AIブームが加速する2026年、半導体ETFへの注目がますます高まっています。なかでも話題なのが、2026年4月に上場した世界初のメモリ特化型ETF「DRAM(Roundhill Memory ETF)」です。
上場後わずか27取引日でAUM(運用資産残高)が約65億ドルに達し、ETF史上最速クラスの資金流入を記録しました。
一方、長年の定番銘柄SOXX(iShares Semiconductor ETF)やSMH(VanEck Semiconductor ETF)も根強い人気を誇ります。
「DRAMとSOXX、どっちがいいの?」「SMHとの違いは?」と迷っている方に向けて、この記事では2026年6月時点の最新データをもとに徹底比較します。
この記事でわかること
- DRAM・SOXX・SMHそれぞれの特徴と違い
- 2026年のパフォーマンス比較
- SOXQ・SOXL・XSDなど他の選択肢も解説
- 日本の証券会社での買い方と注意点
本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。投資はご自身の判断と責任で行ってください。
DRAMとは?世界初のメモリ特化ETFを解説

まずは話題の新星DRAMから見ていきましょう。
DRAMの基本スペック

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | Roundhill Memory ETF |
| ティッカー | DRAM |
| 運用会社 | Roundhill Investments |
| 上場日 | 2026年4月2日 |
| 上場取引所 | Cboe BZX(米国) |
| 経費率 | 年0.65% |
| 運用方式 | アクティブ運用(指数連動なし) |
| AUM | 約173億ドル(約1.7兆円超、2026年6月時点) |
| リバランス | 四半期ごと |
株価は上場時の28ドルから2026年6月時点で65ドル前後まで上昇し、52週高値は70.15ドルを記録しています。
DRAMの投資対象:メモリ半導体に絞った純粋プレイ
DRAMは、売上高または利益の50%以上をメモリ半導体(DRAM・HBM・NAND・組み込みメモリ)から得ている企業を厳格に選定するアクティブ型ETFです。
現在9〜11銘柄で構成され、地域別では韓国が約49%、米国が約40%、台湾が約6%という構成です。
2026年6月時点の主要構成銘柄(上位)
| 銘柄 | 種別 | 割合(目安) |
|---|---|---|
| SK Hynix(韓国) | DRAM・HBM最大手 | 約17〜28% |
| Samsung Electronics(韓国) | DRAM・NAND大手 | 約13〜24% |
| Micron Technology(米国) | DRAM・NAND大手 | 上位3社内 |
| Kioxia(日本) | NAND大手 | 約7〜8% |
| SanDisk(米国) | NAND大手 | 約5% |
| Seagate Technology(米国) | ストレージ | 約4〜5% |
※比率は四半期ごとのリバランスで変動します。最新値はRoundhill公式サイトで確認してください。
サムスン・SKハイニックス・マイクロンの上位3社だけでAUMの約73%を占める超集中構成です。
DRAMの最大の魅力:韓国勢への手軽なアクセス
DRAMの大きな特徴のひとつは、ADR(米国預託証書)を発行していないサムスン電子とSKハイニックスへの投資アクセスを提供している点です。
これらの銘柄は米国・日本の個人投資家にとって直接購入が難しい銘柄でしたが、DRAM ETFを通じて1株単位で手軽に投資できるようになりました。
【Q】DRAMはAIとどう関係するの?
【A】AIの学習・推論に使われるGPU(NVIDIA H100・B200など)は膨大なデータを超高速で処理します。
そのために欠かせないのがHBM(High Bandwidth Memory:高帯域幅メモリ)で、その主要サプライヤーがSK HynixとSamsungです。
DRAM ETFはこのAIメモリ需要を直接捉える設計になっています。
DRAMのリスクポイント
注意点として、サムスンとSKハイニックスは韓国市場に上場しているため、米国の取引時間中はETFの価格がソウル市場の推定値に基づく点があります。また韓国株には1日30%の値幅制限があり、翌日のギャップリスクが存在します。
メモリ半導体は景気循環性が強い「コモディティ産業」でもあるため、AIデータセンター向けの長期契約価格が上昇する一方で一般消費者向けスポット価格が下落するなど、需給の二面性にも注意が必要です。
上場間もなく運用歴が約2ヶ月(2026年6月時点)しかない点も、長期投資家として意識しておくべきリスクです。
SOXXとは?半導体全体を網羅する定番ETF

