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企業について、サクッと把握
深掘り
アミリスの歴史
以前はAmyris Biotechnologies, Inc.として知られていましたが、2010年6月にAmyris, Inc.に社名を変更しました。
2005年 | 抗マラリア薬前駆体アルテミシン酸(テルペノイド系)を生産する微生物株開発 |
2007年 | ↑の技術プラットフォームを商業的に応用開始、ファルネセン(テルペン系)販売 |
2014年 | 香料業界向けの追加分子の製造 |
2015年 | 国防高等研究計画局(DARPA)との提携により テルペン以外の低分子化学品の研究開始 |
2016年 | タンパク質の研究開始 利益率の低い成熟市場向けから利益率の高い スペシャリティ成分市場へのビジネスモデルの移行決定 ファルネセン由来のスクワレンを化粧品原料として製品化 |
2017年 | ビタミン(テルペノイド系)の商業生産、DSM等に販売 |
2018年 | 代替甘味料製品であるPurecaneTMの商業生産開始 |
2019年 | カンナビノイド(大麻成分・テルペノイド系)の開発開始 |
2020年 | アルコール系手指消毒剤PipetteTM(スクワレン)のFDA承認獲得 乳児用栄養成分HMOのFDAのGRAS承認申請提出 発酵法によるカンナビゲロール(CBG)の商業生産開始 |
- アミリスはテルペノイド系の発酵法が得意
- スクワレンを誘導したようにCBGを原料にして他の機能性タンパク質を誘導する研究に特化
- アミリスの持つ発酵法はなんでも作れる魔法の技術ではなく対象を限定する技術かもしれない
- ただ、その限定された中でCBGが存在しただけで今後広がりのある展開が期待出来る
テクノロジー
「同社の技術プラットフォームは、微生物を触媒として利用することで、再生可能な植物由来の糖質を大量の高付加価値成分に代謝することを可能にしています」
アミリス社は、抗マラリア薬アルテミシニンの前駆体であるアルテミシン酸を生産するための微生物株を作製する技術を開発しています。
同社の技術プラットフォームは、微生物を触媒として利用することで、再生可能な植物由来の糖質を大量の高付加価値成分に代謝することを可能にしています。
アミリス社は、この技術プラットフォームを応用して、クリーンヘルス&ビューティ、フレーバー&フレグランス市場向けの製品の開発・製造・販売を行っている。
アミリス社は、Amyris、Biofene、Biossance、Pipette、Purecane、No Compromiseの商標で事業を展開しています。
Amyris, Inc.は、COVID-19ワクチンの開発を加速することを含む、新規リボ核酸ワクチンプラットフォームの開発を進めるために、感染症研究所との共同研究契約を結んでいます。
アミリスの「サスティナブル・バイオテック」シリーズ 1〜3
代替タンパク質
下記特許で抗体(=タンパクの一種)産生技術として、K. Marxianusという聞き慣れない酵母株を用いてタンパク生産経路の構築を既に実施しています。
未来の食べ物。食肉生産が温室効果ガスの排出に大きな影響を与えていることは疑いの余地がありません。肉牛だけで世界のメタンガス排出量の70%を占めています。
インポッシブルフーズ(@ImpossibleFoods)のような企業は、遺伝子組み換えの酵母と発酵、つまりバイオテクノロジーを活用して、牛やメタンを使わずに肉の味を再現するヘムを製造しています。
インポッシブル・バーガーは、全米の食料品店やバーガーキングなどのファストフード店にも登場し、肉を使わない代替品として広く親しまれています。
インポッシブルをはじめとする多くの企業が植物由来の製品を発売したことで、消費者は持続可能でおいしい代替品を手に入れることができ、その結果が数字に表れています。肉の代替品は、パンデミック後の7ヶ月間で129%の売上増を記録しました。
バイオテクノロジーのおかげで、私たちは食肉、そしてより広い意味での食料の持続可能性を再考することができるようになりました。植物性の肉への移行は、今後何十年、何百年にもわたって、地球の健康に計り知れないほどの直接的な影響を与えるでしょう。
ファスト・ファッション(#biofabrication)
ファストファッションの前提は、流行が来たらすぐに着て、すぐに捨てられるように作られていることです。
