最近、ニュースで「金が史上最高値」という見出しをよく見かけませんか。利息もつかないし、配当もない金より、株や投資信託の方が魅力的に見える人も多いと思います。
ここで一つ質問です。
あなたの給料、10年前と比べて何倍になりましたか?
多くの人は1.1倍とか1.2倍といったところでしょう。一方、こんな比較があります。
| 比較対象 | 当時の価格 | 現在 | 変化 |
|---|---|---|---|
| マクドナルドのチーズバーガー(1970年代) | 約20円 | 約400〜500円前後 | 約20倍 |
| 都内マンション(金換算) | 約7kg相当 | 今もおよそ7kg前後 | ほぼ変わらず |
面白いのは下段です。マンションの値段そのものは何倍にも上がって見えますが、金の量で測ると、30年前とほとんど変わっていません。変わったのはお金の側であって、金(ゴールド)の側ではなかった、ということです。
- なぜ金だけが「変わらない価値」を持ち続けているのか
- その裏側にある宇宙物理学の話
- 世界の中央銀行が今、静かに金を買い集めている理由
- 初心者が無理なく金に触れる方法
50年後も「同じものが買える」資産を、ポートフォリオに少しだけ取り入れてみる。それが、ニュースの中の出来事を、自分自身の資産の話に変える第一歩です。

あなたのポートフォリオに、宇宙が作った資産はありますか?
👇サクソバンク証券で口座開設を検討する場合はこちら
\米国株から欧州株、中国本土、香港株まで11,000以上!/
金だけが、地球上でどうしても「作れない」理由
星には「鉄の壁」がある
星が光るのは核融合という現象によるものです。水素のような軽い元素同士がくっつき、より重い元素へと育っていきます。
星は、水素から鉄までの軽い元素を効率よく生産しています。しかし、陽子の数が26個を超えると(鉄を超えると)、エネルギー的に効率が悪くなります。
つまり鉄を超えてさらに重い元素を作ろうとすると、今度はエネルギーを吸い取られてしまう。星はそこで力尽きてしまいます。これが「鉄の壁」です。
答えは2017年、宇宙からの一撃
それでも金は実在します。その答えが見つかったのが2017年です。
2017年10月16日、激しくかつ可視光で観測できる爆発によって引き起こされた重力波が初めて観測されたと発表されました。うみへび座の方向1億3800万光年彼方の銀河から発せられたこの信号は、中性子星同士の合体で発生した初の重力波検出であることが判明しました。
中性子星とは、太陽1個分を超える質量を直径約20kmという都市サイズに凝縮した、超高密度な星の残骸です。中性子星は直径約20kmで質量が太陽の40%を超えるような超高密度天体です。
そんな天体同士が正面から衝突したとき、金やプラチナなどの重い元素が作られてキロノヴァと呼ばれる増光が起こります。
つまり地球上の金は、すべて星の衝突の破片だということです。
なぜ「金を作る」より「掘る」方が安いのか
現代の技術でも、理論上は金を人工的に作れます。ただ、出来上がる金より製造コストの方がはるかに高くつくため、実質的には増やせません。
ここがダイヤモンドとの違いです。
| ダイヤモンド | 金 | |
|---|---|---|
| 正体 | 炭素(宇宙にありふれた元素) | 鉄より重い元素 |
| 人工生成 | 工場で天然と同じものを量産可能 | コスト的に実質不可能 |
| 価値の源泉 | 主にブランド・カット | 物理的な希少性そのもの |
「お金が薄くなる」のに、金が薄くならない理由
- 金は6000年以上にわたってお金としての最も長い歴史を持っています
- 国連(United Nations)によって通貨として認識されています
- 政府通貨の代替通貨
- 政府通貨と異なり、操作できません
- 商品と通貨のどちらとしても扱われる
味噌汁の鍋に、毎日水を足すとどうなるか
私たちが使う紙幣やデータは、それ自体に価値があるわけではなく、政府への信用で成り立っています。日銀が国債を買うとき、その代金はいわば「空気」から作り出されています。
これを大きな鍋の味噌汁だと考えてみてください。鍋に毎日水を足せば、量は増えますが味はどんどん薄くなります。チーズバーガーが20倍になった裏には、こうしてお金そのものが薄まっていった事情があります。
「でも給料も上がっているし」と思うかもしれません。ただ、給料の上昇速度とお金が薄まる速度は、必ずしも一致しません。一方、金の量は宇宙の物理法則で決まっていて、誰にも増やせません。
- これまで人類が掘り出した金:約17〜18万トン
- 地中に残っている金:約6〜7万トン
供給が限られているものは、価値が大きく失われにくい。これが原則です。
2022年、世界が気づいてしまった現実
きっかけは2022年のロシアによるウクライナ侵攻でした。ロシアが海外に持っていたドル建て資産は、アメリカの判断で即座に凍結されました。
ドルでの決済は最終的に必ずアメリカの金融システムを経由します。つまり、アメリカの号令一つで、他国の資産の動きを止められるということです。
世界各国はこう気づきました。「ドルの準備高は、結局は他国の帳簿上の数字でしかない」と。実際、世界の外貨準備に占めるドルの割合は、かつての70%以上から57%程度まで下がっています。
代わりに増えているのが、自国の金庫に保管できる金です。
| 国 | 金保有量(推定) |
|---|---|
| アメリカ | 約8,000トン |
| 中国 | 約2,000トン |
| 日本 | 約800トン |
自分のお金が他人の判断で凍結されるとしたら、どう備えますか?
世界が「人間の約束」から「物理法則が裏付ける価値」へ舵を切り始めている、というのが今起きていることの本質です。
金価格、米実質金利と米ドル指数の推移

