「ファイザー株って、コロナで上がってたのに今なんでこんなに安いの?」
そう思って調べ始めた人も多いと思います。実は私も最初にPFEのチャートを見たとき、思わず2度見しました。
ピーク時の約61ドルから2026年現在で約27ドル前後——約55%も下落したまま低迷が続いているのです。
この記事では、ファイザー株(PFE)が下がり続けている本当の理由から、2026年以降の見通し、配当の安全性、そして「今から買っていいのか」までを、できる限り正直に・わかりやすく解説します。
投資初心者の方でも理解できるよう、難しい用語にはその都度補足を入れています。「なんとなく気になっている」という段階から「真剣に投資を検討している」人まで、ぜひ最後まで読んでみてください。
⚠️ この記事は投資の勧誘を目的とするものではありません。投資判断はご自身の責任のもとで行ってください。
ファイザー株が2022年から大きく下がり続けているのはなぜ?
Q: ファイザー株はなぜ下がっているのか?
A: COVID-19特需の終了とパテントクリフ(特許切れ)という2つの逆風が重なって、売上・株価ともに急落しました。
この一言に尽きますが、もう少し丁寧に整理してみましょう。
2021〜2022年は"バブル"だった
2021年末から2022年初頭にかけて、ファイザーの株価は約61ドルまで上昇しました。この勢いを作ったのは、言わずもがなコロナワクチン「Comirnaty」と経口治療薬「Paxlovid」です。
この2製品だけで、2022年には数百億ドル規模の売上をたたき出しました。2022年の年間売上高は約1,012億ドル(過去最高)。会社の歴史の中で、これほど短期間にこれほど大きな収益を上げたことはありませんでした。
でも考えてみると、ワクチン需要はいつかは落ち着く。パンデミックが終われば、治療薬の需要も激減する。——それが分かっていても、株価はそのピークを正直に織り込んでいたわけです。
2023年に売上が41%減という衝撃
パンデミックの収束と同時に、予想どおり需要は急落しました。
2023年の売上高は約596億ドル。前年比でなんと41%減です。利益も激減し、株価は一時26ドル台まで下落。そこから現在に至るまで、株価はずっと低空飛行を続けています。
「なぜここまで下がるの?」と感じる人もいるかもしれませんが、市場はこの構造的な変化——つまり"一時的に膨らんだ特需が剥がれ落ちた"という現実を、まさに今まさに値付けしているのです。
コロナ製品の売上はまだ続いている……でも縮小一途
2025年通期のCOVID関連製品の売上はどうだったか。Comirnatyは2025年Q4でなんと35%減、Paxlovidに至っては70%減という数字が出ています。
2026年のガイダンスでも、COVID製品の売上はさらに約15億ドル減少する見込みとされています(ファイザー公式発表)。「コロナ特需はもう終わった」と言っていいでしょう。
もうひとつの重い課題——パテントクリフという時限爆弾
Q: パテントクリフとは何か?ファイザーへの影響は?
A: 主力薬の特許が切れてジェネリック(後発品)に市場を奪われる現象で、ファイザーは2026〜2028年に170〜180億ドル規模の売上リスクを抱えています。
「パテントクリフ」——聞き慣れない言葉ですが、製薬業界では避けて通れない宿命のような問題です。
ブロックバスター薬が次々と特許切れを迎える
ファイザーには「ブロックバスター(年間売上10億ドル超の超主力薬)」と呼ばれる製品が複数あります。その代表格がこちらです。
| 製品名 | 用途 | 特許切れリスク |
|---|---|---|
| Eliquis(エリキュイス) | 血栓・脳梗塞予防 | 大 |
| Ibrance(イブランス) | 乳がん治療薬 | 大 |
| Xeljanz(ゼルヤンツ) | 関節リウマチ治療 | 大 |
| Prevnar(プレブナー) | 肺炎ワクチン | 中 |
これらの特許が切れると、後発品メーカーが同成分のジェネリックをはるかに安い価格で市場に投入してきます。当然、ファイザーの売上はごっそり奪われます。
数字で見ると怖さが伝わる
- 2026〜2028年の売上リスク:約170〜180億ドル
- 2026年単年だけで約15億ドルの減収影響
- ファイザー自身が「2029年まで成長回復は難しい」と発言
これは"予測"ではなく、会社が公式に認めていることです。率直に言うと、あと数年は厳しい状況が続くと考えておくべきでしょう。
Seagen買収のコスト増も地味に響いている
2023年に完了したがん治療薬専門企業「Seagen(シージェン)」の買収は、約430億ドルという超大型案件でした。オンコロジー(がん治療)強化という戦略的な意味は大きいですが、当然コストは膨らみます。
さらに、肥満症治療薬として期待されていた「danuglipron(ダニュグリプロン)」が開発中止になるなど、パイプライン(新薬候補)の一部でつまずきもありました。
じゃあ財務自体はどうなの?バランスシートを正直に見てみた
Q: ファイザーの財務状況は今どうなのか?