地球への影響は?繊維製品の製造は、主要な水路を汚染し、温室効果ガスの排出量を倍増させます。また、繊維製品全体の85%が年間で埋立てられています。
しかし、消費者がファストファッションを求める傾向が続く中、多くの人々がファッションをより環境に優しいものにする方法を模索し始めています。そして、バイオテックは、それを実現するための主要なソリューションの一つとして普及しています。
バイオ・プラスチック
プラスチックの製造は環境に悪影響を与えるだけでなく、プラスチックはしばしば埋め立てられ、環境中に残留します。プラスチックの製造には、年間約2億7千万トンの石油が使用され、8千万トンのプラスチックが埋め立てられています。
プラスチックとの戦いは、その源から始める必要があります。#バイオテックは、持続可能な代替素材であるバイオプラスチックの開発を進めています。#バイオプラスチックは、石油ではなく、植物や植物性油脂、リサイクルされた廃棄物などの再生可能な資源から作られます。
バイオプラスチックは、再生可能な原料を用いて完全な生分解性プラスチックを提供する可能性があるという点で、エキサイティングな開発です。
バイオプラスチックは、再生可能な原料を用いて完全な生分解性プラスチックを提供できる可能性があります。バイオプラスチックがスケーラブルな生産・価格設定モデルに到達すれば、従来のプラスチックに代わる持続可能な代替品となるでしょう。
ingredientB(マテリアル)
今月発表された下記論文の言葉からの引用です。
ブレイクスルーとなったのはまさにテクノロジーの成熟です。私たちは今、1年以内に分子をターゲットからスケールまで移動できます。パートナーにとって、これは非常に重要なことです。
つまり投資をして、その分子の開発サイクルを自信を持って計画できる。10年前には不可能だったことです。今、このモデルは確固たるものになってます。
CEOのMelo氏
*契約者でないと見れません。
今後2030年までにバイオテクノロジーがいかに多くの産業を再構築する可能性があるか
今後2030年までにバイオテクノロジーがいかに多くの産業をディスラプトする可能性があるかが、以下のレポートで示されています。
米国シンクタンクRethinkXの予測
今後の食品産業を考える上でこの予測はかなり衝撃的です。
米国シンクタンクRethinkXが報告した今後10年間の乳タンパクのコスト比較ですが、25年頃に乳牛から採取されるカゼインやホエイよりも、合成生物学によって遺伝子改変した酵母等により発酵生産した製造コストの方が安くなる特異点を迎えます。
代替えタンパク質に加え、培養肉などの食肉代替技術も追随することによって、30年頃には米国で飼育する家畜牛の数が、なんと半減すると予測されています。
ビジネスモデル
AMRSの売り上げ構成
- 40%はコンシュマー製品
- 47%はIngredient
- 13%がコラボレーション
特にコンシュマーの売り上げがAnual YtoYで200%弱成長しており投資家にも注目されている分野です。
化学やバイオ企業が消費者マーケティングに垂直統合したビジネスは他に3M, GSKなどがあります。
成長性
2020年末あたりから株価が急上昇した理由と考えられる材料
2020/12/16に行われた投資家向け説明会がカタリストになっている可能性が高いです。
この説明会では、保有商業化合物(同社は計11の化合物を商業化していました)のマネタイズにより、450Mドルの収入を獲得することができると発表されました。
3つのディールから構成されており、1つ目はfarnesene という化合物を元に、一つの化合物を作る権利を50Mでマネタイズ。
残り2つの詳細は不明ですが、2021年度第1四半期中にクローズし、詳細が見えてくるようです。
なお3つ、計450Mドルのディールはアップフロント部分と後払い部分から構成されていますが、うち200Mドルがアップ・フロントとして2021年度上半期にもらえるとしています。
もともと2020/11月の決算説明会で、3つのディールに着手していると発表していましたが、その時は350Mのディールと発表していました。これが、サプライズとして働き、地合いの良さも伴って上昇したと考えられます。
バランスシートの改善
同社は、営業キャッシュ段階からの赤字企業で、バランスシートに対する懸念があったと見られます。
というのも同社は足元債務超過に陥っているからです。
特に2021年度に期限を迎える債券60Mをどうやって乗り切るかを注視していた投資家が存在したと考えられます。
