コロナショックや、石油の先物取引などがトリガーとなって、株式相場は10年ぶりの激しい値動きになっています。
株式投資は全て自己責任の世界で、株価が上がるか下がるかが誰にも分からないのは基本原則なのは当然のことですが、高値づかみ(高くかって安く売ること)を避け、底値を見極めて出来るだけ安く買って高く売るにはどうしたらいいのでしょうか?
この記事では投資初心者のために、株式投資を行う上で必要な最低限の知識をまとめています。
【分析の基本】3種類の株価分析方法
株価の分析方法にはファンダメンタルズ分析、テクニカル分析、アノマリー分析の3種類の分析方法に分けられます。
ファンダメンタルズ分析とは
ファンダメンタルズ分析とは、簡単に言うと「企業の業績や資産」や「世の中の動向」から株価を間接的に予測する方法です。主に下図のような指標を元に分析します。
長期投資での企業が右肩上がりになるのか(長期投資すべきかどうかの指標)の判断材料に使用します。
通常株価は半年から2年先の未来をすでに反映していると言われています。
逆に言うと、よほどの緊急事態がない限り予測不能の動きはしないと言えます。下記の図は、株価の急激な変化を伴う事象の例です。
テクニカル分析とは
テクニカル分析とは、相場予測をするときに、下記のチャートを使って様々な角度から相場を分析することを言います。主にデイトレード、スイングトレードなどの短期トレードに用いられますが、長期投資でも参考になります。
株式相場を確認するためにチャートが使われますが、主によく使われるチャートとしては下記の2種類のものがあります。
ラインチャート
ラインチャートは終値のみを表示したシンプルなラインのチャートです。余計な情報が排除されているため、大きな景気感を確認するのに適しているチャートです。
ローソク足チャート
日本の米相場生まれの一番使われているチャートです。世界的にもキャンドルスティックの名称で人気があり、ローソク足チャートと移動平均線、出来高の3つを見れれば十分です。
人気の理由は、最低限の図形の中にたくさんの情報が詰まっており
、相場の動きが把握しやすいという特徴があります。
実際の株価の動きには下記のようなことが言えます。
株式相場というのは、経済の専門家でもなくアナリストでもなく投資家が決めています。
日本株式市場における投資家の割合は下記のようになっています。
株式市場における、8割が銀行や保険会社、ファンドなどの機関投資家になっていることがわかります。
アノマリー、格言とは
アノマリー、格言とは、理論的根拠があるわけではないが、歴史的によく当たる相場での経験則のことで、相場格言として伝えられているものが数多くあります。
有名なものでは、「セル・イン・メイ(5月に株を売れ)」や「落ちてくるナイフは掴むな」などがあります。
ここからは、何十種類もあるテクニカル分析の中から厳選したプロの投資家がやっていて「初心者にもできるトレンドの見極め方」をチャートを使って具体的に解説します。
また、この記事でのチャートはTrading viewという無料でも使える便利なサービスを利用しています。
暴落時の富裕層の動向
コロナ渦の3ヶ月で米富裕層の資産は63兆円も増加したと報道されています。
下のグラフは、総務省の家計調査から作成したもので、株式市場における個人投資家の動向が分かります。
年収別有価証券購入量推移
年収1500万円以上の富裕層(オレンジ線)は、株価が下がったところで買っていることがわかります。特に2020年3月4月で多く投資されていて、これが他の収入層と大きな格差に繋がっています。
富裕層のそのほかの支出動向
下の3つのグラフから、下記の富裕層の動向が読み取れます。
まずは、暴落が起きるパターンはどんなものか知っておきましょう
株に投資するときに一番の恐怖なのが、株価が下がって資産を失ってしまうことです。
最初に言っておきたいのが、投資する上で、暴落などで「含み損」を抱えることは必ず経験することで、避けて通ることができません。この理由は、暴落というのは約10年おきに必ず起きているという歴史的事実からくるものです。
一番怖いのは、知識も経験も予見もないまま暴落を経験すると、暴落時にパニックになってしまい底値で売ってしまういわゆる「狼狽売り」になりかねないからです。
一番怖いのは、知識も経験も予見もないまま暴落を経験すると、暴落時にパニックになってしまい底値で売ってしまういわゆる「狼狽売り」になりかねないからです。
その「耐性」をつけておくために、まずは暴落というのは歴史上必ず回復するもので、長期的に見れば右肩上がりで(日経平均除く)世界の経済はよくなっていく事を信じるのであれば、この考えが未来にも受け継がれる事を知っておきましょう。
暴落が起きるパターン
暴落が起きるパターンとして大きく下記の2パターンが挙げられます。
バイイング・クライマックス
暴落が起きるときのケースとして、図にあるような上昇相場かつバイイング・クライマックスという山が形成されるケースが多いです。上昇相場にある場合で、急激な上げがあったら警戒しましょう。
地震タイプ
もう一つは、上下振動激しくなってきてから暴落するパターンです。どちらも、暴落直前で値動きの上下間隔が詰まってきてからの下落になっています。
地震の振動に少し似ている気もします。
暴落底値のよくある4パターン!底値を見極めてからの買い出動が鉄則です!
逆三尊(ヘッド・アンド・ショルダー・ボトム):ITバブル、リーマンショック
上図のように、3回の逆さ山を形成している底値形状を、逆三尊(ヘッド・アンド・ショルダー・ボトム)と言います。
逆三尊(ヘッド・アンド・ショルダー・ボトム)変形:2018年クリスマス暴落(米指数)、チャイナショック(日経平均)
リーマン・ショックについては特殊で分かりづらいかもしれませんが、ヘッド・アンド・ショルダー・ボトムの変形で3つの山の最後が最底値をつけているパターンです。
W底:チャイナショック(米指数)、リーマンショック(日経平均)
上図のように下値に2回つけてその後上がるパターンをW型といいます。基本的には、大暴落の時にはあまり見られず、軽い下げを形成する時に多くみられます。
もう少し深掘りしたテクニカル分析方法は、下記の記事で紹介しています。