A: 売上は一時より落ちているものの、フリーキャッシュフロー98億ドル・現金150億ドルと財務体力は製薬大手トップクラスです。
「株価が低迷=倒産リスク」ではありません。ここが重要なポイントです。
2025年決算の中身を見てみると
- 売上高:約626億ドル(前年比-2%、ただし非COVID事業は+6%成長)
- 調整後EPS(一株当たり利益):3.22ドル(前年比+4%)
- フリーキャッシュフロー:約98億ドル(2023年比2倍超に回復)
- 手元現金:約150億ドル
- Debt/Equity比率:0.65倍(財務レバレッジは低い=借金が少ない)
特に注目したいのが、非COVID事業が+6%成長していること。Abrysvo(RSVワクチン、+136%)、Padcev(がん治療薬、+15%)、Eliquis(+8%)など、主力の非コロナ製品がしっかり伸びています。
配当は本当に大丈夫?
これが一番気になるところですよね。
現在の配当利回りは約6.3〜6.45%。年間1.72ドルの配当を、16年連続で維持しています。
「報告ベースのEPS(1.36ドル)より配当(1.72ドル)の方が多い!これは危険じゃ?」と思った方、鋭いです。ただ、これには理由があります。報告EPSにはリストラ費用(11億ドル)や減損などの一時的な特別損失が含まれているためです。
調整後EPSベースで見ると配当性向は約53〜58%、フリーキャッシュフローベースでは約40%台——つまり、収益力に対してまだ余裕があります。会社も「配当維持」を公式に宣言しています。
バリュエーション(株価の割安・割高)の評価
- Forward P/E(来期予想PER):約9倍(製薬業界平均の半分以下)
- EV/EBITDA:約7.4〜7.7倍(3年平均を下回る割安水準)
市場がこれだけ割安に評価しているのは、パテントクリフやCOVID特需の喪失というリスクを"すでに織り込んでいる"からです。逆に言えば、悪材料は株価に相当程度反映されているとも言えます。
CAN-SLIM視点で斬る——PFEは成長株?それともバリュー株?
Q: CAN-SLIM分析でファイザー株はどう評価されるか?
A: 典型的な成長株ではなく「配当重視の割安バリュー株」に分類されます。C・A・Lが弱くN・Iが強い構造です。
CAN-SLIMとは、米国の著名投資家ウィリアム・オニール氏が提唱する株式選別法です。7つの要素(C〜M)で銘柄の投資タイミングを評価します。
C・A(利益成長)は弱い
- 2025年Q4の調整後EPS成長率:+5%(CAN-SLIMの基準は+25%以上)
- 2026年ガイダンスのEPS:2.80〜3.00ドル(前年比微減)
成長株の定義からはかなり遠い数字です。COVIDバブル崩壊後の調整が続いている以上、当然と言えますが。
N(新製品・新展開)は強い
ここは注目ポイントです。
- Metsera買収:超長時間作用型GLP-1肥満症薬でPhase2b良好な結果
- 2026年に約20件のピボタル試験開始(肥満症10件含む)
- オンコロジー領域のADC(抗体薬物複合体)新薬:PF-08634404
- YaoPharmaとのライセンス契約など
GLP-1市場とは、ノボノルディスクの「オゼンピック」やイーライリリーの「マンジャロ」で爆発的に拡大している肥満症・糖尿病治療薬の分野です。ファイザーはここへの本格参入に動いています。
I(機関投資家保有)は非常に強い
- 機関投資家保有比率:65〜71%
- Vanguard(9.5%)、BlackRock(8.7%)、State Street(5.3%)など大手が大量保有
- 直近12ヶ月:買い越し優勢(2,130機関が買い増し)
これはファイザーを見捨てている大口投資家が少ないということを示します。
L・Sは普通〜弱い
発行済み株式数が約56.9億株と大型のため、株価が急騰しにくい構造です。相対的な株価強度(RSレーティング)も業界中位で、Eli LillyやMerckと比べてアンダーパフォームが続いています。
今後の見通し——2026年は我慢の年、反転は2029年以降か
Q: ファイザー株の今後の見通しは?いつ回復する?
