【投資のキホン】割安(バリュー株)成長株(グロース株)投資のコツと原則

株のはじめ方
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個人投資家の個別株投資方法は、バリュー株とグロース株という大きく2つに分けられて、それ以外はありません。

長期投資とは基本的に、「一時的な株価の上下に左右されず経済全体もしくは企業の将来性に長期目線でドルコスト平均法で投資をするもの」ですが、暴落時に株価が下がっているときに定期的に買ったほうが長期的に見てもお得だと思うことはありませんか。

お買い物はセールの時にコツコツ買うのは、チリツモでお得でしょ?

シンノスケ
シンノスケ

本当に暴落時の割安株投資が本当にお得なのでしょうか?

先に結論をいいますと下記のことが言えます。

結論
  • バリュー株は暴落時の短期トレードに向いているが、株価が戻すには長期でかかる場合がある。
    長期的に投資するのであれば、企業の将来性を見極める必要がある。

  • グロース株は暴落時に最もお得、中・長期投資に向いている

この理由を説明していきます。

割安(バリュー)株・成長(グロース)株の違い

割安(バリュー)株・成長(グロース)株投資の、それぞれの特徴は次のようになります。

バリュー株投資グロース株投資
投資対象個別銘柄個別銘柄
投資手法逆張り順張り
トレンド下落上昇
注目度不人気人気
株価安値高値
企業分析必須必須
決算の取りこぼし大きな問題ではない致命傷
夫婦関係だと老夫婦新婚夫婦

バリュー株投資は、いうならば長年連れ添った老夫婦のような関係で、多少の失敗(決算)は大きな問題にはなりません。

グロース株投資は、アツアツ新婚夫婦のようなもので、これからの期待感や伸び代が大きいが、失敗が大きな致命傷に繋がってしまう可能性が高いです。

下のグラフは、グロース株/バリュー株をチャートにしたものです。
グロース株はバンガード・米国グロースETF(VUG)バリュー株はバンガード・米国バリューETF(VTV)の値を入れています。

2004年〜2009年ごろまではバリュー投資が優勢でしたが、2009年以降はグロース投資が優勢になっていることが分かります。

成長株(グロース株)投資 = 企業の成長を買うこと

企業の売り上げや利益の成長率が高く、その優れた成長性ゆえに株価の上昇が期待できる銘柄のことです。

グロース株には、革新的な商品やサービス、経営を通じて市場シェアを拡大し、増収増益を続けているような企業が多く、一般に投資家の人気が高いという特徴があります。

ほんの数年で株価が数倍~数十倍に上昇するダブルバガー・テンバガー銘柄も珍しくなく、株式億トレーダーのほとんどはこの手法にて資産を形成しました。

短期で10倍になるのではなく、早くても3年〜5年の期間を要します

総合的には、バリュー株投資に比べて初心者が成功しやすいと言えます。

グロース参考銘柄

VUG(ETF)、AAPL、NVDA、SHOP、OKTAなど

割安株(バリュー株)投資 = 株価の戻りを買うこと

割安株は、売り上げや利益の成長がさほど期待できないなどの理由から、現時点の株価が本来的な企業価値を考慮した水準に比べて安いと考えられる株式(銘柄)のことです。

「短期では企業価値と株価が乖離するが、長期では一致してくる」

つまり、会社は良いのに株価が下がっている銘柄を見つけることがバリュー株投資です。

バリュー株投資のメリット
  1. 比較的安定した投資成果を得られる
  2. 人気に流されない
  3. 余裕幅が生まれ相場環境が悪い時に守ってくれる

この投資法は、著名な投資家ウォーレン・バフェットが好んで利用することで有名です。

バリュー株投資の注意点
  • 財務諸表を読み込める能力が必要です
  • 今がたまたま割安なのか、万年割安株なのかを見分けをつけるのは、プロでも難しい
  • 長期で観察しないと投資成果が分からない

