トレンド分析の方法としては、以下の3種類があります。

この記事では、難しそうな企業分析(ファンダメンタルズ分析)をシンプルに分析する方法について解説します。
CAN-SLIM(キャンスリム)を使ったファンダメンタルズ分析法
CAN-SLIMとはファンダメンタルズ分析における7つの成功ルールのイニシャルを並べた造語になります。
- C = Current earnings(当期利益が良いか?)
- A = Annual earnings(通年の利益が良いか?)
- N = New product or service(新製品・新サービスを出しているか?)
- S = Supply and demand(その銘柄の需給関係が良いか?)
- L = Leader or laggard?(その銘柄が相場の先導役か?それとも出遅れか?)
- I = Institutional sponsorship(機関投資家に好まれているか?)
- M = Market(一歩さがって相場全体の地合いは良いか?)

このノートを参考に、繰り返し分析をしてみて習熟することで、企業分析の精度とスピードが上がります。
それでは、CAN-SLIMの使い方を説明します。
C(当期利益が良いか?)
当期四半期のEPS(1株あたり利益)と売り上げを確認します。
企業情報はKabutanというサイトで確認することができます。

企業のページに飛んだら「3ヶ月決算【実績】」というところを確認します。

- 売上高とEPS(1株あたり利益)を確認します。
- 4半期(1月〜3月)が前年同期比でどれだけ伸びているかを確認します。
- これが25%以上伸びている株は成長株です。
※ EPSだけみてしまうと、臨時利益などがあった場合間違えた味方になってしまうため必ず売上高とセットでどちらも伸びているかを確認します。
※ 必ず前年同期比の同じ時期で比較しましょう。
A(通年の利益が良いか?)
年間の収益増加を確認します。

- EPS(1株あたり利益)を確認します。
- これが年間で25%以上伸びている株は成長株です。

- ROEが17%以上のものが成長株です。
※ ROEというのは自己資本だけでどれだけ利益をあげたかということを示す数値であり、経営のうまさを表すと言われています。
N(新製品・新サービスを出しているか?)
新興企業、新製品、新経営陣など正しいベースの上で新高値となっていく可能性を確認します。
- 何かが新しくなっているか?
- 株価が新高値となっているか?
株価が急激に伸びる前というのは、多くのケースで新製品などが開発されたりしています。これが分かりやすい伝説の銘柄として、下記のような例があります。

上記の銘柄は、3765ガンホー 東証1のチャートですが、パズドラというスマートフォンのアプリが2012年2月20日にiOS版、同年9月18日にAndroid版がリリースされました。そのあと株価が急激に伸びました。
S(その銘柄の需給関係が良いか?)
株式の需要と供給と確認します。
- 株式需要が高いことが前提
- 発行済み株式数が多い(分割しまくっている)銘柄は避けたほうがいい
※ ロレックスなどプレミアム商品が良い例ですが、世の中に出回っている数が少ないとそれら1つ1つの価値が高くなります。株にもまったくそれと同じ原理が働きます。
確認方法は、Googleで「発行済み株式数 ランキング」と入力し、それが少ないものの方を優先的に選びましょう。
なぜこれが良いかというと、発行済み株式数の少ない浮動株(個人投資家が購入可能な株)では、CAN-SLIMに連動した株価の値動きが望めますが、それとは逆の安定保有株(機関投資家が投資する株)では膨大な株数と機関投資家の思惑が介入するため株価の値動きが読みにくいためです。
L(その銘柄が相場の先導役か?それとも出遅れか?)
主導銘柄、上位1位〜3位かどうかを確認します。
※ 時価総額の多さではありません。
- 四半期の売り上げやEPSが強く伸びており株価パフォーマンスも好調か
セクター業種別やテーマ別などでランキング化してみて、上記の条件に当てはまるものを選びましょう。
I(機関投資家に好まれているか?)
機関投資家による保有があるかを確認します。
確認方法は簡単でKabutanで大株主のタグを確認します。

上記の赤枠内が、ファンドや銀行などの機関投資家です。
なぜ機関投資家が入っている銘柄が良いのかというと、プロの投資家が保有しないような銘柄は株価の値動きも平凡に終わる可能性が高いためです。
M(一歩さがって相場全体の地合いは良いか?)
株式市場の動向を確認します。
これまで確認してきて、良い銘柄を見つけたとしても、そもそもマーケットが下落トレンドであれば、優良銘柄の株価も上がりません。
- マーケットが強気なのか、弱気なのかを主要な指標で確認します。
- 日経平均株価
- TOPIX
- NYダウ
- S&P500
- NASDAQ
- 出来高が増えているのに株価は横ばい
- 直近の高値、安値を超えていない
出来高が多いのに株価があまり変わらないというのは、マーケットの動向が良くなく、高値を超えれず反発を何回も繰り返すのもマインドとしては悪く、もしかしたらそのまま下げトレンドに入るかもしれません。
この記事の投資法は、オニールの成長株発掘法という良書から引用したものです。ノウハウのボリュームが多く、1家に1冊の参考本として備えておくのもおすすめです。