会社ついて
ティッカー | AAPL [NASD] |
会社名 | Apple Inc. |
業種 | ハードウェア販売 ソフトウェアサービス |
設立 | 1976年 |
IPO(上場) | 1980年 12月12日 |
発行価格 | 22.00ドル |
CEO | ティム・クック氏 (2011年8月24日–) |
本部 | アメリカ合衆国 カリフォルニア州 クパチーノ |
従業員数 | 161,000人 |
株価、時価総額
長らく世界一巨大な企業であったアップルは、2021年度には2,634億ドル(約27兆4,202億円)に達し、2024年1月にChatGPTで有名な元OpenAIサムアルトマンを引き込んだマイクロソフトに逆転されるまでは、長らく世界一のポジションを保っていました。
単位:T=1兆、B=10億、M=100万
時価総額30Bドル以上「大型株」
時価総額10Bドル〜30Bドル未満「中型株」
時価総額10Bドル未満の銘柄「小型株」
AAPLバリュエーションと売られ続けている理由
アップル(AAPL)が売られ続けて、画像の時点で200日移動平均線をも下回って待っています。その理由は、大きく2つ考えられます。
- AIが盛り上がっているAIバブル相場なのに、Vision Pro(VRゴーグル)を優先していた
- Vision Pro(VRゴーグル)が期待以下(製品は良いが、YoutubeやNetflixが使えない)
なお、2024年6月にAIに関する発表をするとしていますが、決算発表の内容を確認してからでも遅くはないでしょう。
今後の期待値
過去10年間のPER推移
過去10年間のPBR推移
過去10年間のPSR推移
Apple社遍歴
1976 | Apple Computer Company設立 |
1980 | 法人化 (社名変更Apple Computer, Inc.) |
1984 | Machintosh発売 |
1985 | スティーブ・ジョブズ氏 アップルを追い出される |
1997 | スティーブ・ジョブズ氏復帰 |
1998 | i Mac 発売 |
2001 | iPod 発売 |
2001 | i tunes リリース |
2001 | Mac OS X リリース |
2003 | iTunes Store が開始 |
2006 | Macbook(Intel) 発売 |
2007 | iPhone 発売 |
2007 | 社名変更(Apple Inc) |
2010 | iPad 発売 |
2011 | CEO ティム・クック氏へ |
2015 | Apple watch 発売 |
2010代 | 車両の発明について さまざまな特許を獲得 |
2021 | 自社開発半導体「M1」を搭載 |
2020代 | Apple car→ 中止 「プロジェクト・タイタン」 |
2024年 | AppleのVRゴーグル(Vision Pro) |
ビジネスモデル
Appleはソフトウェア、ハードウェアを自社開発し、サービスと融合させることでAppleブランド内での囲い込みが強いことで知られています。
ハードウェア製品
- iPhone(スマートフォン)
- iPad(タブレット)
- Mac(PC)
- Apple Watch(スマートウォッチ)
- Apple TVなど
アップルの今後:事業内容の多極化について
Appleは最近、事業内容の多極化を進めています。もともとハードウェアとソフトウェアの評価が高く、世界No.1ブランドを築き上げてきましたが、最近では新たな事業にも進出しています。
具体的には、ARやVRなどの新技術への投資、再生可能エネルギーの開発、電気自動車の普及など、従来のハードウェアおよびソフトウェアに加えて多岐に渡る事業展開が行われています。これにより、Appleは従来の事業にとどまらず、新たな成長産業にも進出していると言えます。
Appleが事業内容を多極化する理由は、新たな成長産業への参入やリスクの分散を図るためです。
また、多極化により従来の事業にとどまらず、新たな成長産業にも進出することで、収益の多角化や競争リスクの分散を図っています。これにより、Appleは将来の成長に備えて事業内容を多角化していると言えます。
ウェアラブルデバイスについて
Appleのウェアラブル事業は他社比べてもそれ単体で大きな事業となっています。
