「個人投資家というのは、ヘッジファンドや投資信託より有利である。」
— ジム・クレイマー
この記事はこちらの書籍からの引用です↓
- 1.ブルもベアもそれなりに成功するが、ピッグは身を滅ぼす
- 2.税金は積極的に払うべし
- 3.一時に全額を投入するべからず
- 4.事業が傷んでないのに、株価が傷んでいる銘柄を探せ
- 5.分散投資は百利あって一害なし
- 6.バイ・アンド・ホームワークをしよう
- 7.パニックは一文の得にもならない
- 8.ナンバーワン企業を持て
- 9.すべてを護ろうとするものはすべてを失う
- 10.TOBはファンダメンタルズを重視せよ
- 11.あまりたくさんの銘柄を保有しないこと
- 12.一時的にはキャッシュに避難するのも賢明だ
- 13.「たら」「れば」は禁物
- 14.相場の調整を恐れず常に備えよ
- 15.債券のことも忘れるな
- 16.損している銘柄を救うために儲かっている銘柄を売るべからず
- 17.希望的観測の入り込む余地はない
- 18.こだわりを捨てろ
- 19.会社のトップが急に辞めた時は要注意だ
- 20.忍耐は美徳、短気は損気だ
- 21.「テレビで言ってたから」は失敗のもと
- 22.業績の下方修正の第一報では、絶対買い出動してはいけない!
- 23.証券会社の銘柄推奨力をあなどるな
- 24.買う理由を誰かに説明できるか
- 25.常に市場のどこかに「上げ相場」がある
1.ブルもベアもそれなりに成功するが、ピッグは身を滅ぼす
25は多すぎると思いますが、この中から注目すべきキラリ教訓を見つけ出し、より現実的で実りの高い投資に活かしていただければ幸いです♪
ちなみに、私のキラリ教訓は以下のとおりです。
長期投資とはいえ含み益をずーと持ってるまま欲張るな。
含み益はまだ利益ではなく、ただの紙切れ。利益確定して初めて利益になる。
そのまま持ち続けると、暴落により利益よりも損を抱えることになりかねない。
逆に含み損は、損である。助かるかもしれないと考えてずーっと持ち続けることは愚の骨頂。
2.税金は積極的に払うべし
2000年のITバブル崩壊の時も、税金がもったいないとか考えて、利確タイミングを逃して損を抱えた人がたくさんいます。
3.一時に全額を投入するべからず
(出動と退散のタイミングに最も気をつける。一気に売買せず、買うときも売るときも投資予定の額の1/3とか1/2ずつ売買するなどして、銘柄だけでなく買う時間も適切にリスク分散する。)
長期積立のドルコスト平均法よりも下記の「進化ルール」がオススメ
4.事業が傷んでないのに、株価が傷んでいる銘柄を探せ
株価は企業の実態を忠実に反映している訳ではない。
事業内容には全く問題ないにも関わらず、相場の調整局面などで暴落につられて不当に売り込まれている企業が度々出てきます。
スーパーのバーゲンセールに傷物が混じっているように、事業が悪く株価が下がっている銘柄、つまり傷物は絶対には買ってはいけません。
5.分散投資は百利あって一害なし
多くの投資家は、ダウンサイド・リスクを効果的にコントロールできません。
普通であれば、農地を担保に得た資金を、全て宝くじに突っ込むようなことはしません。もらった月給を全て一つのことに浪費したりしません。
しかし、株となるとそれをしてしまう人が多いのです。
株というのは、ただの紙切れです。どんなに価値があると思っても、株というのはマジで紙切れになることがあるのです。下手な投資をすると「マジでお金がなくなります」
3〜7銘柄を別々に買っているだけでは、分散とは言えません。
6.バイ・アンド・ホームワークをしよう
バイ・アンド・ホールドではなく、バイ・アンド・ホームワークをしましょう。
ホームワーク、つまりリサーチをしないで、株だけを持っているのは正しい運用方法とは言えません。
厳しい様ですが、時間や気力がなくてホームワークができないのであれば、インデックス・ファンドを買うべきです。
買った時はいい株でも、時間が経つとクソ株になっている銘柄は少なくありません。