SOXXの基本スペック
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | iShares Semiconductor ETF |
| ティッカー | SOXX |
| 運用会社 | BlackRock(iShares) |
| 経費率 | 年0.34% |
| 追跡指数 | NYSE Semiconductor Index |
| 保有銘柄数 | 約30銘柄 |
| 主な保有銘柄 | NVIDIA、Broadcom、Applied Materials、TSMC、Lam Research など |
| AUM | 約247億ドル(2026年4月時点) |
SOXXの特徴:ロジック・設備・メモリをバランスよく
SOXXはメモリだけでなく、ロジック半導体(設計)・半導体製造装置・アナログ半導体など幅広いカテゴリを含みます。
NVIDIAのようなAIチップ設計大手、TSMC(製造)、Applied MaterialsやLam Research(製造装置)まで網羅しているのが強みです。
各銘柄の上限が8%に設定されており、特定銘柄への過度な集中を防ぐ設計になっています。
【Q】SOXXにメモリ株は入っているの?
【A】含まれています。Micronなど一部のメモリ銘柄がSOXXの構成に入っていますが、比率は10%前後程度です。メモリ特化ではなく半導体全体に分散されているため、DRAMほどメモリサイクルの影響は受けません。
SOXXの2026年パフォーマンス
2026年に入りSOXXは非常に好調で、設備投資関連銘柄(製造装置メーカー)の株価が見直された恩恵を大きく受けました。年初来リターンはSMHを大幅にリードする展開となっています(6月9日時点)。
SMHとは?SOXXと何が違う?

SMHの基本スペック
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | VanEck Semiconductor ETF |
| ティッカー | SMH |
| 運用会社 | VanEck |
| 経費率 | 年0.35% |
| 追跡指数 | MVIS US Listed Semiconductor 25 Index |
| 保有銘柄数 | 約25〜26銘柄 |
| 主な保有銘柄 | NVIDIA(約18%)、TSMC(約11%)、Broadcom、ASML など |
| AUM | 約492億ドル(2026年4月時点) |
AUMはSMH(約492億ドル)がSOXX(約247億ドル)を大きく上回り、半導体ETFとして最大規模を誇ります。
SOXXとSMHの違い
SMHはNVIDIAやTSMCといったメガキャップのリーダー企業への比重が高く、SOXXはApplied MaterialsやLam Researchなどの製造装置メーカーにも幅広く投資します。
また、SMHはSOXXと比べて米国外企業(TSMC・ASMLなど)の比率が高く、グローバルな分散効果が高い点も特徴です。
長期の10年リターンではSMHが優位ですが、2026年は製造装置銘柄の再評価もあり、SOXXが年初来リターンでSMHをリードする展開になっています。
【Q】SOXXとSMH、どちらを買えばいい?
【A】長期・コスト・規模を重視するならSMH、設備メーカーも含めた幅広い分散を重視するならSOXXが有力です。
どちらも「半導体全体に長期投資するコア銘柄」として機能します。
DRAM vs SOXX vs SMH:3ETF徹底比較

| 項目 | DRAM | SOXX | SMH |
|---|---|---|---|
| テーマ | メモリ半導体特化 | 半導体全体(広範) | 半導体大型株中心 |
| 上場開始 | 2026年4月 | 2001年〜 | 2000年〜 |
| 経費率 | 0.65% | 0.34% | 0.35% |
| 保有銘柄数 | 約9〜11銘柄 | 約30銘柄 | 約25〜26銘柄 |
| AUM | 約173億ドル(急成長中) | 約247億ドル | 約492億ドル |
| 集中度 | 超高集中(上位3社で73%) | 中(上位10社で約60%) | やや高(NVDA中心) |
| 主要国 | 韓国49%、米国40% | 米国中心 | 米国+TSMC・ASML |
| 運用歴 | 約2ヶ月(新規) | 20年超 | 20年超 |
| 向いている人 | AIメモリ特化・高リターン狙い | 半導体全体・長期コア投資 | AI成長株集中・長期投資 |
| リスク水準 | 超高(メモリサイクル+集中) | 中〜高 | 中〜高 |
選び方のポイント
短中期でメモリ・HBMブームを取りに行くならDRAMが候補です。半導体全体を長期保有するコア銘柄としてはSMH(流動性・規模最大)またはSOXX(設備株も含む)が王道です。
両者を組み合わせてSMHまたはSOXXをベースに、DRAMを10〜20%のサテライトとして上乗せする戦略も多くの投資家が検討しています。
【Q】DRAMが急落したらどうなる?
【A】メモリ価格サイクルが下向きになった場合、DRAMはSOXX・SMHより大きく下落する可能性があります。過去の不況期にMicronが一時60%以上下落した実績があるように、メモリ株は景気敏感性が極めて高い点を認識しておく必要があります。サテライト枠(総資産の10〜20%以内)に留めるのが現実的な使い方です。
他の選択肢も比較:SOXQ・XSD・SOXLなど
SOXQ(Invesco PHLX Semiconductor ETF)
SOXXとほぼ同じPHLX指数に連動しながら、経費率0.19%と業界最安クラスのコストを誇ります。パフォーマンスはSOXXと高い相関を示すため、長期保有でのコスト効率を最優先する方に向いています。
XSD(SPDR S&P Semiconductor ETF)
Equal-weight(均等加重)方式を採用し、大型株に偏らず中小型の半導体企業にも均等投資します。特定銘柄への集中リスクを避けたい方や、中型半導体企業の成長も幅広く取りたい方に向いています。
SOXL(Direxion Daily Semiconductor Bull 3X ETF)
半導体株の日次リターンの3倍を狙うレバレッジETFです。上昇局面では凄まじいリターンになりますが、日次リセット型のため長期保有では複利の逆回転によるリターン侵食が起きやすく、短期トレード専用の商品です。長期投資目的には不向きです。
日本の証券会社での買い方

