個別株取引で、稼ぐためには銘柄選定よりも先に「売買タイミング」を学ぶことが、大切な投資資金を守り着実に成果を出す上で最も重要です。
本記事では、要点の解説と、オニール流を用いて、最近のチャートの例を分析していくことで、より分かりやすく「強気相場の天井を示すサイン」を吸収できます。
- 天井の兆候をいくつか目にしたら躊躇しない
- 天井を打つ前にあらかじめ逆指値の売り注文もしくは、損切り価格を決めておく
(一般的には逆指値注文は使わない方がよいが優柔不断な人には有効) - 弱気相場に入ってしまったら、成行注文を使う
(指値注文では間に合わない) - 株式資産の25%以上を現金化
- 弱気相場に信用取引は絶対にダメ
- 弱気相場では2択(売って撤退か、空売り)
- 弱気相場はだいたい5〜6ヶ月(最高2年間)
出来高の減少や弱さを示す動きを見せたとき(8パターン)
上昇の勢いが徐々になくなってきたとき
上昇の勢いが徐々になくなってくると、その後軟調になることがあります。
個人的経験則では、このパターンはビットコイン相場でも有効でした。
少ない出来高で新高値
出来高が減ったり少ないのに新高値をつけたとき。
- 株価が上がるのに出来高が減少するのは、大口投資家がその銘柄を欲しがらなくなったことを示している。
終値が1日の最安値かその付近
矢印が下を示すような形で日足チャートに天井が描かれる。
- つまり、株価が1日の値動きの最安値とかその付近で引け、その日の上昇分を全て消してしまうということが、数日続くような状態。
3回目や4回目のベース
株価が3回目や4回目のベースからブレイクして新高値をつけたら売り。
- 市場では3度目の正直はあまりない。その頃には、株価の上昇が誰の目にも明らか
- この後期に作られるパターンは不完全であることが多く、広くルーズになる傾向がある。
4回目のベースは最大8割が失敗に終わるが、まずはそのようなベースを認識できるようにならなければならない。
*ベース=4〜8週間のものが多い
↓注)3回目のベースで下落トレンドになるパターンもあります。
弱い上昇の兆候
天井近くで、最初の大きな売りが起こると、次の上昇では次のことが起こる。
- 出来高が減少
- 上値が重い
- 連続して上昇する日が減少
このように弱い上昇があったらその2〜3日中に売ること。トレンドラインや支持線がブレイクされる前の、最後の売りのチャンスになるかもしれない。
最高値からの下落
最高値からの下落が12〜15%を超えるようなら、売りを検討した方が良い。
- 新高値から8パーセントほど株価が下落した場合、それまでの上昇や天井そして下落の動きを調べることで上昇が終わったのかそれとも通常の調整(8〜15%)に入っているところなのか判断しやすくなる。


レラティヴ・ストレングスの悪化
レラティヴ・ストレングスが悪化するのも売りのサイン。
「インベスターズ・ビジネス・デイリー誌」のレラティヴ・ストレングス指数が70以下に下がったら売りを検討。
40〜60台の銘柄は買ってはならない。
「Market Smithソフトウェア」(赤枠のところ)で確認することができます。
参考までに、ウィリアム・オニール著「オニールの成長株発掘法」では次のように解説されています。
レラティブ・ストレングス指数とは、「インベスターズ・ビジネス・デイリー」紙が独自に開発した評価法で、ある特定の銘柄の値動きを市場の残りの値動きと過去52週間にわたり比較するもの。
そしてその評価として各銘柄に1〜99の数値が割り当てられる(Max99)。
例えば、
レラティブ・ストレングス指数が99の場合は、その銘柄の値動きは市場全体の99%の企業を上回ったことを意味している。
レラティブ・ストレングス指数が50の場合は、市場の銘柄の半分がその銘柄よりも良い値動きをし、残りの半分が悪い値動きだったことを意味する。
1950〜2008年の最高の値動きを示していた銘柄の、平均値は87。
出典元:ウィリアム・J・オニール著「オニールの成長株発掘法【第4版】」
孤立した銘柄
同じセクターの中で、その銘柄以外には重要な企業のいずれもが株価の強さを示していないような場合売りを考える。

人それぞれですが、まずは基本のフォームを身につけ、
自分流の投資術を見出すことが大切だと思います。
オニール本とは、投資家にとっては教科書的なバイブル本として有名です。
その情報量もさることながら、120年分の株式市場から分析した内容になっていますので4000円という価格以上の知識がつまっていると思います。
これは書籍であるとともに、この理論により作られた「Market Smith 株式チャート分析 ソフトウェア」の説明書にもなっています。
本書は、題名からはファンダメンタル中心の内容かと思いつつ、実は7割方は売買タイミング(テクニカル分析)の詳細な解説が実際の豊富チャートをもとになされています。