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■ ロイヤリティー・ファーマ社について ■
ティッカー | 【RPRX】 |
会社名 | Royalty Pharma plc |
セクター | ヘルスケア製薬特許 |
設立 | 1996年 |
上場 | 2020年 6月 |
CEO | Pablo Legorreta氏 |
時価総額 | 22.5Bドル(億円) |
本部 | アメリカ合衆国 |
従業員数 | 35人 |
銘柄 | 株価(12/1) | 52週高値 | 52週安値 |
---|---|---|---|
ロイヤルティ ファーマ A(RPRX) | 42.78ドル | 56.50ドル | 34.80ドル |
元ラザードの投資銀行家とヘルスケアの株式アナリスト数名による医薬品ロイヤルティに投資する会社です。
開発中や開発済みの医薬品に 関してロイヤルティを受け取る権利を取得してポートフォリオを組み、受け取ったロイヤルティで新たな医薬品や医薬品候補に投資して、 キャッシュフローの成長を目指します。
1996年の創業以来、医薬品のロイヤルティ取得に180億ドルの資金を提供し、19年12月期末のロイヤルティ・ポートフォリオは、販売中の医薬品46個と開発後期の候補薬3個からなります。
引用:SBI証券
『需要』市場・マーケット
医薬品業界のニーズ
医薬品を開発して上市まで持っていくには場合によっては数百〜数千億円の開発費となる事もあり、単独の医療機関やバイオベンチャーのみでは中々難しいビジネスです。
さらに、リスクも高いので大手医薬品会社ですら自前で全てを開発する訳ではなく、ある程度開発が進んだ医薬品の特許をM&Aなどにより取得するという事が多く行われています。
そのような業界構造もあり、大切な特許の一部を売ってでも上市に向けた資金を手にしたいというのは開発側からしても大きなニーズがあります。
高いマーケットシェア
投資額とそのマーケットシェアは徐々に上がっており、2012〜2019年の間の米国における医薬品ロイヤルティ取得の60%以上がRoyalty Pharmaによるものです。
『供給』サービス・商品
投資対象
投資対象としては、医薬品の特許であれば何でも良いという訳ではなく、基本的には上市(販売)できることがほぼ間違いない特許への投資を行っている様です。
承認前の医薬品に投資し始めたとは2012年以降で、ある程度実績が出てきてロイヤルティのCF(キャッシュフロー)が安定的に回り始めたタイミングで、リスクの高い承認前の医薬品にも投資をし始めたという事の様です。
ポートフォリオ
ポートフォリオは45種類の医薬品特許があり、2020年2QのRoyalty収入の金額は上位4カテゴリーで60%以上を占めています。
下の図は医薬品業界でブロックバスターと呼ばれる、1製品で年間1億ドル以上の売上となる製品のうち、Royalty Pharmaが投資しているものを並べたものになります。
上図は上場時の資料で、そのタイミングではポートフォリオ全体で45個の医薬品があるのですが、その内22個の製品がブロックバスターとなっています。
投資額の推移
2012年以降の投資額の推移は以下の様になっています。
ビジネスモデルの進化
以下の先日の決算発表資料を見て分かる通り、7年おきにビジネスモデルの変化点があったようです。
- 〜2003年 Equity Only(会社の株主のみの資金で投資)投資額:0.3億ドル(7年間)
- 2004年〜2011年 外部の投資家からも資金を預かって運用 投資額:5.1億ドル(7年間)
- 2012年〜2020年 更なるリターンの向上を目指して承認前の医薬品への投資も追加 投資額:13.9億ドル(7年間)
- 2020年以降 2020年にIPO上場を果たしたことで、資金力が更に向上し、実際これまでの投資は2019年の2.3億ドル/8件が最大ですが、今年は8月時点で既に2億ドル/6件に達しており、投資が更に加速していることが伺えます。
- ※上記の4件のほかに、2020年1Qに0.27億ドル/2件の投資を実行しています
承認前医薬品への投資シェア
上場時点では、承認済みにステータスが97%で、未承認の医薬品への投資は3%分のみとなっています。
リスク/リターンのバランス=未承認医薬品に6億ドル投資(内0.3億ドル約5%が回収不可)
顧客
特許の買い取り先は、以下の図の様に研究機関/医療機関、バイオスタートアップや大手製薬会社など様々な取引先があります。
売上構成・ビジネスモデル
ロイヤリティー・ファーマ社はヘルスケア/バイオ株としてくくられていますが、ビジネスモデルとしては投資ファンドの形態をとっています。医薬品の研究機関や医薬品メーカーに対してお金の支援を行ったり、特許権の全て又は一部を買い取ったりして、その代わりに完成した医薬品の将来の収益の一部を貰う(ロイヤリティ)ビジネスモデルとなっています。
大量の研究員や設備を抱え、製品開発のリードタイムも数年〜10年間かかり成功するかどうかも分からない通常の製薬会社に対し、リスクの少なく利益率の高いビジネスをしていると言えます。
まとめ)ロイヤリティー・ファーマ社の強み
バイオ医薬品企業から特許技術を買い取り、後にその技術をライセンス提供して儲けるユニークなビジネスモデルです。
同社の従業員はほとんどが金融出身のプロフェッショナルであり、売上が1.8億ドル規模であるにも関わらず従業員はわずか35名少数精鋭で非常に収益性の高い会社と言えます。
投資リスク
ロイヤリティーの期限切れリスク
典型的なロイヤリティー(特許)の期限は15年となっており、2019年度は、大型薬「テックフィデラ」「ヒュミラ」「レミケイド」が相次いで期限切れとなり、売上が減少しました。
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1) 増収増益か?
