MediaAlpha社について
企業概要
ティッカー | 【MAX】 |
会社名 | MediaAlpha, Inc. |
カテゴリー | Webマーケティング |
設立 | 2011年 |
CEO | Steve Yi氏 |
IPO(上場) | 2020年 10月28日 |
時価総額 | 2.18Bドル(億円) |
本部 | アメリカ合衆国 カリフォルニア州 ロサンゼルス |
従業員数 | 89人 |
IPO条件
IPO時の条件は以下のようになっています。
主幹事:JP Morgan 監査法人:PwC ディールサイズ:185億円(発行済株式総数内の9%程度) 公開価格:$18-$20⇒ $19で決定(初日終値$31.86) 調達資金使途:借入金返済、運転資金、設備投資等
「供給」サービス・商品・問題解決
MediaAlphaの使命は、テクノロジーとデータサイエンスを通じて、保険会社と販売代理店がより効率的かつ大規模に顧客をターゲットにして獲得できるよう支援することです。
テクノロジープラットフォームは、リアルタイムで透過的で結果重視のエコシステムを通じて、主要な保険会社と意欲的な消費者を結び付けます。
また、損害保険、健康保険、生命保険のコア垂直市場で最大のオンライン顧客獲得チャネルであり、過去2年間でプラットフォーム全体で10億ドルを超える取引額をサポートしていると確信しているとのことです。
私たちは透明性の破壊的な力を信じています。従来、保険の顧客獲得プラットフォームはブラックボックスで運用されていました。私たちは、消費者は保険会社ごとに異なる評価を受ける可能性があることを認識しました。したがって、保険会社は、特定の顧客セグメントがビジネスにもたらすと予想される価値に基づいて、価格をきめ細かく決定できる必要があります。その結果、私たちは、買い手と売り手が完全な透明性、制御、および自信を持って取引できるエコシステムを強化するテクノロジープラットフォームを開発しました。
Form S-1 MediaAlpha, Inc.
「需要」マーケット・ユーザー(顧客)
MediaAlphaは一流の保険会社や販売業者と多面的な関係を築いています。
MediaAlphaのエコシステム内のバイヤーまたはデマンドパートナーは、一般的に意欲的な保険消費者にリーチしようとしている保険会社またはディストリビューターです。売り手または供給パートナーは通常、価値を最大化しようとしている保険会社です。
S&Pグローバルマーケットインテリジェンスによると、2019年の保険顧客獲得支出の合計は合計1,440億ドルで、前年比6%増加しました。
- 2019年の保険業界の総顧客獲得支出額は$144b(15兆円) でCAGR +6% (MAXの年間売上は500億(TAMの0.3%程度))
- 販売チャネルとして、保険会社はD2C(直接販売)への流れを加速させており顧客獲得支出も増加傾向&これはMAXにとって追い風
- 結果、従来型の代理店ベースの保険会社は競争力維持のために多額の顧客獲得支出をかけざるを得ない状況
- 保険業界のデジタル支出は今後6年間で24%のCAGRで成長し、2025年には$16b(1,700億円)に達し、全体の顧客獲得予算の31%に相当すると予測
ビジネスモデル
- MAXの顧客獲得支援プラットフォームを使用することで保険契約に興味がある潜在顧客に効率的にリーチできるようになる
- エンドユーザーはMAXのプラットフォームを利用したフォーマットで年齢、所在地、持家、所有自動車等の属性を入力すると、ユーザーの関心にあった保険が紹介される
- そこで、実際に広告クリック等の行動が行われると、デマンドパートナー(要は保険会社を中心とした広告主)からMAXは収益を得る仕組
- デマンドパートナーはユーザー属性に応じた広告の出し方にカスタマイズ可能(例えばBMW乗っている人だけ安い保険料安くする等)
- MAXのビジネス上、プラットフォーム上での取引量が重要という認識。この点、2018年12月期の$397Mから2019年12月期の$561Mに急成長(+41%)
- MAXのプラットフォームで紹介された顧客数も2018年12月期の4,230万件から2019年12月期は6,020万件に増加(+42%)
MediaAlpha社の強み、弱み
(差別化要素)
広告主にとって単一のプラットフォームから複数の高品質な消費者紹介チャネルにアクセスできるようになること
データ蓄積によりアルゴが洗練され顧客獲得が最適化され、潜在顧客に効率的にリーチできる点
セルフサービスモデルとなっておりMAXが関与せずともリアルタイムで広告出稿先や価格設定等が指示可能な点
ライバル・競合他社
デジタルでの顧客獲得に従事するテクノロジー会社が最大の競合と認識との記載があるが、具体的な社名等の記載はS-1資料にはありませんでした。
保険関連テクノロジー企業のROOTとは、根本的なビジネスモデルに次のような違いがあります。
ライバル ROOT (賠償を負うビジネスモデル)↔︎ MAX ブローカー(口利き)の様なビジネスモデル
MediaAlpha社決算まとめ
この銘柄はグロース(成長)株か?バリュー(割安)銘柄か?テンバガー株になりうるか!?
以下のグロース株5つのポイントに沿って確認していきます。
1) 決算が予想を上回っているか?
EPS(一株あたり利益)
2020年 2Q決算 | 実績 | 予想 |
---|---|---|
EPS(一株利益) | N/Aドル | N/Aドル |
Q3ガイダンス | コンセンサス予想 |
---|---|
EPS(一株利益) | N/A ドル |
売上高成長率
2020年 2Q決算 | 実績 | 予想 |
---|---|---|
売上高 | 104.19M ドル | N/A ドル |
売上成長率YtoY | 39.52% | – |
Q3ガイダンス | コンセンサス予想 |
---|---|
売上高 | N/Aドル |
M=Mllion(100万ドル)
利益率(Margin)
Gross Margin(粗利率) | 15.90% |
Operating Margin(営業利益率) | 9.20% |
Profit Margin(純利益率) | 7.70% |
2) 株価チャートが持続的な上昇トレンドか?
IPO後は理想的な右肩上がりのチャートを示しており、市場のローテーション調整のタイミングで52ドルで反発し、37ドルで1度反発しています。
3)時価総額が比較的小さいか?
現在の時価総額は2.03Bドル(2020/10/6)
B=Bllion(10億ドル)
4) 今の株価(バリュエーション)は、割高か割安か?
41ドル
これらの算出方法については、下の記事で解説しています。
5) 将来の「成長ストーリー」は良好か?
- プラットフォームにおける取引量の向上
- プラットフォームを使用するパートナー数の増加
- プラットフォームのエコシステムの効率性向上
- 保険領域に加え、同様の特徴を持つ新事業分野への進出と拡大(旅行等)
リスク面
収益依存度の高さ(上位20社の自動車保険会社のうち、15社がMAXの広告主となっておりMAXの売上げの40%を占める割合が長期的な契約は結んでいません)
他はあまり特筆すべきリスク記載は見つかりませんでした。
お疲れ様でした!
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
この記事の情報ソース
↓MAX目論見書(S-1)