Apple WatchやAirPodsなどAppleのウェアラブル事業からの売上は23Bドル(2020年度)から、30Bドルを突破する予定(2021年度)です。
この規模感は、AirPods事業だけでもテスラ(TSLA)の31.5Bの売上とほぼ同レベルです。
社名 | 売上高(ドル) |
---|---|
Tesla | 31.5B |
Netflix | 25B |
Apple(AirPodsのみ) | 23.05B |
Adobe | 12.87B |
Uber | 11.14B |
Nvidia | 10.92B |
AMD | 9.76B |
Spotify | 9.55B |
Block(旧Square) | 9.5B |
3.72B | |
Shopify | 2.93B |
Snapchat | 2.5B |
創始者スティーヴジョブス氏がiPhoneを2007年の発表時に、競合より5年先にいると言ってましたが、ウェアラブルデバイスにおいても同様だと考えられます。
ソフトウェア・サービス
- Apple Music(音楽配信)
- iCloud、Apple Care(修理保証)
- Apple TV+、Apple Arcade(ゲーム)
- Apple Card(クレジットカード)
- Apple Pay(決済)など
【2020年1月】世界と日本のiPhoneとAndroidのシェア比較
iPhoneはアンドロイドに比べて、世界的にはシェアが少ないと言われがちですが、実はティーン世代ではiPhoneのシェアが高くなっているのも特徴です。
iOS(iPhone) | Android | その他 | ||
---|---|---|---|---|
世界 | 24.76% | 74.30% | 0.94% | |
日本 | 65.94% | 33.84% | 0.22% |
「最初のデジタルネイティブ世代」である10代の若者たちを対象にした調査
- AppleのブランドはZ世代に強く、88%のティーンがiPhoneを所有
- 89%が次もiPhoneを購入するつもり
出典:Gen Z loves Apple, teen iPhone ownership on the rise
個人のプライバシーへの尊厳
アップルがその辺の企業と訳が違うのが、政府からや機関から情報提供を要求されているにもかかわらず、断固として個人のプライバシーの権利を護る姿勢を貫き通していることです。
世界の主要都市では、テロ対策などの目的で、様々なアングルで監視が続けられていると思いますが、悪いことをしていなくても、やっぱり個人情報が自由に取得されるのは大多数の人は嫌だと思います。
市場シェア
売上構成比
収益の大半は、iPhoneの売上です。ソフトウェアや課金などからのService収入が約20%です。
地域比
オンライン、直営店、小売店で製品を販売。米州が収益の約4割を占め、残りは他の国々となっています。
アップルと日本の関係
日本の京都が好きだったことで有名なスティーブ・ジョブズですが、iPhone(Apple)の製造や経営には、日本企業の技術の分野でも重要な役割を果たしています。以下はその一例です。これに加えて、他にも多数の技術力豊かな日本企業がアップル製品の実現に貢献しています。
以下は、リスト部分をテーブル形式に整理したものです。
企業名 | 分野 | 貢献領域 |
---|---|---|
スマトラ(SUMCO) | 半導体ウエハー | – |
TDK | 電子部品(センサー、スピーカーなど) | – |
京セラ(KYOCERA) | セラミック部品(タッチパネル、カメラレンズなど) | – |
日本精工(NSK) | ベアリング(回転部品) | – |
ファナック(FANUC) | ロボットアーム、工作機械 | – |
パイオニア(Pioneer) | カーオーディオ関連製品 | – |
ソニー(Sony) | カメラセンサー、ディスプレイ | エンターテインメント産業(映像技術、音響技術) |
村田製作所(Murata Manufacturing) | セラミックコンデンサー、センサー | – |
トヨタ自動車 | 先進的な自動車技術(ハイブリッド車、電気自動車) | 先進的な自動車技術の研究開発 |
ソニー | エンターテインメント産業(映像技術、音響技術) | グローバルで約45%のシェアを持つプレイステーション5など |
