
「個人投資家というのは、ヘッジファンドや投資信託より有利である。」
— ジム・クレイマー
個人投資家が機関投資家に優位な強みを理解し、短期売買10のルールを使って効果的に投資する心構えが分かります!
1977年にハーバード大学を卒業後、地方紙の記者としてキャリアを積む。のちにハーバード法科大学院に再入学し卒業後、1987年に友人とヘッジファンドを興し、世界の38人の大金持ちの資産を預かって運用する。
その運用成績は年平均+24%一度もS&P500を下回らなかった辣腕者。
現在はTV番組『Mad Money』でホストを務め、熱血漢、派手なパフォーマンスで投資判断のアドバイスを届けている。
短期投資10のルール
1.短期売買と長期投資を混同するな
10のルールの中で、一番大事なのがこのルールです。
A株を材料・思惑で買った
↓
株価が上がらない、下げてしまう
↓
「くそっ。。じゃあ、長期投資に切り替えよう!」
「まあいっか、、このまま持ってよう」
こうなるとわかっていれば、そもそも買わないですね。
このようになってしまうのは、購入時点で短期か長期かを決めていない場合が多いです。
なぜダメなのかと言うと、それは短期と長期では購入の戦略が違うためです。
長期では、ドルコスト平均法などを用いて長期で株価が上がることを狙いますが、短期では大きな資金を投入してタイミングよく利益確定するといった方法を用います
もし、思惑が外れてしまった場合、短期投資ではダメージが大きくどんどん傷口が広がってしまうと、取り返しが非常な困難に陥ってしまいます。
短期投資では、必ず購入前にシナリオを考えて、
思惑が外れたら直ちに手仕舞いしましょう!
2.最初の損失は、最後の損失
株価とは、往往にして想定どおり動かないものです。
特に、大きな値上がり益を狙って購入した株が、逆に大きく下がってしまった場合は、すぐに「深刻な状況」と捉える事が大切です。
2回目以降の損失があった場合は、それはさらに株価が下がったことを意味して、それだけ高い勉強代になってしまいます。
プライドにこだわらず、最初の雷鳴で避難しましょう!

この教訓は身に染みて分かります。
直感に逆らった投資をしてしまったためです。
それ以降、直感を信じることを忘れないようにしています。
3.発生した損失は実現するべき
個人投資家が陥りがちなことは、含み損のことをまるで「まだ損をしていないかのよう」に考えてしまうことです。
損失が慢性化した状態から、復旧するのはすごく難しいことです。
損失が慢性化した状態から常に復旧し続ける能力や財力を備えた人間はいません。
含み損は損である
さっさと損切りして、資金を勝ち馬に回しましょう
4.欲張って持ちすぎてはならない
ジムクレイマーは以前、フィリップモーリス株で、利確していないが大きく儲けた時に、前妻(トレーディングの女神)に誇らしげにこう言ったそうです。

いやー、儲けた儲けた!

それ利確したの? 利確するまでは、利益ではないわよ。すぐ売りなさい
しかしその後も、含み益のまま保有していたフィリップモーリスは最高裁判所から、巨額の健康被害に対する巨額の賠償金支払いが下され、株価は元の値以上に下がったそうです。。

