「転職したいけど、何を基準に動けばいいか分からない」
「今の会社でそこそこ年収もらってるけど、なんとなくこのままでいいのか不安…」
そう感じたことはありませんか?
実は、その「なんとなくの不安」はかなり正確なセンサーです。
キャリア支援のプロ、エッグフォワード代表・徳谷智史氏が約5年かけて執筆した『キャリア作りの教科書』(550ページ超)には、こんなことが書かれています。年収を追いかけて転職すると、キャリアの後半で詰む可能性がある、と。
この記事では、その本のエッセンスをもとに、20代から50代まで全世代のビジネスパーソンが「転職でキャリアアップ・年収アップを本当に実現するための戦略的アプローチ」を徹底解説します。転職を急いでいない人にこそ、読んでほしい内容です。
「良い会社に入ればOK」がもう通用しない時代になった

Q: キャリア3.0時代とは何ですか?
A: 転職が「前提」で複数の会社を経験するのが当たり前になった時代。就身雇用が常識だったキャリア1.0、転職が選択肢に入り始めたキャリア2.0から進化した、人材流動化が加速する現代のキャリア観のことです。
2025年のマイナビ調査では、正社員の転職率は7.5%と過去最高水準を記録しました。転職後に年収が上がった人は約4割にのぼります。さらにdodaのデータによると、コンサルティング職の転職求人倍率は7.77倍。人材市場はかつてないほど動き始めています。
キャリア1.0・2.0・3.0って何が違うの?
まず、3つの時代を整理しておきましょう。
- キャリア1.0:今の50代以上が歩んできた「就身雇用が常識」の時代
- キャリア2.0:転職が選択肢の一つとして認識され始めた時代
- キャリア3.0:転職が「前提」で、複数の会社を渡り歩くのが当然になった時代
「そんな大げさな」と思うかもしれません。でも、周りを見渡せば分かるはずです。30代前半でもう2〜3社経験している同期が増えていませんか?
この流れは今後さらに加速します。問題は、みんなが転職し始めると何が起きるかです。
人材の流動化が進むと、社内格差がえげつないことになる
転職市場に出てくる人が増えると何が起きるか。
外の世界でゴリゴリに市場価値を磨いた人材が、あなたの会社に入ってきます。そしてその人が、今まであなたが狙っていた「おいしいポジション」を奪っていく。
一方で、今の会社でぬくぬく働いてきた人はどうなるか。年収はなぜか据え置き、もしくじわじわ下がる。実力に応じた格差が広がるわけです。
「でも日本の法律じゃ簡単に首にできないでしょ」という反論もあります。たしかにそうです。でも、それがむしろ残酷な話で——
一定以上儲かっている会社でも、無限にお金があるわけじゃありません。だから市場価値に応じて年収に差をつけるしかない。雇用は守るが、給与は守らない。それが現実です。
会社は雇用を守る。でも、あなたの市場価値は守ってくれない
最近の企業はコンプライアンスを非常に重視するようになりました。
だから、面と向かって「あなたの市場価値は低いですよ」とは言いません。むしろ優しく雇用を守ってくれます。残業時間の管理もしてくれる。一見、働きやすい環境です。
でも、あなたの市場価値を高めることは、完全に自己責任です。
気づいた時には「市場に出したらどこも採用してくれない」状態になっていた、というのは決して他人事ではありません。
そもそも「市場価値」って何でできているのか

Q: 転職市場における市場価値はどうやって決まりますか?
A: 「希少性×再現性×市場性」の3つの掛け合わせで決まります。どれか一つが高くても、他が低ければ市場では評価されにくくなります。
市場価値は、「企業のニーズ」×「保有する経験・スキル、その希少性・再現性」×「キャリア相応の期待値」を総合した、相対的な評価です。同じスキルを持っていても、ビジネストレンドや社会情勢によって価値は常に変化します。
希少性・再現性・市場性——この3つの掛け合わせがすべて
それぞれをざっくり言うと、こんな感じです。
| 要素 | 意味 | ひとことで |
|---|---|---|
| 希少性 | どれだけレアなスキルや経験を持っているか | 「あなたにしかできない」度 |
| 再現性 | どんな環境でも同じように活躍できるか | 「どこでも通用する」度 |
| 市場性 | 転職市場でどれだけ必要とされているか | 「求める企業が多い」度 |
最強の状態は、日本に数人しかいないレアスキルを持ち、どんな企業に転職しても同様の実績を残せ、そのスキルを求める会社がたくさんあること。
まあ、そんな人間は滅多にいませんが(笑)。
だからこそ、この3つを少しずつ高めていく戦略が大事になります。
年収と市場価値が「別物」になる瞬間——高年収なのに転職市場で全く評価されない人の実態
「年収が高い=市場価値が高い」という認識は間違っています。市場価値が高い状態とは、特定の会社に限らず持ち出せるスキルで、業界や企業を跨いで横展開が可能な汎用性の高い能力を持っていることです。
例えば、大手企業に入社して10年。役職も上がって年収も1000万近い。でも転職エージェントに面談を申し込んだら、「この経験では他社への紹介が難しいです」と言われた——というケースが実際に起きています。
それは社内価値は高いけど市場価値は低い、という状態です。この2つは全く別物なんです。
希少性を高めたいなら「発注者」になるな