バリュー株投資の本質は、優良な銘柄が安値をつける瞬間(相場の落ち目)を待ち続ける必要があります。銘柄を選別する審美眼を備え、落ち目を待つ忍耐力が必要なため上級者向けです。

知名度が低かったり業績が悪い企業が多いことから、堅実経営を続けているような場合でも分かりづらく、投資家全体の人気が低いのが一般的です。

値動きも値幅も地味になりがちで、いったん売り込まれたまま放置されているケースも目立ちます。

株価が安いから単純に買いなのではなく、なぜ安くなっているかを確認してから投資することが大切です。

  • ヤバい銘柄には手を出さない
    (例)空運、ホテル、飲食など(コロナショック後)
  • 一時的な変動と長期的な変動を見極める
    (例)キャノンの減益は一時的か長期的か

買えたとしても、長期で持ち続けないと成果が出づらく、経験やホームワークに裏打ちされた確信がなければ持ち続けることは難しいです。

バリュー参考銘柄(2020年8月時点)

VTV(ETF)、RPRX、TPR、HON、DBX、など

バリュー株、グロース株を見つけるならば、ファンダメンタルズ(業績)をみて、企業価値を見分ける能力を身につけることが大切です。
この価値基準を自分で持っておくことで、投資判断の基準になるからです。

バリュー、グロース株の見つけ方

バリュー株、グロース株を見つけるには、現在の株価と「今〜将来の企業価値」の情報を比較します。情報の優先順位は下記の通りです。

  1. 1次情報(業績、チャート)
  2. 市場の空気感(テーマ性、話題性、期待値)

1) 1次情報の取得と確認方法

バリュー株(割安で安全)かどうか確認する方法

株価が、今〜将来の企業価値を正確に反映しているかどうかを表す指標が「PER(株価収益率)」もしくは「PSR(株価売上高倍率)」「PBR(株価純資産倍率)」です。

略称英称観点指標目安
PERPrice Earnings Ratio純利益(フロー)利益と比べて割安かが分かる10倍〜30倍以下
(業界、業績より目安は異なる)
PSRPrice to Sales Ratio売上(フロー)売上と比べて割安かが分かる(ベンチャー企業向け)PSRは20倍以上だと割高、0.5倍以下なら割安
(業界、業績より目安は異なる)
PBRPrice Book-Value Ratio純資産(ストック)純資産と株価から安全性が分かる1倍〜5倍以下
(業界により目安は異なる)
PERとは

PERは、株価と企業の収益力とを比較することで、株価が現在どのくらいの水準にあるのかを測る指標です。利益(フロー)の面から見て、現在の株価が割高なのか、それとも割安なのかを判断する材料になります。

EPSは、一株当たりの純利益のことで下記のように計算されます。

EPSだけでもみることもあり、毎回プラス成長していれば株価が右肩上がりになりやすい場合が多いです。

PERは数値が低いものほど割安ですが、高成長なら数値が高くても割安になることもあります。一般的には、PER15〜17倍程度が妥当だといわれていますが、同業他社と比較することでも割高・割安を判断することができます。

PERの目安の求め方

PERは、純利益/時価総額のことで、時価総額100億、純利益10億ならPER=10倍です。

時価総額は、下記の要素で決まってきます。

時価総額業績
高い売上 100億、営業利益 30億
低い売上 100億、営業利益 10億

時価総額とは、理論的にはおおむね営業利益に比例します。

時価総額業績
高い売上 100億、営業利益 10億、売上成長率30%
低い売上 100億、営業利益 10億、売上成長率10%

このケースだと、前者はPER30倍、後者がPER10倍くらいが適正値になります。

<PER の使い方まとめ>

(1)PERは低いと割安、高いと割高

(2)PER15倍が一つの基準になる

(3)PERの計算には予想EPSを使う

(4)PERが低くても将来性のない会社は割安ではない

(5)PERが高くても将来性のある会社は割安かもしれない

(6)PER100倍など極端に高い場合は手を出さない

【結論】PERだけでなく、業績や将来性、チャートと併せて判断しましょう

PSRとは

売上を投資に積極的に回していくベンチャー(成長初期)企業だと、営業利益はマイナスになりやすいです。
これは、マイナスだから悪いということではなく、企業自身が将来の成長性に投資しているということを表しています。

