株式投資のシャープレシオを高めることにおいて、今がサイクル(循環相場)のどこに相当するのかを知る習慣をつけることが非常に大切です。
これにより、責めるべき時と待つべき時を見極めることができます。
マーケットの投資タイミングを見極める
億り人は必ずといっていいほど、タイミングを見極めて勝負を仕掛けています。そのタイミングが10年に一度訪れる「循環相場」です。
循環相場とは、
- 業績が悪くないのに安く売りたたかれている銘柄がたくさんある
ということで、機関投資家や海外投資家のプロによる仕掛けかもしれません。
こういったプロの投資家の手法は、欲しい銘柄を暴落のタイミングで売り浴びせ(空売り含む)、株価が業績以上に下がりきった循環相場の大底で「安く買う」ものです。
直近は機関投資家の「買い戻しの波」が始まってきていて、この瞬間こそ、個人投資家にとって億り人になるチャンスとなるのです。
循環相場(循環物色)について
循環相場(循環物色)とは、株式市場において必ず起こります。これにより、株価が全体的に上昇しやすい期間と下落しやすい期間ができ、投資対象となる銘柄や業種が次々と移り変わっていく状態になります。
コロナ後の相場は、「金融相場」でどんな株でも(好業績でなくても)上昇するイージーな投資状況でした。
通常、金融相場とは3〜5年間続くと言われていますが、コロナ後は通常時ではなくそれが当てはまらない可能性すらあります。2020年10月時点で「金融相場」→「業績相場」へと転換する兆候があります。
バリュー株の長い暗黒時代が終わりを告げつつあるかもしれないと考えられる理由には、次の通りです。
1.金利上昇は通常、バリュー株の追い風
金利が上昇すると、グロース株の企業価値評価(以下バリュエーション)はバリュー株よりも大きく低下する傾向があります。その理由は、金利上昇は投資家が将来のキャッシュフローに適用する割引率を押し上げるためです。
グロース株は長期的な利益成長から価値の大半を生み出していますが、足元では必ずしも多くのキャッシュを創出しているわけではないことが多いです。対照的に、バリュー株は長期的な成長力は低いものの、すでに潤沢なキャッシュフローを生み出しているケースが多いのです。そのため、割引率が上昇してもバリュー株のバリュエーションはそれほど大きな影響を受けずに済みます。
したがって、米国の金利が歴史的な低水準から上向きつつある場合、バリュー株の本格的な回復に向けた環境が整いつつある可能性があることを示唆しています。
2.企業業績とバリュエーションのかい離が著しい
バリュー株はグロース株よりも利益成長率が低いことが多いです。そのためバリュー株はグロース株と比べ割安な株価バリュエーションで取引されるケースが多いのです。
グロース株とバリュー株のバリュエーションのディスカウント幅が通常時より大きいと捉える場合、このディスカウント幅は正当化され、この歪みが修正される時、バリュー株は力強いパフォーマンスを示す可能性があることを示唆しています。
3.幅広いセクターで投資機会が生まれる
金融セクターや保険業など一部の業種は、金利上昇局面でパフォーマンスが良くなる傾向があります。しかし、資金は循環するもので、これらのセクター以外にも幅広い投資機会が拡大していく傾向にあります。
循環テーマ株を先に見つけておく
循環相場をうまく利用するためには、テーマ性が大切になってきます。
日本株の循環相場では、それぞれ次のようなテーマ株によって多くの億り人が誕生したようです。
■1995〜1997年
IT、採用ベンチャー
■2012〜2013年
スマホ、ゲーム
■2015〜2017年
生産性クラウド、バイオテック
2020年はテック銘柄、SaaS銘柄のテーマ性に日がついてきましたが、次の循環相場では、同じなのか、それとも他のテーマが来るのか予測して、アンテナを張っておきましょう。
■2020年以降は何が来るか?(参考)
- AI?
- ロボテック?
- 5G→6G?
- 音声認識?
- DX?
- 再バイオブーム?