パソコンの動きが急に遅くなって、イライラしていませんか?
実は2025年12月、Microsoftが配信したアップデートによって、多くのWindows 11ユーザーが「なんだか最近PCが重い…」と感じる事態が発生しています。
私も先週、いつも使っているメインPCで動画編集中に突然カクつきが発生し、「え、これ壊れた?」と焦りました。タスクマネージャーを開いてみると、見慣れないプロセスがメモリを大量に食っている…。
この記事では、KB5072033というアップデートが引き起こした「隠し設定」の変更と、その影響で重くなったPCを元に戻す具体的な方法を、実際の画面や数値を交えて徹底解説します。
読み終わる頃には、あなたのPCも快適な動作を取り戻せるはずです。
何が起きた?突然の重さの正体

Q: Windows 11が急に重くなったのはなぜ?
A: 2025年12月のKB5072033アップデートが、AppXSVCというサービスを勝手に常時起動に変更したため。メモリ使用量が約2GB増加しています。
実際に私のPCで確認したところ、普段は6GB程度だったメモリ使用量が、アップデート後には8GBを超えていました。何もアプリを開いていないのに、です。
犯人はAppX Deployment Service
問題の核心は「AppX Deployment Service(通称AppXSVC)」というシステムサービスにあります。
このサービス、本来はMicrosoftストアのアプリをインストールしたり更新したりする時だけ働く「裏方」のような存在でした。必要な時だけ起動して、仕事が終わったらおとなしく眠る。効率的な設計だったんです。
ところが、KB5072033が配信されて以降、この設定が「手動(必要時のみ起動)」から「自動(常に起動)」へ無断で書き換えられました。
あなたのPCでも、今この瞬間にAppXSVCが動き続けているかもしれません。
Microsoftの「後出し」説明
さらに問題なのは、Microsoft側の対応です。
最初はリリースノートに何の記載もなく、ユーザーからの苦情が殺到してから、ようやく「仕様変更しました」と追記したんです。これ、正直フェアじゃないですよね?
公式の説明では「アプリ更新の信頼性向上のため」とされていますが、多くのユーザーにとっては迷惑でしかない変更でした。
PCへの深刻な影響|実測データで検証

Q: AppXSVCが常駐するとどんな悪影響がある?
A: メモリ2GB増加、CPU使用率20%以上の占有、ゲームやクリエイティブソフトのフリーズなど、複数の不具合が報告されています。
私のサブPC(メモリ8GB搭載)では、ブラウザで10個程度タブを開いただけでメモリ不足の警告が出るようになりました。
メモリ不足で作業が止まる
特に影響が大きいのは8GBメモリのPCです。
何もしていない状態でも、Windowsシステムだけで約4GB使用します。そこにAppXSVCが2GB追加で食い込むと、残りはたった2GB。ChromeやEdgeを開いた瞬間、もうカツカツです。
16GBメモリ搭載機でも油断できません。動画編集やゲーム配信など、メモリを多く使う作業では明らかにパフォーマンスが落ちます。
実際、私の知人のゲーマーは「Apex Legendsのフレームレートが20fps落ちた」と嘆いていました。
CPUも悲鳴を上げている
メモリだけじゃありません。CPU使用率も20%以上を占有することがあります。
静かだったファンが急に唸り始めたり、ノートPCの裏面が妙に熱くなったり。バッテリー持ちも明らかに悪化します。
タスクマネージャーで確認すると、「AppX Deployment Service」がCPUリソースをじわじわと消費し続けているのが見えるはずです。
アプリが固まる・落ちる
もっと深刻なのは動作の不安定化です。
ゲーム中に画面が突然フリーズしたり、PhotoshopやPremiereなどのクリエイティブソフトが「応答なし」になったり。大事なレポート作成中にWordが落ちる、なんて悪夢も報告されています。
あなたも最近、こんな経験ありませんか?
なぜMicrosoftはこんな変更を?

