10/13、JNJが新型コロナワクチンの第3相臨床試験が副作用のため中止した、製造パートナーはEBSです。
なおアストラゼネカ(AZN)も新型コロナワクチンは第3相臨床試験で2つの深刻な副作用が報告され、米国での臨床は止まっており、こちらも製造パートナーはEBSです。
「明暗わかれた」部分をもう少し説明すると、「明」のほうのグループはmRNAを使ったワクチン創薬をしています。「暗」のグループはアデノウイルス・ベクターを利用しています。これが元凶かもしれません。
アデノウイルス・ベクターは「運び屋」です。
mRNAは二重らせん構造を複写する際の「コピー機」のようなものです。その「コピー機」を騙すことで、あたかも新型コロナウイルスにカラダが晒されたような幻覚を作り、抗体を作るのを促します。だから実際にはウイルスはカラダに一切、入りません。安全なのは、そのためです。
しかしながら、ひと昔前なら10年かかると言われていた、高難易度のワクチン開発。
成功する保証はどこにもありません。
今のコロナワクチンの開発は半年〜1年ほどで上市まで行きそうですが、国や医薬品会社、医療機関総出で全力を挙げてやっているからできる特例中の特例の事例となります。
個人投資家できることは、しっかりしたストーリーだったら金を使い、10/15の認可申請まで以下の結果を注意深く見守るだけです。
- 第1次臨床試験
- 第2次臨床試験
- 第3次臨床試験
どこかのワクチン開発が成功(認証)すれば、全てのワクチン関連株が上がり、またその逆もあり得るであろうと考えられます。
バイオンテック社について
事業概要
具体的には進行性黒色腫や転移性黒色腫、固形腫瘍、前立腺がん、乳がん、すい臓がんなどの治療薬開発、またはコロナウイルスに対するワクチン開発が主な仕事です。
サービス・商品
まだ商品化された医薬品を開発していないものの大手企業と提携し、医薬品開発に貢献してきました。
コロナウイルスのワクチン開発では、モデルナ社(MRNA)と同じく、メッセンジャーRNA(mRNA)が用いられます。
mRNAというのは、タンパク質を合成するための情報を持つRNA(リボ核酸)分子。遺伝子内の情報をタンパク質を発現させる細胞装置に運ぶ働きを持ちます。
ウィルスが変種し、ワクチンが効かないことが多いが、その時に遺伝工学を用いてmRNAを調整すれば、ワクチンを短期間でつくり直せる
mRNAで作られたワクチンは有害性が低いのですが、人体に入った時に効果が消えやすいといった特徴が指摘されています。
顧客
スイスのロシュや仏サノフィ、LLY(イーライリリー)、PFE(ファイザー)等
2020年8月21日、Pfizer(PFE)とBioNTech(BNTX)がフェーズ1の安全性と免疫原性の追加データを公表しました。
臨床試験の成功を前提として、早ければ10月に規制当局の承認を求める予定です。
規制当局の認可・承認が得られた場合、2020年末までに世界で最大1億回、2021年末までに約13億回の投与を計画しています。
ライバル・競合他社
コロナウィルスに対するワクチン開発ではモデルナ社(MRNA)と同じく、メッセンジャーRNA(mRNA)を用いています。
アストラゼネカはワクチンだけでなく心臓疾患の薬のポートフォリオがあり、配当も3%あります。
バイオンテック社の強み
「有言実行」で、やるべきことは全てパーフェクトにクリアしている。
アナリストコンセンサス
ワクチン株のトップ3のアナリストコンセンサスでは、次のように予想されています。
将来の「成長ストーリー」は良好か?
技術レベルではライバル企業のMRNAに劣らないので、どちらが成功するかが注目されています。