このページでは、暗号通貨オプティミズム（OP）の特徴について解説していきます！
- Ethereum上の「レイヤ2」ブロックチェーン
- トランザクションスピードとセキュリティを向上させることを目的
- 非営利団体Optimism Foundationが主導
- 時価総額は70位くらい（2023年Q1時点）
オプティミズム（OP）とは？
オプティミズム（OP）は、Ethereumの上に乗っているレイヤ2ブロックチェーンで、暗号資産用のオフチェーン・トランザクション・プロトコルです。
オフチェーン・トランザクション・プロトコルは、Ethereumのような公式ブロックチェーンを介してトランザクションを送信する代わりに、オフチェーン上でトランザクションを処理してから、最終的に公式ブロックチェーンに公開することで、トランザクションスピードとセキュリティを向上させることを目的としています。
オプティミズム（OP）はEthereumメインネットのセキュリティの恩恵を受け、楽観的ロールアップを使用することでEthereumエコシステムの拡張を支援します。つまり、取引はオプティミズム上で信頼性を持って記録されますが、最終的にはEthereum上でセキュリティが確保されます。
オプティミズム（OP）は、5億ドル以上のTVLを持つEthereumの最大のスケーリングソリューションの1つで、97のプロトコルがあり、最大のものはデリバティブ取引所のSynthetix（SNX）、DEXのUniswap（UNI）、AMMのVelodrome（VELO）です。
ユーザーは、自分のメタマスクにチェーンを追加し、ETHなどのトークンをL2にブリッジすることで、Optimismでの旅を始めることができます。2022年5月31日、OptimismはOPトークンのエアドロップを実施しました。
オプティミズム（OP）のファウンダー
オプティミズム（OP）は、Optimismエコシステムの成長を目的とした非営利団体Optimism Foundationが主導しています。Ethereumと同様に、Optimismは利益志向ではない完全分散型の公共財となることを目指しています。
Optimismは完全に寄付と助成金で賄われており、公共財の成長と持続可能性を促進するインフラを作り出すことを誓約しています。
オプティミズム（OP）の設計プロセス
Optimismは、4つのコアとなる信条を中心に設計されています。
- シンプルさ
- プラグマティズム
- 持続可能性
- Optimism
Optimismは、Ethereumのレイヤーツーソリューションを構築する際に、最小限の可動部品数を目指しています。実際には、これは可能な限り実績のあるイーサリアムのコードとインフラを使用することを意味します。そのため、Optimismはコードを可能な限りシンプルに保ち、既存のコードベースと直接連携することを目指します。
エコシステムはさらにプラグマティズムを強調し、自身のチームとエコシステムに関わるユーザーの実世界のニーズと制約によって駆動されます。それゆえ、Optimismは反復的に構築し、EVM等価性のような機能を徐々に実装することを目指します。
Optimismの設計プロセスは、長期的な持続可能性とスケーラビリティのための近道をしないという考えに基づいて構築されています。そのため、楽観的なロールアップを使用し、ネットワークを拡張するためにイーサリアムのコンセンサスメカニズムを利用しています。
ブロックはL2（Optimism）で構築・実行され、ユーザートランザクションはL1（Ethereum）にバッチアップして送信されます。L2にはメンプールがなく、トランザクションは即座に受理・拒否される。これにより、スムーズなユーザー体験が保証されるとともに、Ethereumのコンセンサスメカニズムによるセキュリティが確保されます。
取引は有効性を直接証明することなくイーサリアムに提出され、一定期間（現在は7日間）チャレンジすることができます。その後、取引は最終的なものとみなされます。OptimismからEthereumへの出金に7日間かかるのはそのためです。
オプティミズム（OP）のトークノミクス
Optimismは、3つの構成要素に価値が生まれるようなエコシステムを作ることを目指しています。
トークン所有者は、シーケンサー収益の生産的な再展開を通じて価値を受け取ります。
貢献者と建設者は、遡及的な公共財の資金調達から価値を受け取ります。
ユーザーとコミュニティのメンバーは、継続的なエアドロップとプロジェクトのインセンティブから価値を受け取ります。
つまり、OPブロックスペースの需要が収益を生み、それが公共財に分配され、ブロックスペースの需要をさらに高めるのです。そのため、Optimismのトークン配分は以下のようになっています。
- エコシステム資金（25％）
- ガバナンス資金（5.4％）
- パートナー資金（5.4％）
- シード資金（5.4％）
- 未割り当て（8.8％）
- 遡及的な公共財の資金調達（20％）
- ユーザーエアードロップ（19％）
- 最初のエアドロップ（5％）
- その後のエアドロップ（未発表）
- コア貢献者 (19%): Optimism Collectiveをコンセプトから現実のものにするために貢献する人たち。
- 投資家(17%)
初期トークン供給量は4,294,967,296 OPトークンで、インフレ率は年2％です。1年目には、初期トークン供給量の30%が財団に分配されます。初年度終了後、トークン保有者は、財団の年間OP分配予算を決定するために投票を行います。財団は、以下の年間配分を求めると予想されます。
2年目： 最初のトークン供給量の15 %
3年目： 最初のトークン供給量の10 %
4年目: 最初のトークン供給量の 4 %
オプティミズムのネットワークセキュリティ
Optimismは楽観的ロールアップを利用しています。
楽観的ロールアップ（OR）は、第2層のブロックチェーンにトランザクションを信頼して記録し、そのトランザクションの定期的なメルクルルートを第1層のブロックチェーンにブロードキャストすることができます。
外部のバリデーターはこれらのマルクルルートを検証し、楽観的ロールアップで稼働するレイヤーツーからの資金引き出しを遅らせます。（通常1週間程度）
オプティミズム（OP）のテクニカル分析
オプティミズム（OP）のリアルタイムチャート（日足）です。
現在のオプティミズム（OP）は2022年に上場した新しい通貨であり、上場来高値（ATH）付近となっています。市場が下落基調の時に、他の通貨に比べて底値が硬くベースを形成していました。
押し目を挟んで、継続的に上昇していく可能性を感じさせるチャートです。
オプティミズム（OP）は国内取引所では取り扱いありませんが、Bybit（バイビット）で取引可能です。
オプティミズム（OP）のロードマップ
オプティミズム（OP）は以下のような目標を達成することを目的としていると考えられています。
- Ethereum上のデプロイメント：OptimismはEthereum上でのデプロイメントを目標としており、より多くの暗号資産や decentralized finance（DeFi）アプリケーションを実行できるようにすることを目的としています。
- セキュリティの向上：Optimismはトランザクションスピードとセキュリティを向上させることを目的としています。これは、オフチェーントランザクションを使用することによって実現されます。
- スケーラビリティの向上：Optimismはスケーラビリティの向上を目標としており、Ethereumのような公式ブロックチェーンを介してトランザクションを処理する代わりに、オフチェーントランザクションを使用することでトランザクションスピードを向上させることを目的としています。
これらの目標を達成するため、Optimismは今後も開発を継続し、新しい機能や改善をリリースする予定です。
オプティミズム（OP）のダウンサイド・リスク
Optimismはまだ新しい技術であり、市場採用が進んでいないため、技術的なリスクがあります。また、オフチェーントランザクションを使用することで、一般的により低いセキュリティレベルが懸念されます。
さらに、Optimismに関連するプロトコルやインフラストラクチャが完全に確立されていないため、適切な規制や監視が不十分である可能性もあります。
最後に、暗号資産市場は高い価格の変動が頻繁に起こるため、投資リスクが高いことも指摘されます。
