2021年相場全体感
確実な未来のことは誰にも分かりませんが先を予測しておくということは、いざという時の適切な行動に繋がってくると思います。1部の投資家、投資ファンドによると、次のような見解が示されています。
現在、米国株式市場はミスプライシング(高すぎる株価)の銘柄が多すぎて、リスクリワードが合わないため2021年のどこかでカタリスト発生による大きなコレクション(調整)がある。
資産1兆円でも知られる有名投資家カール・アイカーン氏やJPモルガン
実際に、コロナショック後のV字回復を的中させたARK社のキャシーウッド氏の考察を見てみましょう。
動画は、字幕なし英語で30分程度のため、お時間があるときに英語リスニングのトレーニングがてら聞いてみるのもよいと思います。
動画の内容をまとめると次のようになります。
2021年1月初旬の相場について
- ジョージア州の上院選挙で民主党が2議席取っても、株式市場が上昇を続けていることは予想外だった。
- ARK社は法人税の引き上げなどを大きなリスクとしてみていたが、市場の注目は追加景気刺激策だったことが原因。 短期的には間違えていたが、長期的にも間違っていてくれると嬉しい。
- 最近の驚きは米国債10年金利が1%を大きく抜けたこと。 ARK・債券投資家・FRBも驚いているだろう。
2021年度の相場展開について
- コロナ感染者と死亡者は今後も継続的に増えていくとは思うが、追加景気刺激策が株式市場を大きく引き上げて行く。 2021年は株式市場にとって良い年になるだろう。
- 今M2(市場に供給されている資金)は26%(YoY)で増えている。これが今後コモディティ価格の上昇と更なるドルの下落につながるかも知れない。ドルが更に下落すれば、FRBは対策を迫られるだろう。(2020年の金利は7%下落)
- 追加景気刺激策はまだ続くが、このまま経済の回復が進めば早い段階で金融政策とともに、規模を縮小して行く可能性が高い。その際には、バイデン氏の公約に対して検討をしなければならない状況がくるし、実現可能性も一定程度見込める。
- バイデン氏の公約の一部である「インフラ投資」は共和党とも大きな問題なく合意に至るでしょう。 クリーンエネルギーに関しても、今の市場環境をみてみれば検討せざる追えなくなるでしょう。 ヘルスケアでは薬価改定はトランプ政権から継続して行って行くでしょう。癌領域の開発や、早期承認も継続すると予測。
- 大きなリスクとして挙げられるのが税制面。 法人税とキャピタルゲイン税(株式等の儲けに対する税金)の引き上げは景気が大きく回復してきたら、検討せざる追えない状況になってくると思う。注視していきたい。
- 景気動向として注目したいのはNFP(雇用統計) 金曜日の数字は非常に悪かった印象だが、中身を見てみると、製造業の数字は予想よりもよく、また時間外労働も強かった。製造業は今大きく稼働しており、非常にポジティブなサイン。同じ傾向が中国やヨーロッパでも起こっている。
- インフレ率の上昇は期待できないが、上がってくるとしたら心理的要因が多いだろう。金利が上がってくれば、市民は今後インフレが起こるかも知れない、と思いインフレを誘発する恐れはある。金融政策ではインフレは起こらないと歴史的にもみて考えている。
- 今後起こると思うのは、 金利カーブのスティープニング(長期主導) クレジットスプレッドの縮小(リスク許容度の上昇) ドルの更なる下落(Buying Powerの減少) コモディティの上昇(株式市場のボラティリティをもたらす要因となる) FRBの早期金融政策の見直し
- ビットコインは今年一度大きな調整が起こるが、最高の買い場になる。 銀行が今後Public Block Chain(BTCなど管理者のいない仮想通貨)を受け入れる時代が来るかも知れない。これは以前考えもしなかったが、今後実現するかも知れない
- 今の時代はこれまでの40年以上のキャリアでもっともエキサイティングな相場環境。
ARK社については、こちらで解説しています↓
2021年の投資戦略
2021年は2020年と比べて困難な相場も予想されるため、「ETFをコア:テーマ別セクター別ETFを幅広く組み合わせ」+「サテライト:個別銘柄」でフルインベストメントで投資していくとよいかもしれません。
ETF(コア) 50〜70%
国内証券会社(楽天証券、SBI証券、マネックス証券)で購入可能なもの
- VTI:全米
- PBW/PBD:クリエネ分散
- QCLN/ICLN:クリエネ総合
- LIT:リチウム電池(製造)
- REMX:レアメタル(素材)
など
海外証券会社(サクソバンク等)でのみ購入可能なもの
- ARKG:ヘルス
- ARKK:イノベーション総合
- ARKW:テック全般
- ARKQ:自動運転
- PRNG:3Dプリント
- DRIV:EV・自動運転(製造)
- YOLO:大麻
- CRNG:自然エネルギー
- TAN:ソーラー
など
個別(サテライト) 30〜50%
個別銘柄の売買での、今年の注意トレンドとして、次のようなことが考えられます。
- コロナからポストコロナへ
- トランプからバイデンへ
- 金融相場から業績相場へ
- 低金利から金利上昇へ
- セクターローテーション
例えば、セクターローテーションでは次のように考えられます。
高PSR(ハイテク) → ワークフロムホーム(通信) → テック(非SaaS、ステイアットホーム) → クリーンエネルギー → 景気敏感株 →リア充銘柄(リカバリー)
ローテーション監視銘柄(参考)
高PSR(ハイテク) | TSLA |
ワークフロムホーム(通信) | ZM |
テック(非SaaS、ステイアットホーム) | ROKU/GOOGL/AAPL/PINS/SQ/TDOC |
クリーンエネルギー | TSLA/NIO/ENPH/PLUG |
景気敏感株 | FCX/RIO/SBLK/ |
リア充銘柄(リカバリー) | LYFT/DIS |