Q: なぜMicrosoftは批判を承知で設定を変えたの?
A: 将来的なAI機能の即時起動やアプリ自動更新の完全統合を見据えた、長期戦略の一環と推測されます。
2025年のIT業界ではAI統合が最優先課題になっており、Microsoftも例外ではありません。
公式の言い分「信頼性向上」
Microsoft側の公式説明では、「アプリ更新の失敗を防ぐため」とされています。
確かに、手動起動だと更新タイミングがずれてエラーが起きることもありました。常時起動にすれば、そのリスクは減るでしょう。
でも、ユーザーに選択肢を与えずに強制変更するのは、やり方として疑問です。
本当の狙いは「全自動PC」
推測も含みますが、より大きな狙いは「全自動PC」の実現だと考えられます。
ユーザーが何もしなくても、OSもアプリも常に最新状態。セキュリティパッチも自動適用。確かに理想的ですが、その代償としてリソースを食い潰すのでは本末転倒ですよね。
AI時代への布石
さらに重要なのが、今後搭載されるAI機能への対応です。
「Copilot」などのAI機能を瞬時に呼び出すには、バックグラウンドで常に準備が整っている必要があります。AppXSVCの常駐化は、その土台作りの第一歩なのかもしれません。
Windows 12のリリースも噂される2025年。Microsoftは長期戦略を見据えているのでしょう。
でも、それで今のPCが使いものにならなくなっては困りますよね?
解決法|設定を元に戻す完全手順
Q: 重くなったPCを軽くするにはどうすればいい?
A: AppXSVCのスタートアップ設定を「自動」から「手動」に変更すれば、元の軽快な動作に戻ります。5分で完了します。
私も実際にこの手順を試したところ、メモリ使用量が2GB近く減少し、ファンの音も静かになりました。
基本手順|サービス設定から変更
まずは標準的な方法から。ほとんどの場合、これで解決できます。
手順1: サービス管理画面を開く
キーボードの「Windowsキー」と「R」を同時に押してください。小さなウィンドウが開きます。
そこに services.msc と入力して「OK」をクリック。
services.msc

すると「サービス」という一覧画面が表示されます。たくさんの項目が並んでいて、ちょっと圧倒されるかもしれませんが、大丈夫です。
手順2: AppX Deployment Serviceを探す
一覧は基本的にアルファベット順に並んでいます。
上から順に見ていって、「AppX Deployment Service」という項目を探してください。「A」の最初の方にあるはずです。

見つけたら、その行をダブルクリックします。
手順3: スタートアップ設定を変更
新しいウィンドウが開きます。
「スタートアップの種類」という項目に注目。ここが「自動」になっていたら、それが重さの原因です。
ドロップダウンメニューをクリックして、「手動」を選択してください。

最後に「適用」→「OK」の順にクリック。
これで完了です!
念のため、PCを一度再起動すると確実に設定が反映されます。
応用編|レジストリで強制変更
※操作は危険を伴うため、自己責任でお願いします。
場合によっては、サービス画面から変更できないケースもあります。設定がグレーアウトしていて触れない、という状態です。
その場合は、レジストリエディタを使った方法が必要です。
注意: レジストリ操作は慎重に
レジストリはWindowsの「設計図」のようなもの。間違って変更すると、最悪の場合OSが起動しなくなります。
以下の手順は完全に自己責任で行ってください。不安な方は、詳しい人に手伝ってもらうことをおすすめします。
手順1: レジストリエディタを起動
「Windowsキー + R」で「ファイル名を指定して実行」を開き、regedit と入力してEnter。
regedit
「このアプリがデバイスに変更を加えることを許可しますか?」と聞かれたら「はい」をクリック。
手順2: 目的の場所へ移動
左側のツリー構造を展開して、以下のパスを辿ります。
HKEY_LOCAL_MACHINE
└ SYSTEM
└ CurrentControlSet
└ Services
└ AppXSVC
もしくはレジストリエディターの上の部分に以下のパスをコピペします。
HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\AppXSVC

「Start」の値を 2 (自動) から 3 (手動) に変更
「AppXSVC」フォルダをクリックすると、右側に複数の項目が表示されます。
手順3: 「Start」の値を変更
右側の一覧から、「Start」という名前の項目を探してください。
それをダブルクリックすると、編集ウィンドウが開きます。
「値のデータ」という欄に数字が入っています。おそらく 2 になっているはずです。
これを「3」に書き換えて「OK」をクリック。
重要な注意点
2= 自動起動3= 手動起動(推奨)4= 無効
絶対に 4 にしないでください!
無効にすると、電卓やペイントなどの標準アプリが起動しなくなります。必ず3に設定してください。
手順4: 再起動して確認
レジストリエディタを閉じて、PCを再起動します。
起動後、タスクマネージャーを開いてメモリ使用量を確認してみてください。明らかに減っているはずです。
設定変更後の体感
私の場合、設定変更後は以下のような改善がありました。
- メモリ使用量が約2GB減少(8GB→6GB)
- ファンの回転音が静かになった
- ブラウザのタブ切り替えがスムーズに
- 動画編集時のプレビュー再生がカクつかない
あなたのPCでも、同様の改善が期待できます。
今後の注意点|再発の可能性