Q: ビジネスパーソンとして希少性を高めるにはどうすればいいですか?
A: 受注側に回り、自ら提案・営業して試行錯誤する経験を積むことが最重要です。発注者(クライアント側)にいると実績は積めても、市場で評価されるスキルは身につきにくいです。
これ、意外と見落とされているポイントです。
大手ブランドと莫大な予算が生んだ「幻の実績」問題
こういうケースを想像してみてください。
大手メーカーの宣伝部に勤務して5年。電通や博報堂と組んで、年間数十億円規模のCMキャンペーンを何本も担当した。実績として書けることはたくさんある。
でも転職市場に出てみると、なぜか評価されない。
なぜか?
それは、莫大な予算と優秀な広告代理店があったから成立した実績であって、「あなた自身のスキル」ではないからです。ぶっちゃけた話、担当者が誰でもある程度の結果は出た可能性が高い。
同じことが、小売業界のバイヤーにも言えます。優秀な営業マンが持ってきた商品提案をそのまま採用して「実績」として計上している——でもそれは自分で考えて動いた結果じゃない。
バイヤーも宣伝部も——発注者側にいると何がまずいのか
要するに、発注者側にいると「楽をしながら実績だけを積める」環境になりやすいんです。
楽なのはいい。でも危険なのは、自分のスキルとしての希少性が全く高まっていないのに、なぜか大きな実績だけが残るという状態に陥ること。
これを「ぬるま湯的環境」と呼びます。若いうちからこの環境にどっぷり浸かると、35歳以降のキャリアの選択肢がガクッと狭まります。
「受注者として泥をかぶる経験」が35歳以降のキャリアを救う
では何をすればいいか。
せめて35歳までに、自ら提案して・営業して・何度もノーと言われながら・試行錯誤して・どうにか受注する経験を積んでください。
中小企業やスタートアップで、数百万円規模のプロジェクトを一人で最初から最後まで回している人。そういう人の方が、実は圧倒的に希少性を磨けている。スケールの大きさよりも、自分がやり切ったかどうかが問われているんです。
再現性は、外の世界に出てみるまで自分では絶対わからない

Q: キャリアの再現性を高めるにはどうすれば良いですか?
A: 転職エージェントとの面談など「外部の目」に自分を晒すことが最も有効です。一社しか経験していないと、どのスキルが他社でも通用するか自分では判断できません。
これ、一社しか経験していない若手の方はとくに要注意です。
大手企業で仕事が細分化される「落とし穴」
人気の大手企業ほど、扱う仕事のスケールが大きい。数十億、数百億規模のプロジェクトに関わることもあります。
聞こえはいい。でも現場を覗いてみると、入社2〜3年目の若手に任されるのは、会議のセッティングや社内向け資料作成だけというケースが大半です。さすがに数百億の案件を新人に丸投げはできませんから。
確かにスケールの大きい仕事に「携わって」はいる。でも、それで再現性は育たない。
一方、中小企業やスタートアップで働いている人は?
たとえ数百万円規模でも、提案して受注して実際に案件を動かして、クライアントから直接怒られて、そこから改善する——この一気通貫の経験を自分で何度も回している人が、断然伸びていきます。
数百万円規模でも一気通貫で回した人が強い理由
「うちの会社、規模が小さくて恥ずかしい」なんて思う必要は一切ありません。
市場が評価するのはスケールではなく再現性。「この人は別の環境でも同じように活躍できるか?」これが採用企業が最も気にするポイントです。
規模が大きい仕事の「一部分」を担当した経験より、規模が小さくても「全体を自分で動かした」経験の方が、転職市場ではずっと評価されます。
初めて転職エージェントと面談して「ゾッとした」実体験
ここで少し、個人的な話をさせてください。
27歳の時、初めて転職エージェントと面談した時のことです。
「自分にはこれだけの実績がある」とどや顔で準備して臨んだのに、エージェントの反応はどうも薄い。聞いてみると「この経験は今の会社でしか評価されないですね」と言われた。
ゾッとしました。
でも今思えば、あの経験があって本当によかったと思っています。
外部の目に晒されて初めて「この仕事を頑張れば市場価値が上がる」「この経験は転職市場では評価されない」という狙い目が分かった。それ以降、日々の仕事への取り組み方が劇的に変わりました。
今すぐ転職しなくていい。まず「エア転職」からやってみよう