ほらみなさいよ。短期売買はしょせん短期売買。
利が乗ったまま、保有し続けるのは最低よ
利確するまでは、儲けていない

確実に得られたはずの数十万ドルの儲けから、損失で終わらせてしまった。。この損失から、教訓を学んで欲しい。
5.売って初めて儲けることができる
「4.欲張って持ちすぎてはならない」の教訓と似ていますが、
含み益のまま持っていて、「売却は罪深い」と考えてしまったり「税金がもったいない」といったアホな理由で利確を躊躇することは、バカらしいことです。
含み益はあっという間に吹っ飛んでしまいますが、確定した利益は無くなりません。
「売却は罪深い」という
洗脳から自由になりましょう
6.耳寄りな話に耳を貸すな
本物の重要な未公開情報はインサイダー取引で違法です。
もしこのような情報を保有して、漏らした途端に厳しく証券法違反に問われます。
もしその情報がニセ物ならば、その情報は無価値どころか善悪です。
巷には、このような情報が溢れ、さらにそのような情報を持ってくる人たちは、いかにももっともらしく話すプロなのです。
耳寄りな話に耳を貸さず、ホームワークをしましょう
7.損失の出ている銘柄に全力を注げ
自身のポートフォリオ(PF)で、損失の出ている銘柄があることもよくあると思います。
「あの株がなかったら、利益はどれだけ大きかったのだろうか」
「あの株で買っていたら、、」
一つでも腐ったリンゴが混じっていれば、PF全体がダメになってしいます。
損失の出ている銘柄の処理が、全体の運命を左右してしまうのです。
値上がりしている銘柄はそのままに
値下がり銘柄に対して何倍もの時間をかけ注意深く対処(損切)することが大切です。
8.全てのチャンスを取ろうとするな
相場が強い時は「あれも買わなきゃ、これも買わなきゃ」とドキドキ焦ってしまうものです。
こういった気持ちは、株式市場に「取り残される」不安や焦りからくるものですが、こういった投資はだいたい失敗に終わるのものです。
取りこぼしたチャンスがあっても、チャートの頂上を取れなくても焦る必要はありません。
「頭と尻尾はくれてやれ」といった格言があるように、欲張りすぎず冷静になることが大切です。
売りタイミングは「ちょっと手仕舞いがはやいかな」
と思うところがピークが近い
逆に、買い出動の絶好のタイミングは
相場が「最悪の状態」であることが多い
9.メディアのヘッドラインで売買するな

メディアは、企業経営に関する報道ではほとんど間違っている。
時にはそれは、経営課題を把握しない先陣争いの結果にすぎない。
メディアの報道は表面的で、全貌はじっくり時間をかけて理解しなければなりません。
投資は、全貌がわかってからで遅くない
10.相場にのる短期売買をするな
TwitterやTV番組で、「あれが来そう、これが来そう」「あれ買った、これ買った」などたくさんの投資情報が溢れています。
しかし、その人がなぜそれを買ったのか理解せずに投資してしまうのは無謀です。
ほとんどの投資動機はいい加減で、最悪なことは「売り時を教えてくれない」ことです。
他人任せの売買をすると、最終的には損をすることの方が多い
個人投資家の強み
- 本当に惚れ込んだ銘柄のみに投資できること
- 好きなタイミングで買い、短期と長期ともに追求できること
そのジム・クレイマーが言うには、ヘッジファンドはストレスが大きい、確実なだけではなく素早く儲けることを常に求められる。お金持ちは想像以上にせっかちなので、いつも投資結果を気にしていて、半年、4半期毎の報告で良かったものが最終的には毎日の吉報のみを要望されるようになってしまったという。
そういったお金持ちの顧客はファンドマネージャーに対して、相場がどうであれ利益を出すものだと思い込んでいて、常に相場より高い利益が出て当たり前だと、一ドルたりとも投資で損失を出すことは「罪悪」だと思い込んでいると。
そのようなプレッシャーの中、常に利益を出し続けるためには、家族や私生活など全てを犠牲にしなければならない。これは、割りに合わないと思って最終的にはヘッジファンドを畳んだのだということである。
そのあとに、もっとゆとりのありそうな投資信託のマネージャーに転職したが、そっちでは違ったジレンマに悩ませられた。それは、利益を出すこと以外にファンドの販売促進と絶えざる追加資金流入を受け続けざるを得なかった。
運用能力以上の資産を運用することほど、悲惨なことはないのだと。これは大数の法則と言うもので、どんどん運用資金が大きくなっていくと市場平均に打ち勝つことが至難の業になっていくのである。
その点、個人投資家の素晴らしいところは、本当に惚れ込んだ銘柄のみに投資できることである。好きなタイミングで買えるし、短期と長期共に追求ができる、まさに自由なのである!
こういったことから、個人投資家はヘッジファンドや投資信託よりも実は圧倒的な有利な立場にあり、彼らを打ち負かすことは簡単なことなんだと言うのである。
個人投資家で損をしているのは、単にルールを知らないから。市場原理に基づいたルールを守っていれば、自ずと成績はよくなる。
期待感・景況感という追い風のみで進む「ヨット株を買わず」に、内燃機関でぐんぐん進む「内燃機船株を買う」こと!

ヨット銘柄例 AAL/BA/CCL/GE
内燃機船株例 FB/AAPL/AMZN/NVDA/AMD
つまり、短期投資においても、必ず株価に中身がある銘柄に投資をするべきということです。