Q: 一度設定を戻せば、もう大丈夫?
A: いいえ。今後のWindowsアップデートで設定が再び「自動」に戻される可能性が高いです。定期的なチェックが必要です。
実際、私の友人は後に再度同じ症状に悩まされました。
Microsoftの方針は変わらない
残念ながら、Microsoft側はこの「常時起動」を今後の標準設定にする方針のようです。
つまり、今回手動で戻しても、次回以降のアップデートでまた自動に戻される可能性があります。
これはユーザーにとって非常に不便ですが、現実として受け入れざるを得ません。
定期チェックを習慣に
対策としては、月に一度程度、設定を確認する習慣をつけることです。
Windowsアップデートが配信されるのは通常、毎月第2火曜日(通称「パッチチューズデー」)。その翌週くらいに、念のためサービス設定をチェックしてみてください。
「最近またPCが重いな…」と感じたら、真っ先にAppXSVCの設定を疑いましょう。
他のサービスにも注意
AppXSVC以外にも、今後同様の変更が行われるサービスがあるかもしれません。
特に以下のサービスは要注意です。
- Windows Update(wsusvc)
- Windows Defender(WinDefend)
- バックグラウンドインテリジェント転送サービス(BITS)
これらも状況次第では、常時起動に変更される可能性があります。
タスクマネージャーの「パフォーマンス」タブで、定期的にメモリ・CPU使用率をチェックする習慣をつけると良いでしょう。
よくある質問と回答
手動に戻すとアプリが使えなくなる?
いいえ、心配ありません。
「手動」設定でも、Microsoftストアのアプリは普通に使えます。アプリを起動する時や更新する時に、必要に応じてAppXSVCが自動的に立ち上がるからです。
むしろ、必要な時だけ動く方が効率的なんです。
無効にしてはいけない理由は?
レジストリで値を 4(無効)にすると、AppXSVCが完全に動かなくなります。
すると、電卓、メモ帳、ペイント、Microsoft Store自体など、Windowsの標準アプリがすべて起動不能になります。
「アプリを修復」しようとしても、そもそもAppXSVCが動かないので修復もできません。最悪の場合、OSの再インストールが必要になることも。
必ず 3(手動)に設定してください。
設定が勝手に戻る頻度は?
明確な頻度は公表されていませんが、大型アップデート(年2回)や累積更新(毎月)のタイミングで戻される可能性が高いです。
私の経験では、2〜3ヶ月に一度くらいのペースで確認すれば十分かと思います。
古いPCでも同じ方法で大丈夫?
Windows 11が動作している環境なら、基本的に同じ手順で対応できます。
ただし、メモリ4GB以下の非常に低スペックなPCの場合、AppXSVC以外にも様々なサービスが負担になっている可能性があります。
その場合は、PC全体の最適化を検討した方が良いかもしれません。
まとめ|あなたのPCを守るために
2025年12月のKB5072033アップデートによって、多くのWindows 11ユーザーが予期せぬ動作低下に悩まされています。
原因は「AppX Deployment Service」が勝手に常時起動に変更されたこと。
解決策は明確です。
- サービス管理画面(services.msc)を開く
- AppXSVCを探して設定を開く
- スタートアップを「自動」から「手動」に変更
- 変更できない場合はレジストリで
Startを3に設定
これだけで、メモリ使用量が約2GB減少し、快適な動作を取り戻せます。
私自身、この方法で複数のPCを改善しました。作業効率が明らかに上がり、ストレスも減りました。
ただし、今後のアップデートで再び設定が戻される可能性があります。月に一度程度、定期的なチェックを習慣にしてください。
あなたのPCも、本来の快適さを取り戻せるはずです。
今すぐ設定を確認して、サクサク動く環境を手に入れましょう!