Q: エア転職とはどういう意味ですか?
A: 今の会社を辞めることなく、転職エージェントとの面談や求人確認だけを行い、外部の目で自分の市場価値を確認する行動のことです。実際に転職しなくていいので、リスクゼロで自己点検できます。
2025年マイナビの調査では、転職活動者のうち「いい会社が見つかれば転職したい」と答えた人は56.9%。つまり、転職に踏み切れていない「潜在的転職検討層」が半数以上いるということです。
そういう人こそ、エア転職は超おすすめです。
エア転職とは何か——在籍したまま外部の目に晒す最強の自己点検法
やることは単純。転職エージェントに登録して面談してもらうだけです。
それだけで何が分かるか?
- 自分が自慢している実績が転職市場でどう評価されるか
- どんなポジション・年収帯の求人が紹介されるか
- 今のスキルで転職すると、どんな選択肢があるか
これを無料で、転職せずに確認できるんです。やらない理由がない。
面談は気軽に、応募は慎重に——この鉄則を絶対に忘れるな
ただし、注意点があります。
面談まではノーリスクでお得です。ただいざ応募となると話が変わってきます。
企業研究、応募書類の作成、面接対策——それなりに時間と労力が必要になる。しかも転職活動中は、在職中の仕事のパフォーマンスも落ちやすい。
だから、応募するなら「今の会社を辞めてでも行く可能性がある」と思える企業だけに絞ること。
「とりあえずたくさん応募してみましょう」と言ってくるエージェントは、正直危険信号です。応募という行為を軽く見ているエージェントとは、距離を置いた方が賢明です。
全国2万社の転職エージェント、質がピンキリな理由と選び方
転職エージェントは全国に約2万社あります。
当然、質にはかなりのバラつきがあります。
悪いエージェントの特徴:
- すぐに大量の求人を送りつけてくる
- こちらの希望を聞かずに「とにかく応募しましょう」と急かす
- 担当者が業界知識を持っていない
良いエージェントを見分けるポイント:
- まずキャリアの棚卸しをきちんとやってくれる
- 「今すぐ転職しなくてもいい」と言える誠実さがある
- 求人紹介の前に、自分の市場価値についてフィードバックをくれる
個人的に最初のエア転職に使うなら、求人数が圧倒的に多く、面談の質も高いリクルートエージェントやビズリーチがおすすめです。
両方無料で面談できますし、登録後に「まだ転職を決めていないのですが、キャリアの棚卸しだけしてもらえますか?」と正直に伝えれば対応してくれます。
市場性——「どの船に乗るか」がキャリアの天井を決める

Q: キャリアの市場性を高めるにはどうすれば良いですか?
A: 自分のスキルを市場に合わせるよりも、成長している大きなマーケットに居場所を作ることが先決です。縮小業界にいると、スキルがあっても評価されにくくなります。
2025年の金融業界の転職求人件数は前年比121.8%に増加。デジタル化の加速やESG投資の浸透が背景にあります。一方で製造業でも前年比109.4%となり、DX推進や海外拠点対応ができる人材の需要が高まっています。
市場性は、日々の仕事の中で改善できるタイプのものではありません。だからこそ、大きな方向性を間違えないことが最重要です。
縮小業界にいると、ポータブルスキルごと沈む
縮小している業界にいると、スキルをいくら磨いても評価されにくくなります。
なぜなら、その業界を求める企業が減っていくから。需要そのものが萎んでいくわけです。
これはまるで、縮小するパイを奪い合うようなもの。船が沈みかけているのに、デッキを必死に磨いているようなイメージです。
AIに置き換えられる仕事をしていないか、今すぐ自己点検を
もう一つの大きなリスクがAIです。
データ入力、単純な書類処理、定型的なカスタマー対応——これらはすでにAIへの代替が進んでいます。
自分の仕事の中心が「決まったルールに従って処理するだけ」の業務で成り立っているなら、市場性という観点では要注意です。
逆に、AIを使いこなして価値を出せる人や、対人関係・交渉・創造性が求められる仕事をしている人は、今後もますます希少価値が上がっていきます。
年代別に見る「市場性」の考え方——20代・30代・40〜50代でやるべきことは違う
年代によって、「市場性」への向き合い方も変わります。
| 年代 | 市場性へのアプローチ |
|---|---|
| 20代 | 成長業界に飛び込む選択をする。最初のポジショニングが後のキャリアを大きく左右する |
| 30代 | 現職業界の成長性を冷静に評価。副業やスキルのピボットで市場性を広げる |
| 40〜50代 | 「管理職×専門性×業界知識」の掛け合わせでニッチな希少人材になる。経験を横に転用できるかが鍵 |
「もう40代だから今更…」は禁句です。2025年の転職後に年収が上がった人は約4割にのぼり、転職市場は引き続き活況が続いています。40代・50代の転職市場も、マネジメント経験や深い専門知識を持つ人材への需要は確実に存在します。
キャリアアップと年収アップは、順番がある