※世界恐慌の期間は各種資料、研究に基づく。
※金本位制の期間は英国の金本位制離脱に基づいて記載、他の国は異なります。
※通貨価値の計算は金利を考慮していません。
出所:Global Financial Dataのデータを使用
金にもリスクはある。それでも、少しずつ取り入れるという選択
- 金は、それ自体に価値があるため資産としての価値が安定しています。(国が破たんした時などに紙切れになるおそれのある紙幣とは違い、安心して持っていられます。)
- 金を購入しておくことで、有事(戦争・紛争)の際に資産の目減りを防ぐことができる。
- 金は、価値が安定しているが故に、キャピタルゲインは高望みできない。(過去70年間で2.8倍にしかならない)
- 資産を増やすことができないため、NISA/つみたてNISA口座などの非課税運用に投資枠を使ってしまうことは、あまり得策とは言えません。
金が苦手な場面もある
良いことばかりではありません。
- 金利が積極的に上がっている時期は、金は苦手(金利・配当を生まないため)
- 現物保有は盗難・災害リスクと保管コストが発生する
一方で、株式市場が大きく下落する局面でも、金の下落幅はそれよりかなり小さく収まる傾向があります。守りの資産として機能しやすい、という特徴です。
タイミングより「量」で考える

「いつ買うか」を気にしすぎないという付き合い方があります。価格ではなく、グラム数・キロ数という量で資産を捉えると、先ほどのマンションの例のように、長期では「変わらない価値」を保ち続けてくれます。
実際、金を扱う文化が根付いた地域では、結婚や出産といった節目に金を贈る習慣があり、価値を保存する手段として日常に溶け込んでいます。
少額から、無理なく始める方法
現物の金地金やコインだけでなく、純金積立・ETF・CFDなど、少額から金に触れる方法は増えています。
サクソバンク証券では、金関連のETF・ETN CFDや貴金属CFDを取り扱っています。
外国ETF/ETN CFDの必要証拠金率は10%~となっており、購入資金全額が必要となる現物取引と比べ、小額で最大レバレッジ10倍まで取引が可能です。貴金属には限月がないスポット銘柄と、限月がある先物銘柄の両方が存在し、運用方針に合わせて選べます。
保管場所に困る現物のデメリットを避けつつ、少額から金との付き合い方を試したい方には、検討に値する選択肢です。
[サクソバンク証券:金(ゴールド)関連商品はこちら]
\米国株から欧州株、中国本土、香港株まで11,000以上!/
金とビットコイン、共通する一つの思想
最後に少しだけ。ビットコインは発行量がアルゴリズムで決められ、誰にも勝手に増やせません。「デジタル・ゴールド」と呼ばれる理由です。
金は物理法則、ビットコインはプログラムによる裏付け。仕組みは違いますが、「人間の都合では増やせない価値」という思想は共通しています。この比較は、また別の機会に詳しく掘り下めます。


-1-scaled.jpg)