売上について
ロイヤリティー・ファーマ社のコストはほとんどがこれらのプロフェッショナルへの人件費と、借入の金利であり、大きな資産も無いため、非常に体の軽い会社となっているのが特徴です。
2015年から2019年までの過去の業績推移
- 2019年には売上・利益共にかなりの減少(経常利益はマイナス30.7%)
- これは、Humira(売上5億ドル)とRamicade(売上1.2億ドル)のロイヤルティ契約が切れ、またTecfidera(0.75億ドル)の研究開発のマイルストンベースの巨額の支払いが終了し2019年は1.5億ドルのみの売上となってしまった事が要因です。
- 2020年のガイダンスはAdjusted Cash Flowのみ出されていますが、前年比+7.6%となっており、そこまで大きな増益ではありません。
Q1 2020
収益:511M(GAAP)
純利益:602M(GAAP)
CF:369M(Non-GAAP)
希薄化後のEPS:0.99=602M÷607M
Q2 2020
四半期ベースではYoYで売上が24%増加、営業利益が47%増加と直近はかなり業績が良いことが見て取れます。
利益について
ロイヤリティー・ファーマ社の利益の見方は、通常の企業の損益通算書と勝手が異なります。
1番シンプルな理解の仕方としては、「修正キャッシュフロー」という項目が「純利益」にあたります。
2019年の「修正キャッシュフロー」の額は、1.63Bドルでしたので儲かっていると言えます。
2) 株価チャートが持続的な上昇トレンドか?
下図の通り、IPO後の最高値56.5ドルから継続して下降トレンドになっていましたが、カップウィズハンドルを形成するように上昇局面に入っていましたが、値崩れを起こし30ドル台後半でヨコヨコしています。
RPRXは他の銘柄が上がってる時に下がったり独特の値動きとなっています。
しかし、これは「安いのではなく人気がない」とも考えられ、、儲かるんだろうけど、既に完結してしまってるようにもとれます。
じっちゃまによると、将来的にはVISAのようなチャートを形成するのではないかと言うことです。
3) 時価総額が比較的小さいか?
2020年9月の時価総額:24.37Bドル
4) PER(株価収益率)が高いか?
PER:19倍
- 現在の株価は45ドルほど
- 時価総額は27.7億ドル
- 経常利益はガイダンスベースで1.7億ドルほど
法人税20%引き後のざっくり計算で1.4億ドルほどの(実質的な)純利益と考えられます。
そこから考えると(実質的な)PERは19.7倍と計算する事ができます。個人的にはフェアバリューという観点では、現在の株価はちょっと高いかなという印象です。
Q2の利益成長率47%がずっと維持されるのであれば、むしろ安いくらいなのですが、通期で見ると僅か7%強ほどしか成長しない事と、2021〜2023年の間にいくつかの大型ロイヤルティ切れが予定されていますので、0.3〜0.4億ドル 規模の減収・減益が想定される事になります。その辺りの不透明さも勘案する必要があります。
IPO時の公開価格は28ドルですので、その株価が維持されていたと考えるとPER12.2倍くらいが適正価格で、今の株価だと素直に買い入れない感覚です。
IPO直後の時価総額は下記の通りです
・時価総額:16.7億ドル(1670億円)
・売上$1.9B、利益$2.1B
・公開価格:28ドル
・初値:44ドル
・2.2億ドル調達、初日59%上昇
5) 将来の「成長ストーリー」は良好か?
グローバルの医薬品市場については、グローバルのここ数年のGDP成長率2〜3%を大きく上回るペースでの7%市場成長が見込まれています。また、市場規模としても2019年時点でも90兆円ほどの市場規模となっており、有望な市場であることが分かります。
世界全体の人口の増加、平均寿命の伸び、コロナ等の感染症の広がり、新興国での所得の増加、新興国での生活習慣病のなど増加など、医薬品業界にとっては成長要因が数多くあり、2024年以降も大きな成長が見込めます。
医薬品業界の構造については今後もあまり変わらないと思われますので、Royalty Pharmaの様な会社のニーズが全くなくなる状況はあまり想定されず、むしろ新興国への展開拡大に向けた更なる資金ニーズも想定され、Royalty Pharmaにとっては諸々追い風となる市場環境だと考えるのが自然です。
RPRXはテンバガーを達成した「ビザ(V)」と同じ要素を持つ銘柄と言われています。
この銘柄は金融投資会社の銘柄なので、最低でも12回の4半期決算(3年間)を1度もミスする事なくクリアしていくだけでなく、決算内容が良好なことを注視し続ける必要があります。
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