大麻関連ニュース
2020年12月4日、米国で、歴史上初めてマリファナ合法化案が可決されました。
また、国連でも12月2日、医療や研究目的の大麻を国際条約で定められている最も危険な薬物分類から削除する勧告を承認したとのことで、早ければ2021年春にも適用になる見通しです。
アグリテック( グリカルチャー × テック) はスタートアップでもそこそこ盛り上がってる分野で、農業の工業化、無人で安全にどれだけ収穫ができるかを競っています。
ドローンはもちろん、ARで植物の状態を可視化したり、自動運転で種付けから収穫まで行う機器だったり、長期的に色々な発展可能性があるマーケットです。
昨今の健康ブームで農薬とかは嫌われる傾向にあるので、 ビヨンドミート(BYND) もそうですが、食品の工業化1つのキーとなりそうです。食料を製造する色々な技術が出てきてるけど、グロージェネレーション(GRWD) は2020年の最適解の1つなのかもしれません。
Growgeneration社について
企業概要
ティッカー | 【GRWG】 |
会社名 | Growgeneration corp. |
カテゴリー | アグリテック、大麻関連 |
設立 | 2008年 |
上場 | 2016年 11月 |
CEO | Darren Lampert氏 |
時価総額 | 1.63Bドル(億円) |
本部 | アメリカ合衆国 コロラド州 デンバー |
従業員数 | 184人 |
アグリテック
アグリテックとは、アグリカルチャー(農業)とテクノロジーを掛け合わせた言葉ですね。
人々の健康志向の高まりからより安心・安全な食材を求める傾向、また将来的な食糧危機への備えから、農業を栽培から工業化への動きが急加速してます。従来の農法だと、外の土で栽培するためどうしても天気、害虫、病気などの外的要因によって生産高がぶれてしまいます。それをコントロールするために農薬などを使いますが、消費者はそれを好まずオーガニックを求めています。
農業を工業製品のように大量に生産しつつ、品質もオーガニック以上のクオリティを、こんなトレンドがスタートアップの中でも注目を浴びており、種付けから、草取り、収穫までを行う無人ロボットやARで植物の健康管理を可視化する、ドローンの活用など様々な分野で農業の革命が起きています。
Growgenerationのビジネス内容は “HYDROPONIC SUPPLIER” 、そのまま日本語直訳すると「水耕栽培用品の販売者」となります。「水耕栽培」とは、従来の土以外の農業全般(特に室内向け)の機材と消耗品の販売になります。
ウェブサイトなどを見る限りは従来の土を使った農業ではなく、ビニールハウス栽培や室内栽培用の機器から消耗品などを広く扱っているようです。
『需要』市場・マーケット
大きく分けると、次の2つのマーケットでの投資がされています。
- 水耕栽培システムマーケット
- 大麻マーケット
1)水耕栽培システムマーケット
Growgeneration社によると水耕栽培マーケットは2019年の時点で世界で$9.5B( 約9500億円 )。2025年までに年平均で11.9%成長し、$16.6B ( 約1兆6600億円 )に成長するとのことです。
この記事にはコロナ禍において自宅で調理する機会が増え、皆が食材の重要性に気づき始め、オーガニック食材への需要が急激に高まっているとも指摘してます。
成長率やマーケットサイズは数字だけ見るとやや物足りなさがあるものの、水耕栽培のシステムだけというマーケットで見るとかなり魅力的に見えてきますね。
2)大麻マーケット
次に大麻マーケットです。日本ではあまり馴染みがありませんが、大麻は世界的に急激に伸びているマーケットです。
最近、ニュースなどで大麻利用者が取り上げられていますが、大麻はタバコよりも健康被害が少なく、アルコールよりも依存度が少ないようで、アメリカや欧州などの海外では合法化が進んでいるようです。
一般的にギャンブル、大麻、医療など規制緩和ビジネスの成長はレベルが違うのでマーケット的には追っておいた方が良いマーケットかと思います。スタートアップ界隈でも2017年あたりは大麻関連のスタートアップがかなり盛り上がっていたようです。
こちらの記事によれば、2019年の時点で$4.6B(約4600億円)ですが、2025年までになんと年率で34%成長し、$26.6B( 約2.6兆円 ) と水耕栽培システムを超えるサイズで成長していきます。
ただ、これは大麻全体のマーケットで、あくまでもGrowGenerationはこれらの大麻マーケットの成長を支える機材の供給という立ち位置になります。
『供給』サービス・商品
こちらが、同店が運営するオンラインショップになります。こちらをさっと眺めるだけでもどんな商品を扱っているかがわかると思います。
これらの機器や消耗品が主に、オーガニック食材と大麻の栽培に使われているとのことです。一部、大麻銘柄じゃないか?という話もちらほらありましたが、公式資料をさっと見る限りはコア事業の一部ではありますが、実際のマーケットの割合は不明です。
会社の発表を見る限りは大麻むけの販売の需要は急激に伸びているとのことです。そして、今後の方針として大麻関連を大きく伸ばしていくことも示唆されています。
関連企業
Growgeneration社決算まとめ
この銘柄はテンバガー株になりうるか!?
以下のグロース株5つのポイントに沿って確認していきます。
1) 決算が予想を上回っているか?
EPS(一株あたり利益)
直近の2020年Q3決算では、「▲0.01ドル」決算を取りこぼしています。
2020年 2Q決算 | 実績 | 予想 |
---|---|---|
EPS(一株利益) | 0.06ドル | 0.07ドル |
Q3ガイダンス | コンセンサス予想 |
---|---|
EPS(一株利益) | 0.07 ドル |
売上高成長率
直近の2020年Q3決算では、売上高が予想売上高を「7.63Mドル」上回っています。
2020年3Q決算 | 実績 | 予想 |
---|---|---|
売上高 | 55.01M ドル | 47.38M ドル |
売上成長率YtoY | 152.58% | – |
Q4ガイダンス | コンセンサス予想 |
---|---|
売上高 | 57.79Mドル |
売上成長率YtoY | 222% |
M=Mllion(100万ドル)
利益率(Margin)
Gross Margin(粗利率) | 26.60% |
Operating Margin(営業利益率) | 3.40% |
Profit Margin(純利益率) | 2.10% |
2) 株価チャートが持続的な上昇トレンドか?
下のチャートは年初来の株価推移です。テスラに匹敵する+680%の爆上げになっています。
下のチャートは、価格帯別出来高(上段左灰色グラフ)になります。
14〜18ドル付近に購入ボリューム層があることが分かります。
3)時価総額が比較的小さいか?
現在の時価総額は1.63Bドル(2020/11)
B=Bllion(10億ドル)
4) 今の株価(バリュエーション)は、割高か割安か?
32.53ドル
これらの算出方法については、下の記事で解説しています。
5) 将来の「成長ストーリー」は良好か?
今後のビジネスプランは極めてシンプルです。まだ全米展開をしておらず、今後も6つの州に新たに展開していきます。大麻が合法化されている16周を中心に27店舗増やしていく計画になっています。また、既存店の売上も増やしていく戦略を取ってます。
まだまだ売上は$5Mほどと小さいですが、Eコマースも$10Mを目指して拡充していきます。
そのほか、プライベートブランドの投入により粗利率の改善を図っていくようです。
お疲れ様でした!
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
皆様も健康な投資ライフをお過ごしください。
今後も良い記事を書いていきたいので、引き続き応戦よろしくお願いします!
この記事の情報ソース
↓公式の決算資料