債券は一般的にローリスクローリターンで、クジラや機関投資家はポートフォリオに組み込むことが当たり前となっていますが、個人投資家で投資している方が珍しいのではないでしょうか。
しかし、同じ金融市場ですので、株式や仮想通貨投資においても、基礎知識として知っておくべきかと思います。
そこで、この記事では「そもそも債券ってなに?」と言う方に向けて作成しました。ぜひ、ご活用ください。
債券とは?
債券は、国や地方公共団体、企業などが資金調達のために発行する有価証券の一種です。以下は債券の特徴です。
– 利息の支払い:債券を購入すると、一定の利率で利息が支払われます。
– 償還:債券には満期が定められており、満期となる償還日には、額面金額が投資家に払い戻されます。
– リスクと安全性:債券は株式と比べて価格の変動が少なく、満期償還もあるため、リスクを抑えた投資とされます。ただし、債券の種類によってリスクの度合いは異なります。
– 購入方法:債券は証券会社やインターネットを通じて購入することができます。
債券は投資家に安定した利息収入を提供し、資金調達を行う発行体にとっては借り入れの手段となります。投資家は債券の種類や内容を理解し、自身の投資目的に合わせて選ぶことが重要です。
一般的に債券は株式よりもリスクが少ないと言われがちですが、これらのリスクは、債券の種類や発行体によって異なります。投資家は、リスクとリターンのバランスを考慮し、自身の投資目的に合わせて、そもそも債券を買う必要があるのか、どの債券を選ぶのか計画的に判断することが重要です。
債券の市場規模
債券市場は株式市場よりも大きく、債券市場の規模は全世界で100兆ドルに拡大しており、短期金利市場は債券市場の2倍、債券市場は株式市場の2倍の規模があります。
日本の株式市場の時価総額は7兆ドルであり、アメリカが41兆ドル、中国が12兆ドルと言われています(2023年現在)。
債券の種類
債券には以下のような種類があります。
- 国債:国が発行する債券。
- 地方債:地方自治体が発行する債券。
- 社債:企業が発行する債券。
- 公社債:国や地方公共団体が発行する債券。
- 事業債:民間企業が発行する債券。
- 外債:外国企業が発行する債券。
- コンバーチブルボンド:株式に転換できる債券。
- ゼロクーポン債:利息がない債券。
- インフレ連動債:インフレ率に応じて利率が変動する債券。
- ハイイールド債:信用力の低い企業が発行する高利回りの債券。
- プリファレンス株式付き債券:株式に優先的に配当を支払う債券。
- パーシップエント債:環境や社会に配慮した企業が発行する債券。
それぞれの債券には、適用利率や換金の仕組みが異なるため、目的に応じて選ぶことが重要です。
利回りと価格の関係
国債市場では、10年国債の利回りとその価格に注目されます。これらの要素は国債の特性や経済の動向を理解する上で重要です。
利回りの基本
10年国債の利回りは、その国債が発行された時点での利率を示します。日本の場合、0.6%の利回りは、国債を購入した投資家が1年間で0.6%の利益を受け取ることができることを示しています。この利回りは、債券価格と逆の関係にあります。利回りが上昇すれば、国債価格は下落し、逆に利回りが低下すれば、国債価格は上昇します。
債券価格の変動
債券価格は、利回りの変動に影響を受けます。例えば、発行時に100で発行された国債が、利回りが上昇した場合に価格が95に下落すると、投資家は実際には100で購入した国債を95で売ることになり、5の損失が発生します。逆に利回りが低下し、国債価格が105に上昇すれば、同じ国債を105で売却でき、5の利益が生まれます。
利回りと価格変動の要因
10年国債の利回りと価格変動には、以下のような要因が影響します。
1. 金利政策
中央銀行の金利政策は、国債市場に大きな影響を与えます。金利が上昇すれば、国債の利回りも上昇し、価格は下落します。逆に金利が低下すれば、国債価格は上昇し、利回りは低下します。日本の場合、日本銀行の金融政策(YCC:イールド・カーブ・コントロール)は国債市場に直接影響を与えています。
2. 経済指標
経済の健全性や成長見通しは国債市場に影響を及ぼします。良い経済指標が発表されれば、投資家はリスク資産への投資を優先し、国債への需要が低下します。これにより国債価格は下落し、利回りは上昇します。
3. 政治的リスク
政治的な不安定要因や不確実性は、国債市場における安全資産への需要を高める可能性があります。このため、政治的なリスクが高まると、国債価格が上昇し、利回りが低下します。
利回りの計算と価格変動の影響
10年国債の利回りは、購入価格と将来の利息収入を考慮して計算されます。国債価格が変動した場合、その変動により利回りが影響を受けます。
利回りの計算
利回りは、以下の式で計算されます。
価格変動の影響
国債価格の変動は、利回りにどのような影響を与えるのでしょうか。例を挙げてみましょう。
利回りが上昇した場合:国債価格が下落し、現在価格が低くなります。これにより、既存の国債を保有する投資家は
損失を被ります。
利回りが低下した場合:国債価格が上昇し、現在価格が高くなります。これは、国債を保有する投資家に利益をもたらします。
まとめ
10年国債の利回りと価格変動は、金融市場において重要な要素です。金利政策、経済指標、政治的リスクなどがこれらに影響を与え、投資家に影響を及ぼします。利回りと価格変動の関係を理解し、投資判断に役立てることが大切です。