多くの投資家は「近い将来化ける銘柄を探して」いますが、ホームワークとはいつ買った株を手放すかの目処をつけるためにするものです。
7.パニックは一文の得にもならない
狼狽売りをする銘柄のほとんどは、次の日には上昇に転じて一週間後にはかなり上昇していることが多い。その中には、1ヶ月後や3ヶ月後1年後にかなり下落することもあります。
パニックは下げ相場の始めや半ば出なく、常に最終局面で起こってきます。
もしパニックになったら、この方法を覚えていてください。
「狼狽して投げ売りする前に、生贄を1つ売ってみて様子をみましょう」
8.ナンバーワン企業を持て
プロの間で鉄則になっているのに、一般投資家には浸透していないのがこの手法です。
素人投資家ほど、ナンバーワンの株価に買いが集まっている株ではなく、似たような企業で一見安い代替物が好きですが、ナンバーワン企業はしばしば最もお買い得なのです。
株価が高いというのは、常にそれ相応の理由があるのが自然です。
9.すべてを護ろうとするものはすべてを失う
株式市場とは戦場で、かつてある優秀な兵士がいった言葉があります。
全てを護ろうとするものはすべてを失う。
全ての水際や警告をすべて護ろうとしてはいけない。
自分の保有銘柄は特に気になるものです。買った株が下落しているというのは「自分の知らない情報に基づいて売っている人がたくさんいるということ」です。
そのような時狼狽売りしてしまわないように、情報が最重要で、そのための以下のようなホームワークをするべきなのです。
- 1銘柄/1時間以上
- 保有している銘柄のHPを読む
- 決算書を細かく読む
- 経営者のカンファレンスコールを観る
- アナリストの報告に目を通す
しかし、ホームワークの結果、知るのが遅かったり真相は何も掴めない場合もあります。その場合、下記のように保有銘柄をランクづけしておくべきです。
ジムクレイマーは大幅な暴落相場の時は、ランク1の銘柄のみ買い増し、残りの銘柄はすべて売る戦法をとっているようです。
いざという時にパニックによる狼狽売りにならないように、来たる暴落局面に備えて、受動的でなく能動的に備えておきましょう!
10.TOBはファンダメンタルズを重視せよ
TOB(Take Over Bid)とは株式公開買い付けのことで、市場外で一括して買い付けることです。
企業が買収されるときなどに行われ株価が暴騰します。そのため、買収されそうな企業に目をつけて投資しておく「TOB投資法」がありますが、この投資法は成功するよりも報われないことの方が圧倒的に多いようです。
11.あまりたくさんの銘柄を保有しないこと
個別株投資で気をつけることです。
リスク分散のために銘柄を分散することが一般的ですが、度を越したら投資信託を保有していることと変わらなくなってしまいます。
銘柄を保有しすぎると、個人では手に負えないくらいの時間や手間がかかります。
本来、個々の銘柄の現状を把握するためには、少なくとも毎週1時間/各銘柄のホームワークをこなさなくてはなりません。
12.一時的にはキャッシュに避難するのも賢明だ
投資におけるヘッジとは、空売りやプットオプションがありますが、ときにこれは身を滅ぼしかねません。
実は、どんな相場環境でも常に株式に投資していなければならないというのは間違いで、ときにキャッシュは市場変動リスクに対する究極のヘッジになり得ます。
13.「たら」「れば」は禁物
未来の予言者でなければ、100%投資を成功させることはできません。
利益を得られるときもあれば、大損するときもあります。
投資は、次々とチャンスはやってくるものです。損をしてもネガティヴな感情に支配されないダライ=ラマのような心で気持ちをいれかえ、クリアな頭で次に行きましょう。
- If only(もしあのとき)
- Whould have(〜したのに)
- Could have(〜できたのに)
- Should have(〜すべきだったのに)
この教訓は投資だけでなく、いろいろなことに大切ですね!