今回の発表で、目先はおろか、健全化に資する大きな資金を獲得できたことで安心感が広がったようです。
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米国のバイオエコノミー戦略
米国は既に12年にオバマ政権がバイオエコノミーに関する戦略 「National Bioeconomy Blueprint」を発表しており、先行してバイオ研究を進めていたことから大きな差が生まれています。
合成生物学の論文数では、図の通り各国の政府支出を比較してみると、米国政府の支出は他国に比べ圧倒していて、1桁違う水準になっています。
投資家の評価
アミリスに投資しているファンドSchottenfeldのGMであるRick Schottenfeld氏は以下のように述べています。
「25年前にインターネットは素晴らしい投資対象になると言う人がいて、その人が何を言っているか分からなかったとしたら、今どうなっていますか?これが合成生物学の現状なのです」
Rick Schottenfeld氏
また、Amyrisの支配株主である米国で最も成功した投資家であるジョン・ドーア氏は、グーグルやアマゾンに早くから投資していました。ジョン・ドーア氏は次のように述べています。
「合成生物学は、地球を健康にし未来を持続可能にするために、今後大きな役割を果たす」「アミリスは、合成生物学の約束を果たしています」
アミリスは収益と製品の面では合成生物学企業のなかで最も進んでいます。同社は2021年に4億ドルの売上を見込んでおり、EBITDAでは通年で損益分岐点を達成する。
$13.50前後のアミリスの株価は時価総額40億ドルと評価されており、投資家にとって最善の策であると思われます。同社のCEOであるJohn Melo氏は、2025年に20億ドルの売上と6億ドルのEBITDAを達成する可能性があると見込んでいます。
ジョン・ドーア氏
また、ピナクルのポートフォリオ・マネージャーであるバロン氏は、アミリスの大きな可能性について次のように述べています。
「今後10年以上にわたり、35%のトップライン成長を遂げる可能性がある。Amyrisは、Ginkgoと比べて大幅なディスカウント価格であり、今年末には$30、22年末には$75に達する可能性がある」
ピナクルのポートフォリオ・マネージャーであるバロン氏
競合
合成生物学企業BIG3として、合成生物学のプラットフォーム技術を構築し、世界の先端を走るプレイヤー企業は米国のAmyris、GinkgoBioworks、Zymergenの3社が凌ぎを削っています。
- AMRS(4Bドル)
- GinkgoBioworks(20Bドル)
- ZY(3Bドル)
合成生物学の真打GinkgoBioworksがSPAC上場するかもしれないと報道され、ここ約2年で4B→20Bドルまで約5倍に評価が上昇しています。
売上成長(損益)
バランスシート
2021年4月のPublic offeringでは、次のように書かれてます。
3月31日に終了した3ヶ月間の財務結果、当社の推定によると3月31日時点で、当社の現金および現金同等物は約1億4,000万ドル、負債の元本総額は約1億1,500万ドルです。
さらに、DSM社との契約一時金を含めると3月31日に終了した3ヵ月間の総収益は、以前に発表した21年通年の収益見通しである4億ドルのほぼ半分になると予想してます。ただし、これらの推定値は予備的なものであり、2021年3月31日に終了した3ヵ月間の未監査財務諸表の完成を条件としています。
4億ドルを受け取り、1億9,500万ドルを半分と仮定し、3月31日の契約一時金1億5,000万ドルを差し引くと、第1四半期の収益は約4,500万ドルです。
WSの予想では、1億7,990万ドル(契約一時金を差し引くと2,990万ドル)です。他の3つの予想は、明らかに契約一時金1億5000万ドルを含んでいませんが、平均3770万ドルで、4人のアナリストの平均は3580万ドルということになります。
もしAmyrisが4,500万ドルに近い金額を報告すれば、25%のビートとなります。私の推測では、これはほんの始まりに過ぎず、だからこそ私は「時間はあなたの味方」と言ったのです。
キャッシュフロー
この記事の情報ソース
↓公式のSec.gov資料
↓公式のIR資料
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