A: 短期(2026〜2028年)はパテントクリフと特需消滅で厳しく、会社自身が2029年以降を「回復期」と位置づけています。
正直なところ、明るい見通しを語れる局面ではまだありません。でも、だから「終わった会社」かというと、そんなことも言い切れない。その複雑さが、このセクションの核心です。
2026年ガイダンスを読み解く
ファイザー自身が2026年に示したガイダンスは以下の通りです。
| 指標 | 2026年見通し |
|---|---|
| 売上高 | 595〜625億ドル |
| 調整後EPS | 2.80〜3.00ドル |
| COVID製品売上 | 約50億ドル(さらに減少) |
| 非COVID/非LOE事業成長 | +4% |
アナリスト予想をやや下回る内容で、発表後に株価は下落しました。「期待を裏切った」というより「回復の加速を期待していた市場が肩すかしを食った」という感じです。
コスト削減が進んでいる点は評価できる
一方で、経営効率化は着実に進んでいます。
- 2027年までのコスト削減目標:約77億ドル
- SI&A(販売管理費)を125〜135億ドルに圧縮中
- 2025年のリストラ費用は先行投資ともいえる
2029年以降の回復シナリオ
ファイザーのCEOであるAlbert Bourla氏とCFO David Denton氏は公式の場でこう述べています。「2028年を過ぎればLOE(特許切れによる損失)の大半が終了し、2029年以降にトップライン(売上)が加速する」「decade末に業界をリードする成長を目指す」と。
その根拠となる成長エンジンが3つあります。
①オンコロジー(がん治療):現在の売上構成の約27%を占め、Padcev・Lorbrena・Braftovi拡大+Seagenパイプライン。
②肥満症(GLP-1市場):Metsera買収で超長時間作用型の薬剤を確保、2026年以降に複数の試験結果が出る。
③ワクチン・その他:Abrysvo(RSV)やVyndaqel(心筋症)など。
ライバルと比較してどうか
| 比較項目 | Pfizer(PFE) | Eli Lilly(LLY) | Merck(MRK) |
|---|---|---|---|
| 株価パフォーマンス(1年) | 低迷 | 高成長 | 中程度 |
| 配当利回り | 約6.3%(高い) | 約0.7%(低い) | 約3.5%(中程度) |
| Forward P/E | 約9倍(割安) | 約30倍(割高) | 約12倍 |
| 成長期待 | 2029年以降 | 今すぐ高い | 中程度 |
| パテントクリフリスク | 大(2026〜2028年) | 小〜中 | 中(Keytruda問題あり) |
Eli Lillyは肥満症治療薬GLP-1で絶好調ですが、株価はすでに割高です。一方ファイザーは今まさにその「GLP-1市場」への参入を進めている最中。株価が低い今が"仕込み時"になるかどうかは、パイプラインの成功次第です。
結局、ファイザー株は「買い」なのか「見送り」なのか
Q: ファイザー株(PFE)は今買っても大丈夫?
A: 配当目的の長期保有なら検討余地あり、成長重視なら2026年の臨床試験データを確認してから判断がおすすめです。
投資に「絶対」はありませんが、投資スタンス別に整理してみます。
配当重視・長期保有派には向いている理由
- 配当利回り約6.3%は、現在の日本の高配当株や国内債券と比べても遜色のない水準
- フリーキャッシュフロー約98億ドルという収益力があり、配当の原資は十分
- 「16年連続配当維持」という実績と、会社の公式な維持宣言
- Forward P/E約9倍という割安水準で、悪材料がすでに株価に織り込まれている可能性
成長重視派が「今は様子見」すべき理由
- 2026〜2028年はパテントクリフがピークで、EPSの成長は期待しにくい
- GLP-1肥満症薬の臨床データはまだ途中段階
- 相対株価強度が弱く「今すぐ上がる理由」が乏しい
- より高成長なEli LillyやNovo Nordiskと競合する領域に後発参入
投資スタンス別まとめ
| 投資スタンス | Pfizer(PFE)への判断 |
|---|---|
| 高配当株を長期で保有したい | ✅ 前向きに検討可 |
| 成長株として早期リターンを狙いたい | ⚠️ 2026年の試験結果を待つ |
| インカムゲイン(配当収入)重視 | ✅ 有力候補 |
| 米国製薬セクターに分散投資したい | ✅ ポートフォリオの一角に |
| 短期トレードで利益を狙いたい | ❌ 不向き(値動きが鈍い) |
「今すぐ株価が上がる銘柄」ではなく、「配当をもらいながら回復を待てる銘柄」として見るのが正直なスタンスです。
ファイザー株(PFE)を日本から買う方法——証券会社の選び方
Q: 日本からファイザー株を買うにはどうすればいい?