14.相場の調整を恐れず常に備えよ
「9.すべてを護ろうとするものはすべてを失う」とリンクしますが、
大きな相場調整(暴落)のあとは、「金輪際、相場とは縁を切りたい」と思うものです。
しかし、こう考えるのは間違いで「調整とは必ず存在する、当たり前のこと」でこれに備えておけばいいのです。
15.債券のことも忘れるな
株式市場とは、他とは切り離された閉鎖空間ではなく、金や債権などと同様、大きな投資市場の一部です。
株式にとっての最大のライバルは債権で、とりわけ金利水準のたかい局面だとリスクの少ない長期国債を中心に株式は債権の有力な代替資産になります。つまり、株式と債権というのは常にせめぎ合っていて株式→債権、債権→株式に資産が行き来します。
例えば、2003年まで続いた株式市場ときは、FRBが短期金利を6.5%まで引き上げたことが株式市場の暴落を招きました。これは1994年の時も1999年のときも同様です。
金利水準と債権市場には常に目を配っておく必要があります。
16.損している銘柄を救うために儲かっている銘柄を売るべからず
損失が埋まったからなどと言って、儲かっている銘柄を捨てて、ナンピンなどして他の下がっている銘柄などに買い換えてしまうことは、著名投資家ピーターリンチの言う「花を抜いて雑草に水をやる行為」です。
目先のことにとらわれて、未来の利益の可能性を捨ててしまうことはNG行為です。
実は良い銘柄ほど、買いが買いを集め理不尽に上昇するもの。良い銘柄は、選りすぐられた少数の銘柄なのです。
これは、「人は利益よりも損失の痛みを2倍に感じる」と言うプロスペクト理論で説明ができます。
5万円でもいいから(損になるのが怖いから)さっさと利益確定して幸福感を得てしまおうとしまって、持ち続けることができないと言うのが初心者にありがちな失敗です。
17.希望的観測の入り込む余地はない
株式投資はスポーツではありません。投資家は熱狂的なファンでもないしチアリーダーでもありません。
株式投資は宗教でも、恋愛でもありません。ひたすら祈ったり、信じる事は何の役にも立ちません。必要なのはハードワーク、真面目な調査、そしてクールな現実的判断です。
18.こだわりを捨てろ
ジムクレイマー は2000年の.comバブル崩壊のときに、いち早く相場から撤退して打撃を受けなかったのです。
この時の上昇相場の大転換をいち早く予測し、投資方針を変え撤退に切り替えたジムクレイマー の元には、苦情や脅しの連絡が殺到したそうです。
6章や9章でも出てきた、日々のホームワークによる市場分析によってちょっとした変化を感じ取れるようになれるものなのです。
19.会社のトップが急に辞めた時は要注意だ
CEOまたはCFOが前々から言っていて交代するときはいいのですが、会社のトップが突然に辞任するときは、その企業の保有銘柄は直ちに売ってしまうべきです。
このような状態の時は、会社がおかしくなりかけている前兆の一つです。
ジムクレイマーの経験上、この結果早く売りすぎてときには損するときもあるが、その10倍くらいの頻度で暴落からの損失を回避できるようになるという事です。
20.忍耐は美徳、短気は損気だ
ときには、惚れ込んだ銘柄が何ヶ月も動かない事があります。例えばジムクレイマー はインテルの株を18ヶ月間も忍耐強く持ち続けた事があるようです。
しかし、どんな魅力的なストーリーでも、往往にして実現するためには時間がかかるものだということを忘れず、
これは、ヘッジファンドマネージャーのような機関投資家の立場ではできない事で、個人投資家の強みなのです。
この期間を待つ事ができないのであれば、個別銘柄は売ってS&P500に連動するETFや投資信託を買う方が良いです。
21.「テレビで言ってたから」は失敗のもと
テレビの株式市場関係の情報は、実にいい加減なものが多い
ジムクレイマー さんもテレビの株式市場関係の情報ですよね?汗
テレビでは、株と関係ない人だったり、いろんなやつな色んなことを喋るから惑わされやすい
私は番組で視聴者をエデュケート(教育)しようとしているのさ!
なるほど、例えジムクレイマー さんの様な経験豊富な人のアドバイスであれ、自分の投資判断の一つの参考にとどめるべきですね!
22.業績の下方修正の第一報では、絶対買い出動してはいけない!
芳しくない業績が出てきた場合は、その4半期だけとは限らず、その後の業績の基調が悪化していることの兆しかもしれません。
そして、往々にしてその後回復するどころか悪化する事が多いのです。
30日あればマイナス材料の全貌が株価に織り込まれてくるため、どうしてもその銘柄を買いたいのであれば、30日待ちましょう。
23.証券会社の銘柄推奨力をあなどるな
ウォール街がアップグレード(格付け)したりして推奨する事の影響力は無視できません。
この推奨によって、ファンダメンタルズ要因であるべき株価よりもはるかに高いところまで株価が上昇する事があるのです。これは、ボラティリティの高さに影響することもあります。
24.買う理由を誰かに説明できるか
株式投資は、孤独な作業です。特にインターネットが普及してからは、銘柄選択のプロセスで人に説明したりすることもなく、ホームワークをこなしぽちぽち売買ボタンを押すだけです。
しかし、人間というものは過ちをおかすもので、ときに大きく間違えるものです。
間違えを防ぐ大きな方法は、誰か他の人にプレゼンして納得させてみることです。
その過程で、受ける質問や気付きによって間違えが暴きだされます。質問には、以下の様なものが考えられます。
25.常に市場のどこかに「上げ相場」がある
誰もが「なにかいい銘柄がないかな」と常に思っています。
しかし、どんな局面でも「上げ相場」は必ずあります。
例えば2000〜2003年の暴落の最中では、まず食品とビールセクターで儲けて、そのあと金と銀で儲ける事ができたんだ。