ETFを長期投資で積立をする上で、最もポピュラーなのが「ドルコスト平均法」として広く知られています。
ドルコスト平均法とは、一定期間ごとに一定金額で同一の投資対象を長期にわたり購入し続ける方法ですが、いざ購入する時に下記のような疑問が生まれてくると思います。
購入するタイミングによっては、お得じゃないんじゃないかしら。
買うんだったら、なるべく手間をかけずに、安く買う方法はないかしら。
実は、その直感は当たっているんです。
今回は、どういったタイミングで購入するのが1番パフォーマンスや効率に優れるのかを検証ました。
これを見ておくことで、ドルコスト平均法以上の効率の良い長期投資を実践することができます!
その理由を、最も世界の株式市場の中で基準となるS&P500指数を用いて解説していきます。
長期投資手法の比較
株式相場における-5%以上の下落の頻度
下の表は、S&P500の過去20年間分の週ベースの下落回数を示したものです。
S&P500 | 週数 | -5%以上下落 | -10%以上下落 |
---|---|---|---|
2000 | 53 | 2 | 1 |
2001 | 52 | 2 | 1 |
2002 | 52 | 3 | 0 |
2003 | 52 | 0 | 0 |
2004 | 52 | 0 | 0 |
2005 | 53 | 0 | 0 |
2006 | 52 | 0 | 0 |
2007 | 52 | 0 | 0 |
2008 | 52 | 6 | 1 |
2009 | 52 | 3 | 0 |
2010 | 52 | 2 | 0 |
2011 | 53 | 2 | 0 |
2012 | 52 | 0 | 0 |
2013 | 52 | 0 | 0 |
2014 | 52 | 0 | 0 |
2015 | 52 | 1 | 0 |
2016 | 53 | 1 | 0 |
2017 | 52 | 0 | 0 |
2018 | 52 | 3 | 0 |
2019 | 52 | 0 | 0 |
2020 | 26 | 3 | 2 |
合計 | 1069 | 28 | 5 |
- -4%以上の下落頻度は2.65回/年(20年で53回)
- -5%以上の下落頻度は1.37回/年
- -10%以上の下落頻度は0.24回/年(4年に1回の確率)
一週間で−5%以上の下落することは稀であることが分かります。
逆に言うと、4%で入らず-5%のチャンスを逃してはならないと言うことになります。
単純積立投資と一括投資−5%ルールのパフォーマンス比較
下記の図は、一括投資と積立投資の2020コロナ暴落時パフォーマンス比較(資産推移)です。
下記検証には複利の効果は入っていません。
単純なドルコスト平均法による、暴落時の一括投資のパフォーマンスの方が優れていることが分かります。
↓次に過去20年間投資した場合のシュミレーションを見てみましょう。
積立投資のみ
- 積立ルールは毎週$50のドルコスト平均法
積立投資+一括投資
- 積立ルールは毎週$50のドルコスト平均法
- 一括投資は1回あたり1年分($2,600)とします
一括投資のみ
- 一括投資は1回あたり1年分($2,600)とします
総評
個人的には、優先順位No1は積立+一括投資です。
一括投資のみの方が評価損益は高いですが、マーケット暴落時のボラティリティが高く、リスクヘッジが効かないためです。
積立投資+一括投資の実践ルール
1)積立投資を休止しない
- 積み立て先は、投資信託orETFに設定し長期積立ているものとします。
- 日、週、月ごとどの方法でもパフォーマンスに変わりはありません。
2)-5%一括投資先は積立投資銘柄と同一にする
- 一括投資額のキャッシュ・ポジションは、年間積立額の3倍〜5倍(36〜60万円)を準備します。
(ご自身の余裕に応じてアレンジしてください) - 積立額とは別に「一括購入用の資金」をプールしておく必要があります
3)個別銘柄に浮気しない
難易度およびリスクが高く、業績悪化に伴う株価下落に見舞われた場合、塩漬けになって投資元本が減ってしまうからです。
※あくまで、資金に余裕がない初心者向けに限ります
4)週間ベースで-5%以上下落したタイミングで一括投資実施
あとは週間ベースで-5%以上下落したタイミングで一括投資を確実に実践するのみです!