パナソニック | 環境技術(電気自動車、太陽光発電) | スマートシティや新しいビジネスモデルに取り組んでいます。 |
富士通 | ICT分野(クラウドコンピューティング、人工知能、ロボティクス) | アメリカ企業との協業や投資を進めています。 |
日立製作所 | デジタル産業(クラウドソリューション、ビッグデータ、人工知能) | アメリカ企業との共同研究や事業展開を行っています。 |
日本製鋼所 | 鉄鋼産業(高張力鋼板、アルミニウム板) | 自動車や航空機産業で高い評価を得ています。 |
三菱重工業 | 航空機や宇宙産業 | 世界的な高い技術力を持ち、ボーイング社やスペースX社との協力関係を築いています。 |
野村ホールディングス | ファイナンス産業(投資銀行、証券、資産運用) | フィンテックやAIを活用した金融サービスにも注力。 |
セコム | セキュリティ産業(防犯システム、ビル管理) | 高い評価を得ており、最新技術を活用したサービスも提供しています。 |
アップルのリーダーシップ
そんなApple経営で数々の伝説を残し、映画でも肩たり注がれている史上最高のカリスマ経営者スティーブ・ジョブズ氏の意思を受け継ぎ、2011年からティムクック氏がCEOとなっています。
美しさを極めたマッキントッシュ(初代MAC)から始まり、それまで家でしかできなかったインターネットを持ち運び可能にした、iPhone(=モバイルインターネット)という新市場を大きく開拓した先駆者です。
その後iPadという新市場も作理、スマートウォッチ市場を切り開いたのもアップル。次なるターゲットは、Appleカーとの噂もありますが、
とにかく美しく、新しく、独自の市場を切り開くAppleにこれからも世界は魅了され続けるでしょう。
数々の名言を残している創業者スティーブ・ジョブズの名言にAppleの企業としての姿勢がよく表れていると思います。私が特に好きな名言は下の2つです。
「このまま一生、砂糖水を売りつづけるのか、それとも世界を変えるチャンスをつかみたいか」
ジョブス氏がペプシコーラからスカリー氏を引き抜く時の説得
ライバルの男がバラの花を10本贈ったら、君は15本贈るかい?そう思った時点で君の負けだ。ライバルが何をしようと関係ない。その女性が本当に何を望んでいるのかを、見極めることが重要なんだ。
創業者スティーブ・ジョブズ氏
【アップルの業績】成長性、財務
当期EPSと売上、年間のEPSが伸び始めているかが注目ポイントです。
会社が儲ける力(収益性、損益計算書)
EPS(一株あたり利益)
EPS(一株当たりの純利益)とは、会社が上げる利益のことで株価の源泉となる指標です。
参考に、EPSは下記のように計算されますが、年に4回発表される決算で必ず発表されるものですので、計算することはありません。
EPSは、会社の規模にかかわらず1株あたりの当期利益の大きさを表しているため、値が大きいほど良いとされます。当期の1株当たり利益を前期以前のものと比較することで、会社の収益性や成長度をおおむね把握できます。
4半期
年間
EPS予測
売上高成長率
収益とは、企業が商品やサービスの販売と引き換えに顧客から受け取る金額と定義できる。収益は、損益計算書の最上位項目であり、そこからすべての費用と経費を差し引いて純利益を算出します。
4半期
年間
収益予測
利益率(Margin)
自動運転タクシーができるようになると、粗利率が現状の20~25%から80~90%になる可能性があります。その時、自動車メーカーとバリュエーションを比較できなくなります。
AAPL | |
---|---|
Gross Margin(粗利率) | 40%以上 |
Operating Margin(営業利益率) | 約30% |
Profit Margin(純利益率) | 約25% |
Gross Margin(粗利率)
4半期
年間
Operating Margin(営業利益率)
4半期推移
これらの算出方法については、下の記事で解説しています。
Profit Margin(純利益率)
4半期
年間
会社の経営の上手さ
ROE(自己資本利益率)
ROEは、企業が自己資本をどれだけ有効に活用して利益を上げているかを示す指標で、アメリカの投資家達が最も重要視している財務指標となっています。
米国企業のROEは平均的に日本企業(平均9%)の倍近い(平均17%)といわれ、アップルが約110%、テスらは6%程度と様々です。