その場合、PERが機能しない(異常値な)ため、PSRを目安として使うことができます。

PSRの注意点

PSRで判断するコツは、対象の会社だけで判断せず、”業界の将来性を見る“、”同業他社のPSRと比較する”、”PSRの成長率を見る

PSRだけで判断することが難しい理由は、計算式の分子になる時価総額は売上高だけでなく利益や利益率、成長可能性などが影響しますが、分母となる売上高は「利益率が加味されていない」単純な売上高で決まるためです。

そのため、利益率が低い業界では分母の売上高が大きくても、利益率が低いため時価総額が高くつきづらく、割安に見えやすくなります。反対に利益率が高い業界では売上に対して時価総額が高くつくケースもあり、割高に見えやすくなります。

例:ZOOM(ZM)のPSRは約45倍(2020年3月時点)でしたが、ZOOMの株価はその後4ヶ月で2.5倍にまで成長しました。

Rule of 40%(40%ルール)とは

赤字のベンチャー企業の株価を判断する有名なもう一つの指標として「Rule of 40%(40%ルール)」があります。論理的な理由は説明されていませんが、求め方は次の式になります。

Rule of 40%(40%ルール)

X = %(売上高の成長率YtoY前年同期比) + %(営業利益率Operating profit margin

この指標は、「Xの値」40%以上だと良い40%以下だと悪いとするものです。

PBRとは

PBRとは、1株あたりの純資産に対し、株価が何倍まで買われているかを表した指標です。企業の資産(ストック)から、企業価値に見合った株価かどうかを判断するのに役に立ちます。

BPSとは、一株当たりの純資産(株主資本)のことで下記のように計算されます。

BPS1倍未満であれば、今会社が解散して株主に資産を分配した場合、株主は投資額以上に利益として戻ってくることになります。つまり、数値が低いほど良い(株価が割安)ということです。

PER、PBRの平均値は業種(セクター)ごとに変わってきます。
業種が違えば、利益の条件がそれぞれ違うので、株価の割安度も変わってきます。

グロース株かどうか「成長性」を確認する指標

競争力が高い企業ほど、収益性と成長性のバランスが取れていて、今後の高成長が見込めるグロース株と言えます。
これを判断するには、会社の決算書(「損益計算書」、「貸借対照表」、「キャッシュフロー計算書」)から読み取れる下記の情報をスクリーニングします。

収益性を確認するためにROE、ROAを、成長性を確認するためには売上成長、自己資本比率、利益率、キャッシュフローをチェックします。

確認方法は、米株であれば「SBI証券の外国株取引サイト」、日本株であれば「株探」が見やすいためオススメです。

略称英称観点指標目安
ROEReturn On Equity純利益(フロー)株主資本と利益の関係世界基準は10%以上
(高い程よい)
ROAreturn on assets総利益(フロー)総合的な収益性一般的に5%以上で優良
(業種により目安が異なる)
自己資本比率総資産(ストック)無利子負債も含めた企業健全性70%以上なら理想企業、30〜40%以上なら倒産しにくい(業種により目安が異なる)
D/Eレシオ(DER) Debt Equity Ratio純資産(ストック)有利子負債に対する企業健全性低ければ低いほど財務健全性が高く、高いほど借金過多
売上成長純利益(フロー)企業の成長性増収率20%以上。売上高が4年で2倍で優良
営業利益率純利益(フロー)儲かる企業かどうか10%以上あれば優良。40%の超優良企業もある。
キャッシュフロー(CF) 現金収支P/L,B/Sでは分からない企業健全性各CFのバランスから黒字倒産のリスクを検知する
ROEとは

ROEとは、優良銘柄を見つけ出す際に有効な指標です。ROEが高いほど、その企業は株主の資金から利益を稼ぐ能力が高いと判断され、特に外国人投資家はROEを重要な指標としています。