Q: 転職でキャリアアップと年収アップを同時に実現するにはどうすればいいですか?
A: 若い時期は年収より市場価値の積み上げを優先し、30代後半〜40代以降で年収・待遇・ワークライフバランスをまとめて改善するのが最も合理的な順番です。
これが、多くの人が見落としている「順番の話」です。
若いうちは年収より「市場価値の積み上げ」に全振りせよ
20代〜30代前半の方へ。
今、年収が高いことより市場価値が高いことの方が、長期的にはずっと大事です。
目先の年収、企業の知名度、ワークライフバランス——これらはすべて、市場価値を武器にすれば「後から取りに行けるもの」です。
でも逆はできない。市場価値は、時間と経験の積み上げでしか作れない。お金では買えない。
だから若いうちは、多少つらくても、多少年収が低くても、自分の希少性・再現性を高められる仕事に就くことを最優先にしてください。
30代後半までに逆転できれば、後はぬくぬくできる
30代後半までに市場価値を一般水準より上に持っていければ、選択肢が一気に広がります。
「年収を上げたい」「もっとワークライフバランスを整えたい」「有名企業でブランド名を付けたい」——それらを、市場価値という武器を持って要求できる立場になれるんです。
戦略的に順番を考えれば、前半は我慢して後半にぬくぬくできる。それがキャリアの正しい組み立て方です。
キャリア後半(40〜50代)で本当に選ばれる人材の条件
40代・50代で転職市場において強い人材には、共通点があります。
- ポータブルスキル(どこでも使えるスキル)が高い
- 成長業界での実績がある
- マネジメント経験と専門知識の両方を持っている
- 「自分にしかできないこと」を言語化できる
逆に評価されにくいのは、「うちの会社でしか通じない常識」で凝り固まった人。そういう人は、いざ転職活動を始めると「市場価値ゼロショック」を受けることになります。
だから40代・50代こそ、エア転職で今の自分の市場価値を確認することが大切です。
まとめ——戦略的に動いた人だけが、転職で年収も未来も手に入れる
ここまで読んでいただいた方なら、もうお分かりかと思います。
転職でキャリアアップ・年収アップを実現するための本質は、「年収という結果」ではなく「市場価値という原因」を先に作ることです。
希少性・再現性・市場性——自分の今地を今日チェックする方法
最後に、簡単な自己点検リストを置いておきます。
希少性チェック
- 自分にしか提案できないアイデアや企画を出したことがあるか?
- 発注者側ではなく、受注者として提案・営業した経験があるか?
- 「あなたじゃないとダメだ」と言われた経験があるか?
再現性チェック
- 今の会社を辞めても、同じような実績を別の環境で出せると言えるか?
- 一気通貫で案件を自分で動かした経験があるか?
- 転職エージェントに一度でも外部評価をもらったことがあるか?
市場性チェック
- 今いる業界は成長しているか、縮小しているか?
- 自分の仕事の中心的な業務が、AIに置き換えられるリスクはないか?
一つでも「これは怪しい」と思ったポイントがあれば、今すぐ動き始める価値があります。
まず一歩——今日から始めるエア転職
繰り返しになりますが、今すぐ転職する必要はありません。
まずはエア転職——転職エージェントとの無料面談だけやってみましょう。
それだけで、自分の市場価値がどのくらいか、どんな企業・年収帯に転職できるのか、今の仕事のどこに再現性があるのか、が一気に見えてきます。
私が最初のエア転職に使うなら、まずはこの2社に登録するのがおすすめです。
| サービス | 特徴 | こんな人におすすめ |
|---|---|---|
| リクルートエージェント | 業界最大手。求人数No.1。幅広い年代に対応 | 全年代・全職種の転職検討者 |
| ビズリーチ | 求人数・サポート体制ともに充実。市場価値診断も可能 | 自分の適正年収・市場価値を知りたい人 |
どちらも完全無料。面談だけしてもらって「まだ転職は考えていません」と正直に伝えてもOKです。
転職で本当にキャリアアップ・年収アップを実現した人は、全員「先に市場価値を高める」という順番を守っています。
今日、エア転職で自分の現在地を確認することが、5年後・10年後のキャリアを大きく変える第一歩になります。