SOXXは、SBIや楽天証券では購入できませんので、このようなセクターをまとめて管理できる外国株の取り扱い銘柄が多い以下の証券会社がおすすめです。
各証券会社の特徴と対応状況
DRAMとSOXX・SMHを日本から購入する際の各社の特徴を整理します。
サクソバンク証券
SOXX・SMHを含む米国ETFを6,000銘柄以上取り扱い、取引手数料は業界最低水準クラス(0.088%〜)です。米ドル口座で外貨のまま運用でき、配当を自動再投資するDRIP(国内唯一)も利用できます。
ただし、SOXXおよびSMHは特定口座の対象外のため、確定申告が必要な点は注意が必要です。またDRAMの公式取り扱い開始情報は2026年6月時点では確認できていません。
\米国株から欧州株、中国本土、香港株まで11,000以上!/
ウィブル証券
米国ETFを数千銘柄取り扱い、DRAM・SOXX・SMHともに対応しています(DRAMは2026年5月29日取り扱い開始)。24時間取引に強みを持ち、情報ツールも充実しています。
\唯一のTradingView連携証券/
moomoo証券
DRAM(2026年5月29日取り扱い開始)・SOXX・SMHに対応しています。取引手数料0.132%・為替手数料無料で業界最低水準のコストが魅力で、アプリの情報量も豊富です。
マネックス証券
DRAM(2026年6月4日取り扱い開始)・SOXX・SMHを取り扱っています。米国株の情報ツールや銘柄スクリーナーが充実しており、リサーチしながら投資したい方に向いています。
\「米国株」「IPO」「ポイント還元」の3つが業界トップクラス/
※DRAMの取り扱い状況は変動する場合があります。最新情報は各社公式サイトでご確認ください。
証券会社を選ぶ際のポイント
コストを最優先するならmoomoo証券が現在最も有利な手数料水準です。幅広い銘柄数と独自機能(DRIP・外国株オプション)を重視するならサクソバンク証券が選択肢になりますが、SOXXは確定申告が必要な点を事前に確認してください。
各証券会社の詳細な口座情報については、以下の詳細レビュー記事も参考にしてください。
lovesuke.com/foreign-equity-securities-firm-cf/
円建て・投資信託で半導体セクターに投資する方法
米国ETFを直接買わずに投資信託で同等の露出を得る方法もあります。
- グローバルX 半導体 ETF(2243):東証上場。SOX指数(円換算)に連動し、日本時間・円建てで取引可能
- ニッセイ SOX指数インデックスファンド:信託報酬約0.18%前後で業界最低水準クラス。新NISA成長投資枠対応
- 楽天・プラス・SOXインデックス・ファンド:楽天証券ユーザー向けの低コスト選択肢(約0.176%)
積立NISAで長期積立したい方、円建てで手軽に始めたい方にはこれらのファンドが使いやすいです。
【Q】NISAで半導体ETFは買える?
【A】SOXX・SMH・DRAMは米国ETFなので、新NISA成長投資枠(年240万円)での購入が可能です。ただし証券会社によって対象外になる場合があります。国内ETF(2243)や投資信託版は積立NISAにも対応しやすく、手続きも簡単です。
おすすめ証券会社と口座開設
SOXX・SMH・DRAMをコストを抑えて買いたいなら
moomoo証券・ウィブル証券はDRAMの取り扱いが早く、手数料も競争力があります。DRAM・SOXX・SMHすべてに対応しているため、まとめて一つの口座で運用できる点が便利です。
SOXX・SMHをより幅広い銘柄・機能と合わせて活用したいなら
サクソバンク証券は取扱銘柄数6,000以上・DRIP(配当再投資)・外国株オプションなど独自の強みがあります。SOXX・SMH・米国個別株を同一口座でまとめて管理したい方に向いています(SOXXは特定口座対象外のため確定申告が必要)。
各証券会社の詳細な比較については下記の比較記事もあわせてご覧ください。
lovesuke.com/foreign-equity-securities-firm-cf/
まとめ
2026年の半導体ETF選びは、「メモリに集中するか」「半導体全体に分散するか」が最大の分岐点です。
DRAMは世界初のメモリ特化ETFで、AIインフラのボトルネックであるHBMに直接投資できる新星です。史上最速クラスの資金流入が示す通り、AIメモリへの期待は本物ですが、景気循環性の高いメモリ産業特化ゆえのボラティリティと、運用歴の短さはリスクとして認識しておく必要があります。
SOXX・SMHは半導体業界全体を長期で捉える王道ETFです。運用歴20年超の実績と抜群の流動性を持ち、コア投資として安心感があります。SMHはより大規模・AI大型株集中、SOXXは設備メーカーも含む広範な分散が特徴です。
両者を組み合わせる戦略(SOXX・SMHをベースにDRAMをサテライト)も、多くの投資家が検討する現実的な選択肢です。
いずれにせよ、最新の構成銘柄・パフォーマンス・手数料は各ETF公式サイトや証券会社のツールで必ずご確認ください。投資はご自身の判断と責任のもとで行いましょう。