A: 米国株対応の証券会社で口座を開設し、3ステップで購入できます。1株約4,000円前後から投資可能です。
PFEは米国ニューヨーク証券取引所(NYSE)に上場しています。日本から購入するには、米国株取引に対応した証券会社の口座が必要です。
ステップ1:証券口座を開設する
米国株を扱える主なネット証券はこちらです。
| 証券会社 | 米国株取扱銘柄数 | 為替手数料(買付時) | NISA対応 |
|---|---|---|---|
| マネックス証券 | 5,000銘柄超 | 0円(無料) | ✅ 手数料無料 |
| SBI証券 | 約5,400銘柄 | 25銭/ドル | ✅ |
| 楽天証券 | 約5,000銘柄 | 25銭/ドル | ✅ |
私が米国株の入口としてマネックス証券を一番おすすめする理由は、買付時の為替手数料が0円というシンプルな強みにあります。米国株投資では、株の売買コストだけでなく「円→ドルへの両替コスト」もバカにならないのですが、マネックス証券はここを実質無料にしています。
さらに、マネックス証券には「銘柄スカウター米国株」という無料の分析ツールが付いていて、ファイザーの過去10期以上の業績推移、アナリスト予想、ニュースなどを一画面で確認できます。「どうやって銘柄を分析すればいいかわからない」という初心者にとっては、これだけで十分な武器になります。
また、初回入金から20日間(現地営業日ベース)は米国株取引手数料が最大250ドルまで無料になるスタートキャンペーンも実施しています。
ステップ2:口座に入金してドル転する
口座開設後、証券総合取引口座に日本円を入金します。マネックス証券なら「日本円から買付」機能を使えば、自動でドルに換えてくれるので為替操作は不要です。
ステップ3:PFEを注文する
銘柄検索で「PFE」と入力し、株数・価格を入力して注文します。現在の株価は約27ドル前後(約4,000円前後)なので、1株から購入可能です。
為替リスクについて一言
円安が進んでいるときにドル買いすると、のちに円高が来た際に為替損失が出ることがあります。一度に全額投資するよりも、数回に分けて購入(ドルコスト平均法)するのが、為替リスクを分散させる意味でもおすすめです。
よくある質問:PFEへの投資で迷ったときに確認すること
配当は減配されないの?
現時点では減配の予定はなく、会社も公式に維持を宣言しています。
ただし万が一、GLP-1パイプラインが失敗しパテントクリフの影響が想定より大きくなった場合はリスクがゼロとは言えません。FCFベースの配当性向は40%台と余裕があるため、短期的な減配リスクは低いと考えられます。
パテントクリフが怖いけど持ち続けていい?
2026〜2028年がピークと見られています。それを乗り越えた先に「本当の回復」があるかどうかが核心です。長期保有(3〜5年以上)を前提にできる方には、株価の安値圏で保有するという選択肢はあり得ます。
COVIDワクチンが終わったら、ファイザーに未来はないの?
それは過剰な悲観です。ファイザーはコロナ以前から世界最大級の製薬会社であり、1941年のペニシリン商用化以来、何度も"主力薬の時代交代"を乗り越えてきた歴史があります。
GLP-1肥満症薬とオンコロジーという2つの大市場への本格参入が次の成長軸になりえます。
まとめ:PFEはギャンブルではなく「時間をかけて回収する投資」
ファイザー株についてここまで読んでいただいたなら、もう「なんとなく怖い」という感覚ではなく、リスクとチャンスの両面が具体的に見えてきたはずです。
この記事で押さえておきたいポイントを整理します。
- 株価下落の主因:COVID特需の終了+パテントクリフのダブルパンチ
- 財務は健全:FCF98億ドル、現金150億ドル、配当性向は調整後ベースで50%台
- 配当利回り約6.3%は16年連続維持中・短期減配リスクは低い
- 短期(〜2028年)は我慢の局面:売上・EPS横ばい〜微減が続く
- 長期(2029年以降)は成長回復を狙える:GLP-1・オンコロジーがカギ
- 今の株価はかなり割安:Forward P/E約9倍、悪材料はかなり織り込み済み
「配当をもらいながらパイプラインの成否を見届ける」という姿勢が、今のファイザー株への正しい向き合い方かもしれません。
まずは証券口座を開いて、少額から試してみるのもひとつの方法です。米国株を始めるなら、買付時為替手数料0円+5,000銘柄超の取扱銘柄数を誇るマネックス証券からスタートするのが、個人的にはおすすめです。
免責事項:本記事は情報提供を目的としており、特定の銘柄への投資を勧誘するものではありません。投資はすべて自己責任のもとで判断してください。株式投資には元本割れのリスクがあります。データは2026年2月時点のものです。

