります。( 2019年第3四半期の営業損失は900万ドル)

2) 株価チャートが持続的な上昇トレンドか?

Tiktok懸念でボックス相場を形成していましたが、Googleとの提携発表後2020年10月6日に一気に新高値を更新しました。

3)時価総額が比較的小さいか?

現在の時価総額は12.99億ドル(2020/10)

4) 今の株価(バリュエーション)は、割高か割安か?

結論

現在の株価は割高と言えます。

現在の株価 : 118ドル

PSR(株価売上倍率)

52倍

= 12.99億ドル(時価総額) / 0.246ドル億(年間売上高

2020年6月時点では、PSRは20倍程度でしたので、さらに割高感が出てきました。

ライバル銘柄のPSR
  1. 【SNOW】Snowflake – 134x
  2. 【FROG】JFrog – 52.7x
  3. 【ZM】Zoom – 49.3x
  4. 【DDOG】Datadog – 46.6x
  5. 【BIGC】BigCommerce – 44.8x
  6. 【BILL】Bill.com – 44.4x
  7. 【SHOP】Shopify – 41.7x
  8. 【COUP】Coupa Software – 37.8x
  9. 【ZI】ZoomInfo – 37.6x
  10. 【CRWD】Crowdstrike – 36.3x
SaaS 40%ルール

46.1%(40%以上

= 62%(売上高の成長率YtoY前年同期比) + -15.9%(FCFマージン)

これらの算出方法については、下の記事で解説しています。

5) 将来の「成長ストーリー」は良好か?

業界最大規模のICTアドバイザリ企業Gartner(ガートナー)は、2022年までにエンタープライズで生まれるデータの75%が、データセンターやクラウド以外の場所で生成・処理されるようになると予測していて、エッジコンピューティングの重要性はますます高まっていくことが予想されます。

Fastlyは、セールスサイクルが長く数ヶ月で爆発的な成長が望める企業では無いですが、数年かけて長い高成長(30%程度)が期待できる企業になります。

P/Sが18程度なので、決して割安とは言えないですが割高でも無いです。上記の通り、30%強の高い成長率が今後も継続して期待できると思うので、1年間で10〜20%ほどの高いリターンが期待できる銘柄だと思います。株価次第では買い増していけるグロース株に分類できます。

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