逆にROEがマイナスの場合は赤字か債務過多状態の状態で、その会社は株主資本を1年とうしてどれだけ減らしたかってことがわかります。
スクエア(SQ)の過去10年間の株主資本利益率(ROE)の現在および過去の値です。23%で安定しています。
四半期
年間
ROA(総資産利益率)
ROAは、自己資本に加え、借金や現金も含めた総資産をどれだけ有効に活用して利益を上げているかを示す指標です。
アメリカの企業におけるROAの平均値は6%程度ですが、日本企業の平均値は3%程度です。そのため、日本企業ではROAの目標値を5%程度で設定しているところが多いです。
上記数値が年々上昇傾向にあればROAの上昇につながり、株価の上昇につながります。
四半期
年間
会社の安全性(B/S バランスシート、貸借対照表)
自己資本比率
自己資本と他人資本を合計した総資本に占める自己資本の割合です。自己資本比率は会社経営の安定性を表す数値であり、高いほどよいとされています。
自己資本比率=(自己資本/負債+自己資本)×100%
50%以上あればかなり良好な状態といえ、少なくとも30%程度は確保しておくとよいと言われています。
自己資本比率は、業種によって大きく異なります。以下に、中小企業庁「平成30年中小企業実態基本調査」による業種別の黒字企業の平均になります。
業種 | 自己資本比率 |
---|---|
建設業 | 39.5% |
製造業 | 45.6% |
情報通信業 | 58.6% |
運輸業、郵便業 | 36.3% |
卸売業 | 38.3% |
小売業 | 36.7% |
不動産業、物品貸借業 | 32.7% |
宿泊業・飲食サービス業 | 14.4% |
サービス業(ほかに分類されないもの) | 44.9% |
*一般に投資機会が豊富でROI(投下資本利益率)が金利を上回る状況では、自己資本比率が低いほどROE(株主資本利益率)が高まります。これを財務レバレッジ効果と呼びます。
日本企業の自己資本比率は約20%(高度成長期=財務レバレッジ)→製造業平均48.6%(2004年)
また、米国主要500社の自己資本比率の平均は32%と言われています。 業種や会社の数、規模など違いはありますが、日本の自己資本比率の平均がアメリカを上回っています。
自社株買い
アップルの特徴として、2013年から四半期ごとに1兆円以上の自社株買い(利益の株主還元)をし続けており、過去10年間で50兆円(4670億ドル)以上にも上っています。
その結果は以下の発行済株式数の推移からも分かります。
自社株買いをすると発行済株式数が減り、株の価値が上がり投資家への還元になります。
アップル発行済株式数の推移 (2010〜2023)
配当利回り推移
年度 | 配当利回り |
---|---|
2012 | 0.43% |
2013 | 2.45% |
2023 | 0.5% |
キャッシュフロー(CF)
キャッシュフローはファンダメンタルズを重視する機関投資家などが現金創出力や投資効率など企業分析を行う際に使っています。
キャッシュフローには下記の3種類があり、それぞれ示すものが異なります。
C/Fでは主に安全性を確認できますが、3つのC/Fのうち最も重要なのは、営業C/Fです。健全な企業では営業C/Fの金額よりも当期純利益が低いのが一般的です。
投資C/Fは設備投資や株式投資をした場合にマイナスで現れます。そのため、マイナスになっているほうが積極的に投資をしている企業と言えます。
フリーC/Fは営業C/Fと投資C/Fを足したものをです。これがプラスの場合は投資に現金を使っていても、それ以上の現金を営業C/Fで稼ぎ出していることを意味します。
営業CF(CFO)
四半期
年間
投資CF(CFI)
四半期
年間
財務CF(CFF)
四半期
年間
投資家の保有比率
筆頭株主は
ETFによる保有割合
【チャート】テクニカル分析
長期的な成長の推移をみると2005年2月の実体ベースで最高値を更新してから、右肩上がりなことが分かります。
2024年時点では、2022年から2023年にかけて作った高値圏レンジをブレイクしようかという状態です。
価格帯別出来高
下図の時点では、96%が含み益となっています。
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