注意点

借金(負債)は「株主資本」には入らないため、多くの借金をして利益を上げた結果、高いROEになるケースもあります。

ROAとは

ROAの目標値は、業種や企業の形態によって異なるため、目標値を決める際には、日本企業における一般的な目標値である5%を目安にしつつ、同業他社のROAを参考にしながら数値を設定するのがよいでしょう。

アメリカの企業におけるROAの平均値は6%程度ですが、日本企業の平均値は3%程度です。そのため、日本企業ではROAの目標値を5%程度で設定しているところが多いです。

上記数値が年々上昇傾向にあればROAの上昇につながり、株価の上昇につながります。

自己資本比率の目安

経産省:令和元年中小企業実態基本調査速報(要旨)(平成30年度決算実績)によれば、2019年の中小企業の全体の自己資本比率の平均値は40.92%となっています。

自己資本比率の目安としては、一般的に下記のようになっています。

超優良70%以上
優良40〜70%
普通20〜40%
危険10%以下
D/Eレシオ

自己資本比率は総資産を用いて計算しますが、D/Eレシオでは有利子負債のみを加味して計算します。

目安は一般的には0.5〜1倍が健全と言われていますが、業種やビジネスモデルによって異なることから、それらを並列に比べることはできません。「一般的な目安」と主張するメディアやコンサルタントなどに、振り回されないように注意しましょう。

DEレシオの短所は多額の現預金を保有している企業であっても、有利子負債が多ければDEレシオは高くなってしまうという盲点があります。

そのため、現預金を含めた実質的な負債をもとに計算される「ネットD/Eレシオ」という指標もあります。

売上成長率

売上は企業の利益の源泉とも言えるため、企業の成長性を語る上で欠かすことができません。

前年同期と比べて増加していることはもちろん、可能であれば2~3年ほど高い増加率を継続している企業が理想です。

営業利益率

売上の増加と共に、営業利益も2~3年ほど高い増加率を継続していれば、増収増益のグロース株として投資候補に加えることが出来ます。

 キャッシュフロー(CF)

キャッシュフローはファンダメンタルズを重視する機関投資家などが現金創出力や投資効率など企業分析を行う際に使っています。

キャッシュフローには下記の3種類があり、それぞれ示すものが異なります。

3つのCF

 

  • 営業CF → 本業の営業活動で稼いだ現金の増減
  • 投資CF → 将来の利益につながる活動に使った現金の増減
  • 財務CF → 増資や配当、金融機関に対する借入・返済などによる現金の増減

  • 現金等残高 → 現金・預金と現金同等物を合計した期末の残高
  • 現金比率 → 総資産に対する現金等残高の割合

また、営業利益、営業CFと投資CFを合算した自由に使えるお金を、フリーキャッシュフロー(FCF)と言い下記のことが読み取れます。

  • プラスの場合は、事業活動で生み出した資金を示し、その資金は経営者の経営判断により事業展開や株主還元、借入金返済など自由に使途を決めることができる。
  • マイナスの場合は、事業活動で資金が不足したことを示す。

2) そのほかグロース株特徴

□オーナー経営者で筆頭株主

□増資や株式分割を行っている →成長性の現れ

□株価を上昇させる材料がある →時代に合ったテーマ性、新製品や経営の変化による「増益期待」

□上場5年以内の新興株

□小型株の方が大型株よりも大きな上昇が期待できます。

  • 大型株 時価総額5000億円超
  • 中型株 1000~5000億
  • 小型株 1000億円未満

※企業規模が小さいほうが伸びしろがある。時価総額100億円以下、特に30億円前後の会社に注目しましょう。

□高PERは気にしすぎないこと

※グロース株を探す場合将来の成長性を予測するため、PERの高さは気にしなくてよいです。「毎年増収増益を続けている」「今後も増収増益の見込みがある」というデータのほうが重要です。

※しかし、高PERの銘柄は将来への期待で株価が上がっているため、成長が鈍化したり業績が悪化すると株価の下落も大きくなります。

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